鶴田浩二


戦中、多くの仲間を特攻隊で失い、その無念を晴らす思いで走りつづけた役者人生。 筋金入りの男の仁義を演じて右にでる者なし。






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鶴田浩二
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男たちの旅路
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≪プロフィール/鶴田浩二≫

【生年月日】1924年(大正13年)12月6日  

【没年月日】1987年(昭和62年) 6月16日(享年62歳)

【生誕地】東京都大田区
 
【性別】男  【職業】 俳優、歌手  【身長】172cm

【略歴】
  • 母方の祖母の手により私生児として育てられ、たまに母・君江が会いに来るのを楽 しみにしていた。
    母・君江は鶴田浩二の実の父の実家からその結婚を反対された ため入籍することができず、その後、小野忠次のもとへ嫁ぐ。

  • 祖母の死後、母の嫁ぎ先であった小野家へ引取られることになり、小野忠次の子供 となる。竜禅寺小学校卒業。

  • 13歳、父の仕事で大阪市西成区へ移転。

  • 14歳、映画俳優にあこがれ、伯父のつてで当時松竹の時代劇スターだった高田浩吉の内弟子として、高田浩吉劇団に入る。

  • 15歳、「会津の娘達」で白虎隊の少年という役の映画撮影中、肺炎とジフテリアにかかり1ヶ月以上の入院。退院後大阪此花商業学校に入学する。

  • 19歳、関西大学専門部商科へ入学する。学徒動員令で徴兵検査を受け、甲種合格。1944年5月第1期海軍飛行科予備生徒として横須賀第2海兵団に入団し、終戦までの1年7ヶ月を約2800名の仲間と生死を共にする。その間、特攻隊として帰らぬ人になった大勢の戦友に対しての思いが、その後の人生に大きく影響を及ぼす。

  • 20歳、横須賀海軍航空隊にて少尉で敗戦を迎える。9月、浜松で食料品店を開いていた両親のもとへ復員する。

  • 21歳、生涯の師、高田浩吉と浜松で再会。

  • 22歳、高田浩吉劇団に研究生として入団。付き人として働く。大学を卒業。この年、肺浸潤に侵され、薬の副作用で左耳が難聴になる。左手を左耳に添えて歌う独特のポーズは、鶴田浩二が音を正確にとらえるためにと考えたものである。

  • 23歳、高田浩吉の口利きで大曽根辰夫監督のもと松竹京都撮影所に入社。京都で宴席の後、後に妻となる東宝のニューフェイス中尾照子(18歳)に出会う。結婚が人気に影響する時代であり、照子は7年に及ぶ日陰の生活を強いられる。

  • 24歳、長谷川一夫、高田浩吉共演の時代劇「遊侠の群れ」に清滝の佐吉役でデビュー。

  • 25歳、「フランチェスカの鐘」で初主演。続けて「殺人鬼」「薔薇はなぜ紅い」に準主演し、たちまち松竹のホープになる。鶴田浩二、佐田啓二、高橋貞二の青春三羽烏として人気をはくす。

  • 26歳、「童貞」「エデンの海」、美空ひばり共演「あの丘越えて」などの話題作に出演、トップスターになる。

  • 27歳、芸能雑誌「平凡」の人気投票で、2位の池部良、3位の長谷川一夫を大きく引き離しての第1位になる。

  • 28歳、芸能界における興行権をめぐり暴力団による威嚇事件が起きる中、大阪で暴漢に襲われ軽傷を負う。俳優の独立プロ第1号となる新生プロを設立し、「弥太郎笠」、「ハワイの夜」を製作。この時共演した岸恵子と恋に陥り、失踪事件をおこす。ポリドールから「男の夜曲」で歌手デビュー。その後ビクターに移籍し、「ハワイの夜」「街のサンドイッチマン」などヒット曲を出す。

  • 30歳、独立プロの経営はむずかしく、フリーとなり大映「愛染かつら」、東宝「宮本武蔵」シリーズなど、松竹、大映、東宝、新東宝、東映など大手各社と契約し数多くの作品に出演、不動の人気を誇る。中尾照子と結婚。長女が誕生する。

  • 31歳、野球好きが高じ、野球チームツルタヤンガースをつくり野球の用具から合宿、遠征費用等全て負担する。兵庫国体に東京代表で出場、天皇盃の全日本軟式野球大会にも東京代表で出場。

  • 33歳、東宝と専属契約する。「旅姿鼠小僧」以外に主演作品に恵まれず、初めて低迷期に入る。

  • 34歳、東宝歌舞伎で初舞台。

  • 35歳、東映に移籍。第1作「砂漠を渡る太陽」では、第2次大戦末期の日本人医師役にふんしたのを始め、本格的任侠物がスタートする数年間はあらゆるジャンルの作品に主演する。

  • 39歳、「人生劇場・飛車角」での名演。続編もヒット。東映の任侠路線のスタートを切る。

  • 40歳、本格任侠物「博徒」シリーズが始まり、高倉健、藤純子と並んで、大衆を魅了する。

  • 41歳、「明治侠客伝・三代目襲名」で任侠スター鶴田浩二を確立。

  • 44歳、拓殖大学学生自治会で講演。以後任侠映画スターとして各地の大学に招かれる。

  • 47歳、「傷だらけの人生」で、第18回京都市民映画祭主演男優賞を受賞。更に同映画の主題歌で第13回日本レコード大賞大衆賞、第2回日本歌謡大賞放送音楽特別賞など数々の音楽賞に輝く。

  • 50歳、NHKドラマ、「男たちの旅路」シリーズで人間鶴田浩二の礎となっている戦争体験と、亡くなった多くの友の無念さを晴らす思いで熱演した、戦中派のガードマン役が話題となり大ヒットする。

  • 53歳、「男たちの旅路、第3部・シルバーシート」で昭和52年度芸術祭大賞受賞。

  • 60歳、最後の映画となる「最後の博徒」で主演の松方弘樹の兄貴分として助演する。NHK人間模様「シャツの店」(全6回)に出演。10月中旬、新宿慶応病院での定期検診で肺にうみがたまっているのが発見され、その後入退院を繰り返す。

  • 62歳、1987年6月16日午前10時53分、肺ガンのため死去。

【家族構成】

妻 照子  (元女優 中尾照子)
長女 愛弓
次女 矢尋
三女 左也香  (女優、鶴田さやか。 17歳、「家族」(TBSテレビ)で女優デビュー。鶴田浩二58歳、さやか23歳、梅田コマ「関の弥太っぺ」で父娘初共演。)


【趣味】

酒 ゴルフ 読書 野球 


【日本遺族会】

祖国を愛し、戦死した友のために、昭和46年以降、生前の15年間にわたり、チャリティショーを開催し、「遺骨収集基金」にと、総額5千万円以上の寄付をしている。また、硫黄島やサイパン島、マリアナ島、テニアン島、フィリピンの島々へ自費ででかけ、友の御霊を祖国に帰還させている。



≪出演作/鶴田浩二≫

遊侠の群れ(1948年)
フランチェスカの鐘(1949年)
殺人鬼(1949年)
薔薇はなぜ紅い(1949年)
恋愛三羽烏(1949年)
影法師・寛永寺坂の血闘(1950年)
続影法師・竜虎相博つ(1950年)
栄光への道(1950年)
危険な年令(1950年)
童貞(1950年)
接吻第一号(1950年)
大学の虎(1950年)
悲恋華(1950年)
エデンの海(1950年)
薔薇合戦(1950年)
黒い花(1950年)
地獄の血闘(1951年)
乾杯!若旦那(1951年)
海を渡る千万長者(1951年)
怪塔伝(1951年)
男の哀愁(1951年)
獣の宿(1951年)
東京のお嬢さん(1951年)
若い季節(1951年)
天使も夢見る(1951年)
飛び出した若旦那(1951年)
あの丘越えて(1951年)
唄くらべ(1952年)
青春三銃士(1952年)
若人の誓い(1952年)
本日休診(1952年)
東京騎士伝(1952年)
坊ちゃん重役(1952年)
お茶漬けの味(1952年)
弥太郎笠・前後篇(1952年)
学生社長(1953年)
ハワイの夜(1953年)
闘魂(1953年)
岸壁 (1953年)
雲ながるる果てに(1953年)
野戦看護婦(1953年)
薔薇と拳銃(1953年)
花の生涯(1953年)
彦根篇・江戸篇(1953年)
叛乱(1954年)
蛮から社員(1954年)
日の果て(1954年)
愛染かつら(1954年)
昨日と明日の間(1954年)
やくざ囃子(1954年)
浅草の夜(1954年)
此村大吉(1954年)
忠臣蔵/花の巻・雪の巻(1954年)
結婚期(1954年)
男性1(1955年)
俺も男さ(1955年)
風雪講道館(1955年)
獄門帳(1955年)
続宮本武蔵(1955年)
女の学校(1955年)
愛の歴史(1955年)
婦系図・湯島の白梅(1955年)
帰って来た若旦那(1955年)
応仁絵巻・吉野の盗賊(1955年)
あばれ行燈(1956年)
決闘巌流島(1956年)
暗黒街(1956年)
四人の誓い(1956年)
火花(1956年)
無法者の島(1956年)
与太者と若旦那(1956年)
殉愛(1956年)
眠狂四郎無頼控 (1956年)
いとはん物語(1957年)
慕情の河(1957年)
第二話・円月殺法(1957年)
柳生武芸帳(1957年)
おしどり喧嘩笠(1958年)
地獄花(1957年)
最後の脱走(1957年)
冥土の顔役(1957年)
柳生武芸帳・双龍秘剱(1958年)
春高楼の花の宴(1958年)
母(1958年)
忠臣蔵(1958年)
天竜しぶき笠(1958年)
天保水滸伝(1958年)
旅姿鼠小僧(1958年)
眠狂四郎無頼控・魔剣地獄(1958年)
弥次喜多道中双六(1958年)
暗黒街の顔役(1959年)
愛情不動(1959年)
森の石松幽霊道中(1959年)
戦国群盗伝(1959年)
暴れん坊森の石松(1959年)
独立愚連隊(1959年)
夜を探せ(1959年)
日本誕生(1959年)
夜霧の決闘(1959年)
暗黒街の対決(1960年)
電送人間(1960年)
ハワイ・ミッドウェイ大海空戦/太平洋の嵐(1960年)
大学の山賊たち(1960年)
砂漠を渡る太陽(1960年)
風流深川唄(1960年)
半七捕物帖・三つの謎(1960年)
森の石松鬼より恐い(1960年)
弧剣は折れず・月影一刀流(1960年)
俺が地獄の手品師だ(1961年)
鳴門秘帖・前後篇(1961年)
地獄に真紅な花が咲く(1961年)
白馬城の花嫁(1961年)
花と嵐とギャング(1961年)
荒原牧場の決斗(1961年)
幽霊島の掟(1961年) 
モーガン警部と謎の男(1961年)
黄色い風土(1961年)
湖畔の人(1961年)
南太平洋波高し(1962年)
霧の港の赤い花(1962年)
さくら判官(1962年)
誇り高き挑戦(1962年)
考える葉(1962年)
ギャング対ギャング(1962年)
地獄語句の裁きは俺がする(1962年)
八月十五日の動乱(1962年)
三百六十五夜(1962年)
暗黒街最後の日(1963年)
十一人のギャング(1963年)
ギャング対Gメン(1963年)
集団金庫破り(1963年)
人生劇場・飛車角 (1963年)
人生劇場・続飛車角 (1963年)
暗黒街最大の決斗(1963年)
暴力団(1963年)
昭和侠客伝 (1963年)
ギャング忠臣蔵(1963年)
次郎長三国志(1963年)
東京ギャング対香港ギャング(1964年)
次郎長三国志・第3部(1964年)
人生劇場/新飛車角(1964年)
銃殺(1964年)
博徒(1964年)
竜虎一代(1964年)
監獄博徒(1964年)
博徒対テキ屋(1964年)
顔役(1965年)
日本侠客伝・浪花篇(1965年)
いれずみ判官(1965年)
関東流れ者(1965年)
暗黒街仁義(1965年)
関東やくざ者(1965年)
日本侠客伝・関東篇(1965年)
次郎長三国志・甲州路殴り込み(1965年)
明治侠客伝・三代目襲名(1965年)
任侠男一匹(1965年)
関東破門状(1965年)
無頼漢仁義(1965年)
関東果たし状(1965年)
日本侠客伝・決斗神田祭(1966年)
昭和最大の顔役(1966年)
日本大侠客(1966年)
兄弟仁義(1966年)
関東やくざ風(1966年)
遊侠三代(1966年)
大陸流れ者(1966年)
博徒七人(1966年)
続・兄弟仁義(1966年)
日本暗黒街(1966年)
侠客三国志・佐渡ヶ島の決斗(1966年)
お尋ね者七人(1966年)
兄弟仁義・関東三兄弟(1966年)
暗黒街シリーズ・荒っぽいのは御免だぜ(1967年)
博奕打ち・一匹竜(1967年)
兄弟仁義/続・関東三兄弟(1967年)
あゝ同期の桜(1967年)
男涙の破門状(1967年)
博奕打ち・不死身の勝負(1967年)
渡世人(1967年)
兄弟仁義・関東命知らず(1967年)
浪花侠客・度胸七人斬り(1967年)
続徒世人(1967年)
三人の博徒(1967年)
兄弟仁義・関東兄貴分(1967年)
人間魚雷・あゝ回天特別攻撃隊(1968年)
博奕打ち・総長賭博(1968年)
博徒解散式(1968年)
極道(1968年)
博奕打ち・殴り込み(1968年)
代貸(1968年)
馬賊やくざ(1968年)
あゝ予科練(1968年)
侠客列伝(1968年)
裏切りの暗黒街(1968年)
いかさま博奕(1968年)
人生劇場・飛車角と吉良常(1968年)
緋牡丹博徒・一宿一飯(1968年)
博徒列伝(1968年)
戦後最大の賭場(1969年)
日本暴力団・組長(1969年)
賞金稼ぎ(1969年)
必殺博奕打ち(1969年)
緋牡丹博徒・鉄火場列伝(1969年)
日本暗殺秘録(1969年)
日本暴力団・組長と刺客(1969年)
渡世人列伝(1969年)
現代任侠伝・兄弟分(1970年)
血染の代紋(1970年)
任侠興亡史・組長と代貸(1970年)
博徒一家(1970年)
博奕打ち・流れ者(1970年)
日本暴力団・組長くずれ(1970年)
札つき博徒(1970年)
最後の特攻隊(1970年)
日本侠客伝・昇り竜(1970年)
博徒外人部隊(1971年)
女渡世人(1971年)
博奕打ち・いのち札(1971年)
日本やくざ伝・総長への道(1971年)
暴力団再武装(1971年)
緋牡丹博徒・お命戴きます(1971年)
博徒斬り込み隊(1971年)
昭和残侠伝・吼えろ唐獅子(1971年)
任侠列伝・男(1971年)
傷だらけの人生・古い奴でござんす(1972年)
純子引退記念映画・関東緋桜一家(1972年)
ギャング対ギャング・赤と黒のブルース(1972年)
日本暴力団・殺しの盃(1972年)
博奕打ち外伝(1972年)
着流し百人(1972年)
日陰者(1972年)
昭和残侠伝・破れ傘(1972年)
長谷川伸シリーズ・沓掛時次郎(1972年、テレビ朝日)
三池監獄・兇悪犯(1973年)
新撰組(1973年、フジテレビ)
あゝ決戦航空隊(1974年)
霧の影(TBS、1974年)
次郎長三国志(1974年、テレビ朝日)
男たちの旅路シリーズ(1974〜1979年 、NHK連続ドラマ)
やくざ戦争・日本の首領(1977年)
日本の仁義(1977年)
ゴルゴ13・九竜の首(1977年)
黄金の日々(1977年、 NHK)
人間の証明(1977年)
聖職の碑(1978年)
大空港(1978年、NHK)
総長の首(1979年)
黄金の犬(1979年)
戒厳令の夜(1980年)
連合艦隊(1981年)
制覇(1982年)
修羅の群れ(1984年)
最後の博徒(1985年)
ドラマ人間模様・シャツの店(1986年、NHK連続ドラマ)

鶴田浩二 出演人気作品一覧



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