世界を代表するイギリスのロックバンド「ビートルズ」の活動期間は1950年代後半〜1970年。そして同じくイギリスのロックバンド「クイーン」の4人全員での活動期間は1973年〜1980年代初め。どちらも昔のバンドで、私もリアルタイムでは彼らの活躍の記憶はあまりない。だが、そのメロディーは今も世界中の至る所で流れているし、新しいファンも増やし続けている。ビートルズのジョン・レノン射殺事件と同じくらい衝撃的だったのが、クイーンのヴォーカル、フレディ・マーキュリーのHIV感染。メンバーの死で両バンドの伝説は更に大きくなったが、オリジナル・メンバー全員揃っての活動はもう出来ない。
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』、『ザ・ローリング・ストーンズ:シャイン・ア・ライト』はドキュメンタリー映画で、彼らの歩みと知られざる姿を見せる構成と音楽的な満足感と臨場感で観客を魅了した。しかし本作『ボヘミアン・ラプソディ』は「クイーン」のドキュメンタリー映画ではなく、フレディ・マーキュリーの歌声(誰も真似出来ないだろう)が使われているものの、俳優が演じるフレディ・マーキュリーを主人公とした「クイーン」の伝記映画である。なので期待と不安が半々だったが、鑑賞後の満足度は非常に高かった。