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新米記者トロッ子私がやらねば誰がやる！

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8月9日よりテアトル新宿他全国公開中

2024年製作日　（98 min）

監督：小林啓一　殺さない彼と死なない彼女　恋は光
出演者：
藤吉夏鈴
高石あかり　セフレの品格決意
久間田琳加　おとななじみ　青夏きみに恋した30日

中井友望、綱啓永、外原寧々、ゆうたろう

あらすじ：文学少女の所結衣は、憧れの作家“緑町このは”が在籍しているという名門・私立櫻葉学園高等学校に入学した。　エリートの集まる文芸部への入部は叶わなかったが、文芸部のカリスマ部長・西園寺茉莉は、正体不明の作家“このは”を見つけ出せば入部を許可するという条件を提示する。　結衣は文芸部に入部するため、“このは”へのインタビュー実績がある学園非公認の新聞部にひとまず入部し、部長・杉原かさねの下で新米記者“トロッ子”として活動することに…。　青春ドラマ。

原案：宮川彰太郎　主題歌：クレナズム『リベリオン』

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匿名作家・“緑町このは”の正体を探るうちに、文芸部と新聞部の板挟みになっていく結衣。　手に余るほどデカいネタを掴んでしまった高校生たちが奔走する、社会派学園ドラマです。

※トロッコ（子）とは…新聞業界用語で「新人記者」のこと。　「まだ記者（汽車）として一人前でない＝トロッコ」という冷やかしの意味があるが、現在ではあまり使われていないという。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★

本作の舞台は新聞社ではなく名門私立高校で、一人前の高校新聞記者になる前のトロッ子（ひよっこ）部員の話。夢や希望を抱いて憧れの高校に入学した少女が味わう幻滅と挫折、長い物に巻かれる要領の良い先輩と正義を振りかざす冷や飯食いの先輩の差、不祥事の隠蔽、賞取りレースの裏側などが描かれる、大人社会の縮図のようなストーリーだ。

主人公の文学少女・所結衣ところゆい（藤吉夏鈴）は、憧れの高校生作家“緑町このは”が在籍している（という噂の）名門・私立櫻葉学園高校に入学するが、学園の看板である文芸部の入部試験には落ちてしまう。だが文芸部の部長・西園寺茉莉（久間田琳加）から、正体不明の匿名作家“このは”を学内で見つけ出せれば入部を許可すると持ち掛けられる。つまり“このは”は文芸部にはいなかったのだった。

学業優秀なお嬢様・西園寺茉莉は、昨年の高校文芸コンクールで最優秀賞を受賞した文芸部のスター。“このは”を探して入部させマンネリな文芸部の刷新を図りたいという西園寺の依頼を受けた結衣は、西園寺を「お姉さま」と呼んで捜索活動を行うことに。スパイ007と司令塔Mのような関係の2人は、学園の茶室で密かに連絡を取り合う。西園寺は自分の立場を脅かす存在になりかねない実力派作家“このは”と一緒に、いったい何がやりたいのか？

“このは”へのインタビュー実績がある学園非公認の新聞部に接触した結衣は、なりゆきで入部してしまう。部長・杉原かさね（高石あかり）と副部長・恩田春菜（中井友望）のもとで、新聞部の新米記者“トロッ子”としてのシゴキを受けることに。ネタに向かって猪突猛進するかさねは、西園寺と違ってズケズケ物を言う庶民派。新聞はコピーではなく旧知の印刷屋（石倉三郎）に依頼している。輪転機で印刷した新聞からは、更紙とインクの匂いが漂う。その経費はどこから出ているのか？

地下組織的なゲリラ取材で学園関係者の不祥事をスクープしていく新聞部は、とうとう学園理事長・沼原（高島政宏）に圧力をかけられる。しかし調べれば調べるほど出てくる学園の闇を、見なかったフリなどできない。新聞部は文芸部に入るための踏み台だったはずなのに、理事長お気に入りの西園寺と、理事長が目の敵にするかさねとの板挟みになってしまう結衣。大スクープは出るのか？　そして、“緑町このは”は本当に学内に存在するのか？

ちょっと大仰で昭和レトロな感覚の学園ドラマだが、そこがいい！　電子書籍でなく単行本、しかも明治大正の純文学を読むような高校生がいる。サッカーや野球ではなく文芸部を花形にする学校がある。丁寧な言葉遣いで相手を思いやり、個人の利益より正義を重んじる学生がいる。ああ、こんな心持ちのままずっと大人でいられたらどんなに良いかと思うのは、私が薄汚れた大人になっちまったせいだろうか。イマドキの若手人気俳優たちが元気いっぱい走り回って正義を貫くために戦う、大人も楽しめる高校生の“社会派”青春ドラマ。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞