『別れのワイン』:ANY OLD PORT IN A STORM 95分 1973年 監督:レオ・ペン ワインを愛した、ワインに裏切られた! <ワイン醸造家、ワイン・コレクターの、悪意のほとんどない犯罪を描き、秀逸! 幕切れの甘美さも含め、ファンの最も愛した一篇!> コロンボと同じイタリア系の犯人を演じているのは、すでに「007は二度死ぬ」の超悪役プロフェルドに抜擢されている、イギリスのドナルド・プレゼンス。ワイン愛にのみ一生を捧げている、独特のマニアック演技が圧巻!その犯人社長を、無駄を知りつつ密かに愛しているオールド・ミス秘書が、あの名作「エデンの東」で、ジェームス・ディーンの恋人を演じていた、ジュリー・ハリス。社長への疑惑を利用し、ささやかに愛を主張するしたたか演技がこれまた秀逸!
『野望の果て』:CANDIDATE FOR CRIME 98分 1973年 監督:ボリス・セイガル 私は被害者だ、ホラまた狙われた! <組織犯罪撲滅をスローガンに立候補し、しかし自分の犯行にその組織を利用する政治家。 護衛警官のなかにコロンボ警部がいたのが運の尽き!> なにかと邪魔な選挙参謀を消す、いかにもの政治家を演ずるのは、「スキピイ」「チャンプ」「宝島」「クーパーの餓鬼大将」などで、30年代最高の人気にあった、かつての名子役ジャッキー・クーパー。大人の役者としてはパッとせず、しばらくは消えていたが、この「悪役」などで見事復帰し、例のスーパーマン・シリーズのペリー・ホワイト編集長などを、気持ちよさそうに演じるようになった。