
6月13日よりTOHOシネマズシャンテ他全国公開中
(C)2023 PEOPLE OF AR PRODUCTIONS and THE NEW ARMENIAN LLC
配給:彩プロ

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2022年製作 アルメニア・米 (121 min)
監督:マイケル・グールジャン
出演者:
マイケル・グールジャン
ホヴィク・ケウチケリアン
テリー・ギリアムのドン・キホーテ
ネリ・ウヴァロワ
ミハイル・トルヒン
、ナリーヌ・グリゴリアン
、ジャン=ピエール・ンシャニアン
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あらすじ:幼少期にオスマン帝国(現在のトルコ)でのアルメニア人への迫害から逃れるためアメリカへ渡ったチャーリーは、1948年、自身のルーツを知るため帰国した。 ソ連統治下にあっても理想の故郷に思えたからだったが、スパイ容疑で逮捕され収監されてしまう。 悲嘆に暮れる中、牢獄の小窓から見えるアパートで暮らす夫婦を観察することが日課になった。 ところが夫婦仲がこじれて妻は家を出てしまう。 チャーリーの仲直り大作戦が始まった…。 ヒューマンドラマ。 ≪自由はいつも 心の中に≫
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せっかく祖国へ戻ってきたけれど、言葉が分からなくて無実を訴えることもできず、長い監獄暮らし。 小窓から見えるアパートの夫婦は、チャーリーにとって祖国アルメニアの幸せの象徴だったのです。 常に他国の侵略や支配を受けてきたアルメニア人同士の、ささやかな連帯を描きます。 監督・脚本・主演を務めたアルメニア系アメリカ人のマイケル・グールジャン(1971年生)の父方の祖父母は、アルメニア人虐殺の生き残りだとのこと。 世界中へ散らばった後も、祖国への愛とアルメニア人としての誇りを大切に生きてきた人々の心情を伝える作品です。
【アルメニアについて】 西アジアに位置し、北にジョージア、西にトルコ、南にイラン、東にアゼルバイジャンと隣接する。 第一次世界大戦中の1915年から数年にかけて、当時オスマン帝国の支配下にあった西部アルメニアでアルメニア人大虐殺(アルメニア人ジェノサイド)が行われた。 1918年のロシア革命後にアルメニア第一共和国として独立宣言するが、1920年にはソヴィエト共和国に編入され、アルメニア社会主義ソヴィエト共和国となり、1922年にはソヴィエト連邦の構成国となる。 終戦後もソ連統治下のままであり、スターリンはアルメニア復興のための労働力として1946年から48年にかけて祖国帰還運動を実施。 本作の主人公チャーリーも本運動によってアメリカから「理想の祖国」に帰還した者のひとりである。 1991年のソ連崩壊に伴い、現在のアルメニア共和国が独立した。
2024年現在、人口約280万人、国土29800km2(日本の約13分の1)、公用語はアルメニア語、宗教は主としてキリスト教。アルメニアは世界で初めてキリスト教を公教として採用した国家である。在日アルメニア人は2023年時点で70人。ジョージアとイランとは良好な関係を維持しているが、アゼルバイジャンとは軍事衝突を繰り返している。 ロシアとの関係は緊密であったが、アゼルバイジャンとの衝突に際して支援が得られず、現政権下では欧米との関係強化が加速している。 尚、ジェノサイドを認めていないトルコとは外交関係がないままである。
本作で重要なモチーフになっているアララト山は旧約聖書のノアの箱舟が流れ着いたとされる山とされており、古くからアルメニア人が多く居住してきた地域のシンボルとされているが、ソ連崩壊後トルコによって侵略され、現在はトルコ領に存在している。だがアルメニアはこの国境を承認しておらず、国章にはアララト山があしらわれている。 <資料提供:彩プロ>
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