シビル・ウォーアメリカ最後の日 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

シビル・ウォーアメリカ最後の日

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原題：CIVIL WAR

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10月4日より全国公開中

2024年製作米　（109 min）

監督：アレックス・ガーランド　エクス・マキナ　ＭＥＮ同じ顔の男たち
出演者：
キルスティン・ダンスト　チアーズ！　スパイダーマン2 　マリー・アントワネット　メランコリア
ワグネル・モウラ　トラッシュ！この街が輝く日まで　エリジウム
ケイリー・スピーニー　エイリアン：ロムルス公　プリシラ　パシフィック・リムアップライジング　ビリーブ未来への大逆転

スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ソノヤ・ミズノ、ニック・オファーマン

あらすじ：連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。　テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。　ニューヨーク滞在中の4人のジャーナリストが、大統領に単独インタビューを行うため、車でホワイトハウスへと向かう。　彼らは戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていくのだった…。　社会派サスペンス・アクション。　PG-12　≪それは、今日　起こるかもしれない≫

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戦場カメラマンの女性リー、男性記者ジョエル、ベテラン男性記者サミー、若手女性カメラマンのジェシーの4人が、ニューヨークからワシントンD.C.へ車で向かう、内戦下のロードムービー。　道中で出会う人々、見る風景が、現代のアメリカを映し出しているようです。　2024年11月に大統領選が行われるアメリカでは、候補者・支援者の対立が激化し国を二分する勢いだとも報道されています。　果たして現実世界では、どんな未来が描かれてゆくのでしょうか。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★

「世界の警察」と言われるアメリカには、いつも戦争をしているイメージがある。世界各地の戦争・紛争に大なり小なり関わっており、戦死した米兵も多数いる。しかし、第一次および第二次世界大戦の主戦場はヨーロッパやアジア。日本軍の真珠湾攻撃や、イスラム過激派による9.11同時多発テロ（2001年）では多数の死傷者が出たものの、アメリカ国内が本格的な戦場になったことは、南北戦争（1861～65年）以来なかったのだ。アメリカ国民は「戦争は遠い外国で行われるもの」と思っていたのではないだろうか。そんなアメリカで勃発した内戦の衝撃が描かれているのが、本作「シビル・ウォー（内戦）」である。米英合作で監督はイギリス人。

アメリカ合衆国の連邦政府から19もの州が離脱し、星2つの星条旗を掲げたテキサス・カリフォルニア同盟という西部勢力と、3期目の大統領が率いる政府軍による武力衝突が各地で繰り広げられている。政府軍は追い詰められているが、大統領は「歴史的勝利は近い」と信じている。主人公の戦場カメラマンの女性リー（キルステン・ダンスト）は、男性記者ジョエル（ワグネル・モウラ）と共に、14ケ月間1度も取材を受けていない大統領に単独インタビューしようと、ニューヨークからワシントンD.C.へ車で向かう。リーの恩師であるベテラン男性記者サミー（スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン）と、若手女性カメラマンのジェシー（ケイリー・スピーニー）も同乗し、安全な道を探しながら1,379kmもの旅が始まった。

実際は大統領の3選は禁止されている。共和党の牙城で保守的なイメージがあるテキサス州と、民主党の牙城でリベラルなイメージがあるカリフォルニア州が手を組むこともなさそう。ということは、それだけこの大統領はどこからも支持されていないのだ。3選が許せないのか、そんなに独裁的な大統領なのか、詳細は不明だが、既に内戦は佳境に入っている。取材班4人は、銃撃戦や残虐行為を間近で見たり、殺されそうになったり、難民キャンプや、戦闘とは無縁の一見穏やかな地域を通過したりしながら、D.C.を目指す。

南北戦争は、南部と北部の奴隷制度への認識の差や、経済・政治面での対立などが原因と言われた。しかし今回の内戦は、原因も、目的も、敵と味方の区別もはっきりしない。取り敢えず「向こうが撃って来るから撃つ」という、意味不明な銃撃戦まで起こっている。リーは常に冷静にカメラを構え、ジェシーも次第に度胸を付けていく。ジョエルは戦場ハイ状態。サミーは大統領への質問を考え続けている。

現実には、来たる2024年11月にアメリカ大統領選挙が行われる予定で、前大統領ドナルド・トランプ（共和党）と現副大統領のカマラ・ハリス（民主党）のほぼ一騎打ち。日本でも選挙戦の過熱ぶりが報道されているが、巧みなフェイクニュースも横行し、真実を見極めることはますます困難になっている。多様性が強調される一方で差別が横行し、アメリカは南北戦争以来の「分断の時代」を迎えているという。そんな不安を抱えた今だからこその本作。続編もぜひ観てみたい。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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