浅田家！ : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

浅田家！

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2020年製作日　（127 min）

監督：中野量太　湯を沸かすほどの熱い愛　長いお別れ
出演者：
二宮和也　黄色い涙　ラーゲリより愛を込めて　 TANG タング　プラチナデータ
黒木華　アイミタガイ公　リップヴァンウィンクルの花嫁　先生、私の隣に座っていただけませんか？　せかいのおきく
菅田将暉　Cloud クラウド公　キャラクター　アルキメデスの大戦　花束みたいな恋をした

風吹ジュン、平田満、渡辺真起子、北村有起哉

あらすじ：ユニークな《家族写真》が写真界の芥川賞・木村伊兵衛写真賞を受賞し、写真家として何とか軌道に乗り始めた浅田政志。　東日本大震災の被災地を訪れシャッターを切ることができずにいた彼は、汚れた写真を洗って返す「写真洗浄ボランティア」の人々と出会い再び写真のチカラを信じられるようになった。　そんな時、津波で父親を失った少女から「家族写真」の撮影を依頼される…。　実話から生まれたヒューマンドラマ。

原案：浅田政志『浅田家』『アルバムのチカラ』

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前半は浅田政志が写真家になるまで、後半は東日本大震災との関わりを描いています。　思い出の一瞬を捉えた家族写真には撮る側と撮られる側の愛が詰まっていて、何度見ても見飽きません。　わが家の究極の家族写真をアルバムから探したり、改めて撮ってみたくなる、温かい物語です。　原案となった写真集「浅田家」の思わず吹き出してしまいそうなコスプレ家族写真を、俳優陣がほぼ同じ姿で再現しています！

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、日本中に悲しみと大混乱をもたらした。そして今年2020年は新型コロナウイルスが世界中に拡がり、これから冬にかけても先が見通せない状況となっている。判断に迷ったり、苦しんだり、自己嫌悪に陥っている方も多いだろう。今、私たちがやるべきことは何だろうか？

さて、本作は写真家・浅田政志（1979～）の実話から生まれた物語で、前半は政志が写真家になるまで、後半は東日本大震災との関わりを描いている。三重県津市。政志（二宮和也）の家は、母（風吹ジュン）が看護師として家計を支え、父（平田満）が主夫として家事を担う、当時としては珍しい家庭だった。兄（妻夫木聡）はしっかり者だが、次男・政志はお調子者。彼が写真界の芥川賞・木村伊兵衛写真賞を受賞するまでの家族の支えはユニークだ。

　
映画の原案となった写真集「浅田家」の思わず吹き出してしまいそうなコスプレ家族写真を俳優陣がほぼ同じ構図・衣裳・表情で見事に再現しているが、一般人がそれを実際やったのかと思うと、浅田一家の遊び心に感服してしまう。型にはまらず「バカみたい」「くだらない」とは決して言わない両親と兄が、フラフラしていた政志を一人前にした。前半はユーモアたっぷりで大いに笑わせてくれる。

ところが、写真家として何とか軌道に乗り始めた矢先に東日本大震災が起こり、被災地を訪れた政志はショックを受ける。とても写真など撮る気になれないし、撮ったところで死んだ人は生き返らない、復興支援にもならない。当時、この感覚が「自粛」ムードに繋がり、多くの分野で自己規制がかけられた。ボランティアや募金活動が今までにないほど行われたが、自分の仕事など何の役にも立たないと無力感に苛まれる人も多かった。しかしやがて、力仕事やお金だけでなく、通訳や道案内、アーティスト活動、学習支援、手作り品、安否確認、家事、話を聞く傾聴、手紙・電話での悩み相談、将来設計、産直品の買い物など、何かしら自分でもできること、役に立つことがあるかもしれないという試みが広がっていった。

被災地でシャッターを切ることができずにいた政志は、津波の土砂で汚れた写真を集め洗って持ち主に返す「写真洗浄ボランティア」に加わることで、自分の役割を見出してゆく。ここでも、家族写真が彼に力を与える。後半は打って変わって感動ドラマである。思い出の一瞬を捉えた家族写真には、撮る側と撮られる側の愛が詰まっていて、楽しかったこと、悲しかったこと、撮影時の気持ちまでが思い起こされて、見飽きることはない。わが家の究極の家族写真を昔のアルバムから探したり、改めて撮ってみたくなる方もいるだろう。若き写真家の青春物語であり、私たちに今の状況で自分のすべきこと、出来ることを考えさせてくれるヒューマンドラマ。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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