
(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会
DVD \4,000(税抜)2023/9/20・スタンダードエディション発売:STORY inc.、コミックス・ウェーブ・フィルム/販売:東宝
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2022年製作 日 (120 min)
監督:新海誠
君の名は。
天気の子
出演者:
(声)原菜乃華、松村北斗、深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉、他
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あらすじ:九州の静かな町で叔母と2人で暮らす17歳の少女・岩戸鈴芽(いわと すずめ)は、“災い”をもたらす扉を閉める「閉じ師」の青年・宗像草太(むなかた そうた)に出会う。 彼の後を追って迷い込んだ山中の廃墟で見つけた扉にすずめが手を伸ばすと、二人の前に謎の猫ダイジンが現れ、草太は椅子に姿を変えられてしまう…。 アニメーション。
日本アカデミー賞最優秀音楽賞 原作・脚本:新海誠
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それは、淡い「恋心」か? それとも、何かに「呼ばれた」のか? 草太、すずめ、そして気まぐれな猫ダイジンの、大冒険が始まります! 古い扉(=過去)を締めて、新しい扉(=未来)へと向かう、青春ファンタジーです。
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<スタッフ厳選 超お薦め映画作品!>
★★★★★
本作の主人公は、17歳の少女<岩戸鈴芽・いわと すずめ(声:原菜乃華)>。彼女は九州で叔母<環・たまき(声:深津絵里)>と2人で暮らしている。ある朝、彼女は“災い”をもたらす扉を閉めて鍵をかける旅をしている「閉じ師」の青年<宗像草太・むなかた そうた(声:松村北斗)>から、近くに廃墟はないかと声をかけられた。
道を教えるだけで良かったのに、すずめは見ず知らずの青年・草太の後を追いかけ、人気のない山中の廃墟へ迷い込んでしまう。女子高生の行動としてはちょっと危険だが、瞬時の感覚的判断が運命を分かつ。それは「淡い初恋」。そして、すずめも草太も何かに「呼ばれて」いるように見えてくる。
その廃墟でぶっ飛び現象に遭遇し、すずめの大冒険が始まった。気まぐれな喋る猫“ダイジン”、壊れた椅子に姿を変えられてしまう草太、扉の向こうの異世界、各地で起こる天変地異…等々、コミカルなファンタジーの世界が美しい色調で繰り広げられる。そんな中にも、困った時に助けてくれる人々との出会い、会いたかった人との再会、友人や家族との本音の会話等、現実社会の事象や人として大切な事を想起させるエピソードが盛り込まれている。
余談だが、見た目は一般人でも、正体・意図・行動不明の、悪く言えば胡散臭い、良く言えばミステリアスな人物が、世の中には一定数存在しているらしい。彼らはヒーラー(癒す人)とかライトワーカー(光の仕事人)と呼ばれ、いわゆる「地球を救う」ために各地を旅しているのだという話を聞いたことがある。私などには理解不能な不思議世界だが、良くも悪くも、地球は見えない者の力で少しずつ変化を遂げているのかもしれない。「閉じ師」の草太と彼の師匠である祖父・羊朗・ひつじろう(声:松本白鸚)もそういう類の人物のようだし、すずめの苗字「岩戸」からは「天の岩戸」に天照大御神が隠れた神話が思い起こされる。
新海誠監督によると、『何かを始める時(新築など)には“地鎮祭(工事前に安全祈願のため、神式や仏式で執り行う祭事)”があるのに、終わりの際(解体、閉鎖など)には葬式のような鎮魂の儀式が土地や街に対してあまりなされない。壊すことも直すこともなく捨て置かれたような場所が増えている。…きちんと終わらせることが新たな一歩を踏み出すために必要…』と感じたことが、本作構想のひとつになったのだという。戦争や災害で卒業式が出来なかった人が、何年・何十年後であっても、卒業式に出席して「区切り」を付けたい心情と似ているかもしれない。
さて、可愛いらしいが身勝手さが鼻に付くおかしな猫ダイジンに振り回され、すずめと草太の旅は大波乱! 廃墟だけでなく誰の心にも存在する「扉」が見えてくる。すべての「古い扉=過去」に感謝しきちんと別れを告げ、「現実=自分」と向き合うことによって、「新しい扉=未来」へ進む勇気と希望が湧いてくるのだと教えてくれる、ユニークでスピリチュアルな青春ファンタジーアニメ。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)
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