十三人の刺客 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

十三人の刺客(2010年製作)

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2010年製作日　（141 min）

監督：三池崇史　妖怪大戦争　着信アリ　荒ぶる魂たち　荒ぶる魂たち　抗争勃発篇
出演者：
役所広司　八犬伝公　パコと魔法の絵本　笑の大学　 Shall we ダンス？
市村正親　Live Spire ANJIN イングリッシュサムライ　テルマエ・ロマエ　泥棒役者　テルマエ・ロマエII
稲垣吾郎　笑の大学　ばるぼら　窓辺にて　正欲

山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太

あらすじ：江戸時代末期。　将軍の弟で、翌年には老中への就任が決定している明石藩主・松平斉韶（なりつぐ）は、残虐な性質で不条理な殺戮を繰り返していた。　幕府老中・土井は斉韶暗殺を決断し、御目付役・島田新左衛門に密命を下す。　新左衛門は刺客を集め準備を進めるが、明石藩御用人で、かつて新左衛門と剣の同門であった鬼頭半兵衛は計画を察知していた…。　時代劇。

日本アカデミー賞最優秀美術賞・撮影賞・照明賞・録音賞　原作：池宮彰一郎

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天下のためと自ら進んで戦う新左衛門、主君、藩、家を守るために戦う半兵衛。　今まで人を殺したことなどなかった太平の世の侍たちが挑む一世一代の大勝負。　ラスト50分は、とにかく斬って、斬って、斬りまくる、壮絶な死闘が繰り広げられます。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★★
映画を観る時、私はその世界へタイムスリップしている。なるべく邪魔されず作品に浸っていたいのだが、風景やセット、目の動きひとつで現実に引き戻されてしまうこともある。本作は幕末から26年前の江戸末期。一見平和で、人を殺したことのない侍がほとんどだという時代設定である。

明石藩主・松平斉韶（なりつぐ）（稲垣吾郎）は、気分次第で人を殺し、女を弄ぶ残虐な性質だが、将軍の弟という血筋ゆえに幕府の最重要ポスト・老中への就任が決定している。斉韶が藩主としても老中としても適任でないという裁定を下すことは、将軍に異を唱えることと同じであるから、表立って出来る事ではない。それゆえ老中・土井（平幹二朗）は御目付役で七百五十石の旗本・島田新左衛門（役所広司）に密命を下す。

新左衛門は、斉韶暗殺が世のため人のためになると信じ、刺客を集める。老中が黒幕なので軍資金は豊富。この世への未練を断ち切り、太平の世に侍として死ねるとは本望だと言う男たちに、新左衛門は「預かったおぬしたちの命、今からはこの新左が使い捨てに致す。」と宣言する。何だかこの場はみな随分と楽しそうなのだ。窓際でくすぶっているよりは、ひと花咲かせてパッと散りたいという心境であろうか。

　
明石藩御用人として自らの努力により禄高（年収）千石にまで上り詰めた、かつて新左衛門と剣の同門であった鬼頭半兵衛（市村正親）は、暗殺の計画を察知していた。斉韶が藩主として不適格であることは側近が一番良く知っているのだが、彼らはひたすら斉韶を守り抜く。藩と我が禄（給料）を守るためにもバカ殿（稲垣吾郎、なかなかの悪役ぶり）にしがみつくしかない人生。こちらは悲壮感が漂っている。

今風のイケメン若手俳優が多く登場するが、彼らの現代風の表情は、「人を切ったことのない若者の青さVS百戦錬磨のオッチャンたち」という対比として、好意的に受け止めることができた。刺客は、初々しい窪田正孝、若手の山田孝之、高岡蒼甫、波岡一喜、近藤公園、石垣佑磨、強さが際立つ伊原剛志、中堅どころの沢村一樹、古田新太、六角精児、大御所・松方弘樹、大将・役所広司、道化役の山の民・伊勢谷友介と、バランスの取れた面々。

TV時代劇だと、ラストに主人公が一人で大勢の敵をアッという間に片づけるものだが、本作では13人VS 300人という数の差はちゃんとあって、斬っても斬っても次から次に敵が出て来るし、斬り合いがいちいち長い。とにかく長い。天下のために戦う13人の刺客たちと、主君のために戦う明石藩の家臣たち。命を賭けた一世一代の大博打の結果は…？　

ラスト50分は、斬って、斬って、斬りまくる、チャンバラ活劇。みな気合いの入った表情でバッタバッタと殺し合う。同じ役所広司の12月公開『最後の忠臣蔵』（これまた原作：池宮彰一郎）はヒューマンドラマ風で、これはこれでお薦めなのだが、やはり時代劇はド派手な大立ち回りがなくっちゃという方、「あー、こんな時代劇が見たかった！」ということ間違いなし。チャンバラ世界にタイムスリップできるお薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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