ミッション・マンガル崖っぷちチームの火星打上げ計画 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

ミッション・マンガル崖っぷちチームの火星打上げ計画

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原題：MISSION MANGAL

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(C)2019 FOX STAR STUDIOS A DIVISION OF STAR INDIA PRIVATE LIMITED AND CAPE OF GOOD FILMS LLP,
DVD \3,800(税抜)2021/8/4発売：アットエンタテインメント／販売：TCエンタテインメント

2019年製作インド　（130 min）

監督：ジャガン・シャクティ
出演者：
アクシャイ・クマール　パッドマン 5億人の女性を救った男　ロボット2.0 　チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ
ヴィディヤ・バーラン　女神は二度微笑む
タープスィー・パンヌー

ソーナークシー・シンハー、キールティ・クルハーリー、シャルマン・ジョシ、ニティヤー・メーナン

あらすじ：2010年、インド。　宇宙事業の命運をかけたロケットの打上げが失敗に終わり、責任者の男性科学者ラケーシュは、火星探査プロジェクトという「閑職」へ異動させられた。　失敗の責任を感じていた女性科学者タラは、小さなロケットでも探査機を火星に送る方法を思いつく。　寄せ集めの二軍チームによる、低予算のプロジェクトが始動するが…。　実話から生まれた物語。

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台所から生まれたアイデアが、国家プロジェクトへ。　果たして、アジア初、インド初の火星探査機打ち上げは成功するのでしょうか？　しかも、NASAの10分の1の低予算で！　サリーを着た女性科学者たちが中心となって、実現不可能なミッションに挑みます。　意識改革と発想の転換が、発展の源。　男と女も、変わらなくっちゃね！

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★

このたび2020年12月6日に帰還した日本の小惑星探査機「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」への着陸とサンプルリターンに成功し、多くの国民が「はやぶさ2」そしてJAXA（日本宇宙航空研究開発機構）の偉業達成を褒め称えた。宇宙開発はオリンピックやノーベル賞同様、世界に国力をアピールするチャンスでもあるので、冷戦時には武器のない代理戦争と言われたほどで、現在も各国が力を入れている。だからといって、一番乗りした星は自国の領地だと言い張る国が出てくると問題だが…。

本作の舞台はインド。宇宙研究機関（ISRO）の期待をかけたロケットの打上げが失敗に終わり、プロジェクト責任者の男性ラケーシュ・ダワン（アクシャイ・クマール）は、NASA帰りのイケ好かない男デサイ（ダリップ・タヒル）にポストを奪われる。デサイは「アメリカに比べて50年遅れているインドは、頭脳でも資材でもNASAから借りられるものは借りて、早く安く結果を出すべき。」というアメリカ頼み派。一方、ラケーシュは「時間はかかっても自分たちの力でやり遂げてこそ自国の科学が発展する」という自力開発派。しかし、一刻も早い成果が求められている状況では疎んじられ、ラケーシュは実現不可能な「火星探査プロジェクト」というマイナー部署へ飛ばされてしまう。

ラケーシュの「火星チーム」に配属されてきたのは、先般のロケット打ち上げ失敗の責任を感じていた女性科学者タラ（ヴィディヤ・バラン）以外は、優秀だが経験の浅い女性研究員4人と、一癖ある男性研究員2人。人件費も研究費も最低限で、何も期待されていない窓際部署。アジア初の火星探査機「マンガルヤーン」を打ち上げるべく頑張る彼ら8人には、谷あり底ありの苦難が続くのである。

インドの最先端の宇宙センターで働くエリートなのに、職場でも民族衣装サリーを身に付けている女性が多い。それは素晴らしいことだが、男性はみなスーツ姿。彼女たちはそれぞれ仕事を持つ女性としての悩みを抱えている。家でも職場でも、女性は男性の何倍も頑張らないと一人前と認められない。リベラルに見える都市部のインテリ層であっても、まだまだ個人個人の胸の内には男尊女卑の思想が根強く残っているようだ。

どんな危機に陥っても動じず、失敗した部下も責めず、ポーカーフェイスで鼻歌を歌っているラケーシュは、結婚もせず宇宙工学一筋に打ち込んで来た変わり者のベテラン研究員。そんな彼でも思いつかないようなアイデアを、主婦でもあるタラは次々と出してくる。例えば、プーリー（揚げパン）から燃料の節約法を編み出すのだ。公私ともに多忙な女性研究員の主婦ならでは女性ならではのひらめきと頑張りが、窓際研究室や宇宙センター全体の男たち、そしてパートナーや家族の意識を少しずつ変えてゆく。

軽妙なやり取りに笑わされるし、歌って踊る場面もあり。独自路線を歩む宇宙大国インドの底力を感じさせるストーリー展開で、「はやぶさ2」と同じくらい「マンガルヤーン」を応援したくなってくる。実話から生まれた、みんなが笑顔になれる火星探査機打ち上げ物語。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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