
(C)COOP99 FILMPRODUKTION GMBH / LITTLE JOE PRODUCTIONS LTD / ESSENTIAL FILMPRODUKTION GMBH / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / THE BRITISH FILM INSTITUTE 2019
DVD \3,980(税抜)2021/1/6発売:ツイン
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2019年製作 オーストリア・英・独 (105 min)
監督:ジェシカ・ハウスナー
ルルドの泉で
クラブゼロ
近
出演者:
エミリー・ビーチャム
コヴェナント 約束の救出
ベン・ウィショー
パフューム ある人殺しの物語
追憶と、踊りながら
007 スペクター
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
ケリー・フォックス
インティマシー 親密
ギャザリング
ブライト・スター いちばん美しい恋の詩
エンジェル・アット・マイ・テーブル
キット・コナー
、デヴィッド・ウィルモット
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あらすじ:バイオ企業に勤務する植物研究者の女性アリスは、息子ジョーと暮らすシングルマザー。 彼女が開発した真紅の花は美しいだけでなく、持ち主に幸福をもたらす効果があるという。 彼女は会社の規定を犯し、花を一鉢持ち帰って息子への贈り物とし“リトル・ジョー”と命名した。 ところが、やがて花の花粉を吸い込んだ人々に異変が起こり始める…。 ボタニカル・スリラー。 ≪ゾッとする幸せ。≫
カンヌ国際映画祭女優賞
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穀物、野菜、果物など食べ物の遺伝子組み換えや化学肥料を心配する人は多いですが、鑑賞用植物の育て方については人体に影響がないからとあまり気にしないかもしれません。 こんな花が実際に開発されたとしたら、私たちは幸せになれるのでしょうか…? 尺八、和太鼓、琴など和楽器が奏でる不穏なメロディと、極めて人工的な花の美しさが緊張感を高める、ミステリアスなドラマです。
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<スタッフ厳選 超お薦め映画作品!>
★★★★
どんな分野においても「今までにないものを考案する」のは開発者の夢。花言葉が「不可能」だという「青いバラ」は自然界に存在しないが、遺伝子組み換え等の最新技術により可能となった(ちょっと紫っぽい)。観賞用植物だけでなく、一部の農作物にも遺伝子組み換えは行われている。今のところ食用家畜の遺伝子組み換えは禁止されているが飼料には使われているし、遺伝子組み換えの観賞魚は既に誕生している。食物連鎖の法則で考えれば、巡り巡って…何かしら既に人体に入っていることだろう。遺伝子組み換え食品に拒否反応を示す人は多いが、許可されているくらいだから何の害もないのかもしれない。しかし、ひょっとしたらあるのかもしれない…???
さて、本作の主人公アリス(エミリー・ビーチャム)は植物研究者で、バイオ企業に勤務するシングルマザー。彼女は幸福をもたらす効果まであるという、美しい真紅の花の開発に成功した。普通は花の美しさや香りによって癒されるのであろうと考えるが、それなら既存の花も同じこと。果たしてどのような「幸福」なのか…? アリスは会社の規定を犯し、花を一鉢持ち帰って息子ジョー(キット・コナー)への贈り物とし“リトル・ジョー”と命名する。以来、ジョーは時々上の空になり、アリスは息子の様子が今までと「ちょっと違う」ことに気づく。研究所で男性助手クリス(ベン・ウィショー)に相談しても、年頃だから仕方ないと言われるだけ。本当にそうなのか?
リトル・ジョーがもたらす影響にいち早く気づいたのは同僚のベテラン女性研究員ベラ(ケリー・フォックス)だが、精神疾患歴のある彼女の訴えは取り上げられない。会社は開発費のかかった新種リトル・ジョーで一儲けしようとしているし、認可されていない農薬を使ってしまったアリスも経歴に傷を付けたくない。しかしアリス自身も、同僚らが息子同様「ちょっと変」になっていることに気づく。特別な害は何もないが、何となく今までと違う…。
植物の見た目の美しさや香りは種の保存のために進化したと言われるが、第2世代が劣化するF1農作物のように、リトル・ジョーの命は一代限り。人間が大切に育てなければ絶えてしまう。大事にしてもらいたいためなのか、リトル・ジョーは妖しいほど赤く輝き、見る者を魅了する。会社の温室では当初、アリス組の赤いリトル・ジョーと別グループが開発した青い花の2種類が栽培されていたのだが、両方ともゾッとするほど美しく、どちらが人に愛されるかを競い合っているような不気味さがあった。
こんな花が実際に開発されたとしたら、確かに見ているだけで幸せになれるかもしれない。その幸福感が世界中の人間を幸せにするなら結構なことだが、ベラやアリスが感じた「ちょっとした違和感」は次第に大きくなってゆく。本当にリトル・ジョーのせいなのか? 詳細は劇場でご確認を。日本人作曲家・伊藤貞司による尺八、和太鼓、琴など和楽器が奏でる不穏なメロディと、極めて人工的な花の美しさが緊張感を高める、ミステリアスなボタニカル・スリラー。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)
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