映画「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

映画「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」

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6/11リリース

2024年製作日　（104 min）

監督：中田秀夫　リング　仄暗い水の底から　ラストシーン　リング２
出演者：
天海祐希　劇場版緊急取調室 THE FINAL 　黒の天使　Vol.2 　老後の資金がありません！　狗神
上白石萌音　35年目のラブレター公　舞妓はレディ　Ｌ・ＤＫひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。　羊と鋼の森
大橋和也

伊原六花、平澤宏々路、伊礼姫奈、白山乃愛

あらすじ：小学校の新米教師・小太郎は、ふしぎな駄菓子屋の噂を生徒たちから聞く。　「銭天堂」という駄菓子屋では、店主・紅子が客の願いを叶えてくれる駄菓子を選んでくれるのだという。　ところが、小太郎の友人・陽子をはじめ、駄菓子を買った人々の様子がおかしくなってしまう。　一方、「たたりめ堂」という駄菓子屋でも、店主・よどみが願いを叶える駄菓子を売っていた…。　ファンタジー。

原作：廣嶋玲子(作)／jyajya(絵)『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』シリーズ
主題歌：水曜日のカンパネラ『願いはぎょうさん』

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まるでアラジンの魔法のランプのように、簡単に願いを叶えてくれる不思議な駄菓子。　でも、ラクな道にはウラがある！　不思議な駄菓子が人にもたらす光と闇が描かれる、楽しくてちょっぴり怖い物語です。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★

オマケ付きの菓子はかなり多くて、菓子は食べずにオマケだけが目当てで買う子は親に怒られる。ついつい集めたくなる魅力的な商品が次から次に発売されるから、親も子も大変だ。今は通学路ではなくビルの一角などにレトロな駄菓子屋を見かけるが、インテリアが「昔風」なだけで、そこにヒマそうに座っている「駄菓子屋のおばちゃん」はいない。

本作には2つの駄菓子屋が登場する。ひとつは「銭天堂」。店主は、白髪を結い上げ着物姿の福々しい顔をした年齢不詳の女「紅子」（天海祐希）。子どもに対しても妙に丁寧な言葉遣いだが、キッパリ物を言う迫力があり、客の願いを叶えてくれる駄菓子をアドバイス付きで選んでくれる。もうひとつは「たたりめ堂」。店主は、青い髪でラフな着物姿の不気味な若い女「よどみ」（上白石萌音）。こちらも客の願いを叶える駄菓子を選んでくれるが、客の心の闇を見透かすような、おどろおどろしいしゃべり方をする。

どちらの店も、ただ探しただけでは全然見つからない。「叶えたい願いがある人」だけが呼ばれる不思議な店。そして、願いを叶えるのと引き換えに、店主は金以外の「何か」を貯め込んでいる様子。特殊メイクをしているが紅子は女優・天海祐希のイメージそのままの頼りがいのある陽キャラ店主で、背中をポン！と叩かれたような気にさせられる。よどみは人の良さそうな女優・上白石萌音のイメージを覆す陰キャラ店主で、客の欲望を制御不能なほど加速させ狂わせていく。

さて、新米教師・等々力小太郎（大橋和也）は、15年ぶりに故郷に戻り、小学5年生の担任になった。彼は生徒から不思議な駄菓子屋の噂を聞く。小太郎が密かに想いを寄せている後輩で新米編集者の相田陽子（伊原六花）、同僚の有馬先生（じろうシソンヌ）、妹まどか（平澤宏々路）とその親友・百合子（伊礼姫奈）、生徒の藍花（白山乃愛）と雄太（番家天嵩）など、駄菓子を買ったらしい人々が変わっていくのを見て危険を感じ、その駄菓子屋を探すことにした。

駄菓子を買って食べるだけで願いが叶うなら簡単だし、お金も時間も努力も手間もかからずラッキー！　しかしそれは、カンニングで100点を取るようなもの。いつか自分の実力不足に気付いて愕然とする時が来るかもしれない。それが嫌なら駄菓子を食べ続ければいいのだろうか？　それとも…？　紅子とよどみは互いに相手の店を認めない。やがて、駄菓子屋が現れるレトロな路地が、恐ろしい場所に変わってしまう。原作はアニメ化もされている児童小説だが、「リング」の中田秀夫監督だし、次第にホラーのような様相を呈していく。

変わった名前の駄菓子や、愛らしい猫、気味の悪い虫が登場し、紅子とよどみも原作キャラそっくり。映像が美しく、まずは見た目で物語に引き込まれる。客が「銭天堂」と「たたりめ堂」のどちらに行き着いても、その後のシナリオは自分次第。子どもの世界に大人が迷い込んだような気にさせられる、ちょっと怖くて楽しいファンタジー。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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