竜とそばかすの姫 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

竜とそばかすの姫

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2021年製作日　（122 min）

監督：細田守　時をかける少女　バケモノの子　サマーウォーズ　ワンピースオマツリ男爵と秘密の島
出演者：
（声）中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、役所広司、他

あらすじ：高知県に住む17歳の女子高生すずは、幼い頃に母を亡くしてから歌うことができなくなっていた。　しかし、超巨大インターネット空間の仮想世界＜U＞に「ベル」というキャラクターで参加している時は、自然と歌うことができるのだ。　自ら作った歌を披露し人気者となった「ベル」の前に、乱暴で傲慢な「竜」が現れる…。　ファンタジー・アニメ。　≪もう、ひとりじゃない。≫

メインテーマ： millennium parade × Belle 『U』

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世界中の注目を集める美貌の歌姫ベルは、仮想世界だけのキャラクター。　でも、ひょっとしたら本当のすずなのかもしれません。　ならば竜の本当の姿とは…？　顔が見えても見えなくても分かり合える、インターネット世界での心の結びつきを描きます。　すず＝ベルを演じているのはミュージシャンの中村佳穂。　心を癒す優しい歌声に聞き惚れます。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★
本作の主人公は、高知県の女子高生すず（中村佳穂）。父（役所広司）と二人暮らしだが、会話はほとんどなく食事を共にすることも少ない。とはいえ、仲が悪いのではない。すずは幼い頃に母を亡くしてから、歌が歌えなくなってしまった。音楽の授業ですら歌わず、人付き合いも得意ではない内気な女の子。幼なじみのしのぶくん（成田凌）や、母の友人の合唱隊の女性たちは、つかず離れず彼女を見守っている。

ところが、親友ヒロちゃん（幾多りら）に勧められて登録した、超巨大インターネット空間の仮想世界＜U＞に「ベル」というキャラクターで参加している時は、なぜか自然に歌えるし、堂々と話せるのだ。ベルとは自分で＜U＞に登録した情報を基に作られた、「Asアズ」と呼ばれるすずの分身。そばかすがあるのは同じだが、ベルはロングヘアで素敵なドレスを着た美貌の歌姫。すずが自分で作詞作曲した楽曲をベルとして歌うと、その歌声は瞬く間に広まり、ベルは＜U＞の人気者となった。

すず＝ベルを演じているのはミュージシャンの中村佳穂。心を癒す優しい歌声に聞き惚れてしまった。現実世界でも歌姫旋風が巻き起こることだろう。
＜U＞では同時翻訳システムでどんな言語の人とでも普通に会話できる。「As」の本名や顔はもちろん、国籍・性別・年齢等も一切明かされない。仲良くなった「As」はアフリカ人かもしれないし、ご近所さんかもしれない。実は「ベル」は世界的歌手だとか、セレブだとか、様々な噂が飛び交う。実は地味な女子高生だと知ったら、みんなガッカリするだろうか…？

現実世界でも歌手、作詞家、作曲家、作家、画家など、覆面アーティストは多数存在している。本業が別にあるとか、先入観なしで作品を判断して欲しいとか、一般人としての生活を大切にしたいなど理由は様々だが、作品だけで勝負しようとする意志は尊重したいものである。

さて、＜U＞の人気者となった「ベル」のコンサートを台無しにする「竜」というキャラクターが現れる。「竜」は日頃から乱暴者として＜U＞のユーザーに忌み嫌われ、管理者も手を焼いている存在で、「As」たちの「竜」のアンベイル（正体探し）が始まった。「ベル」や「竜」などの「As」は、本人の分身であり、大なり小なり本人の人格が投影されている。隠そうとしても、別人になりきろうとしても、どこかに素顔が透けて見えてくる。「ベル」は「竜」が攻撃的な理由を知りたくて、思い切って声をかけた。果たして、「竜」とは一体どんな人物なのか…？

「…ネガティブな側面も多いが、インターネットは人間の可能性を広げるとても良いツール。…インターネットそのものが変わってきている今、肯定的な未来に通じるような映画が出来ないかと考えていた…。」と語る細田監督。
遠く離れていても、顔が見えなくても、理解し合える関係がインターネット上で築ける社会になって欲しい。そしてそれが、現実世界での人と人との繋がりに（悪意のない方向で）結びついていって欲しい。ネット社会の未来は、私たち一人ひとりの手に委ねられている。そんなメッセージも感じられた。もうひとつの世界で、もうひとりの自分そしてあなたと出会う、青春ファンタジー・アニメ。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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