ダークナイトライジング : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

ダークナイトライジング

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原題：THE DARK KNIGHT RISES

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(C)2012 Warner Bros. Entertainment Inc. and Legendary Pictures Funding, LLC. BATMAN, THE DARK KNIGHT, and all related characters and elements are trademarks of and (c)DC Comics.
DVD \3,790(税抜)2012/12/5・ブルーレイ&DVDセット発売：ワーナーホームビデオ

2012年製作米・英　（165 min）

監督：クリストファー・ノーラン　オッペンハイマー　メメント　ダークナイト　インターステラー
出演者：
クリスチャン・ベール　ダークナイト　マシニスト　バットマン　ビギンズ　ターミネーター4
マイケル・ケイン　２度目のはなればなれ公　愛の落日クワイエット・アメリカン　ミニミニ大作戦　グランドフィナーレ
ゲイリー・オールドマン　ドラキュラ　　ウィンストン・チャーチルヒトラーから世界を救った男　裏切りのサーカス　シド・アンド・ナンシー

アン・ハサウェイ、トム・ハーディー、マリオン・コティヤール、ジョセフ・ゴードン＝レヴィット

あらすじ：大義のため自ら殺人者の汚名を被ったバットマンが闇に消えてから8年。　その甲斐あってゴッサム・シティーの犯罪率は史上最低となっていた。　ある日、ブルース・ウェイン（バットマン）の屋敷に女怪盗が現れ、それを機にウェイン産業は窮地に陥ってしまう。　裏で手を引くのはマスクをした謎の男ベイン。　今まさに、街の地下で途方もない犯罪計画が実行されようとしていた…。　正義のヒーロー“バットマン”新シリーズ第3弾。

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愛する女性レイチェルを失ったショックと、犯罪者と戦う必要がなくなったことで、生きる目的を見失っていたブルースを、街に呼び戻すかのように起こった凶悪テロ。　心身共に弱っているバットマンは、圧倒的な破壊力を持つ相手とどう戦うのか？　全てを失ったブルースの今後の人生は？　闇の騎士ダークナイトの存在意義を問うバットマン伝説完結編です。

≪バットマン≫シリーズ
『バットマン』、『バットマン・リターンズ』
『バットマン　フォーエヴァー』、『バットマン＆ロビン　Mr.フリーズの逆襲 !!』
『バットマン　ビギンズ』、『ダークナイト』、『ダークナイトライジング』

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★★
莫大な資産を駆使してヒーロー業務に専念する点で、同じ境遇である『アイアンマン』のトニー・スターク（ロバート・ダウニー・Jr.）がネアカのボンボンなのに対し、ダークナイトことバットマンのブルース・ウェイン（クリスチャン・ベイル）はネクラな貴公子。彼は陽気なアメリカンヒーロー集団「アベンジャーズ」の仲間入りなどしないだろう。前作『ダークナイト』で、私はそのあまりに哲学的な内容に衝撃を受けた。バットマンはお子様には理解できない大人の映画だ。

本作は前作の8年後という設定。何とブルースは、自宅で催されるパーティーにすら顔を出さないほど世間から距離を置いて暮らしている、心身共に痛々しい状態だ。警察はヒマな位がちょうどいいとよく言われる。街が犯罪者であふれていては困るのだ。多大なる犠牲を払ったが街はもう平和になったのだから、幼くして両親を亡くし、前作では恋人を亡くしたブルースの幸せをちゃんと見届けてから引退したいと、執事アルフレッド（マイケル・ケイン）は切に願うのである。今回、彼との絡みは秀逸で味わいのある余韻を残す。

しかし、女怪盗キャットウーマンことセリーナ・カイル（アン・ハサウェイ）と最強のテロリスト、ベイン（トム・ハーディー）、ゴードン市警本部長（ゲイリー・オールドマン）とその部下ジョン・ブレイク（ジョゼフ・ゴードン=レヴィット）、ウェイン産業のCEOルーシャス・フォックス（モーガン・フリーマン）と資産家ミランダ・テイト（マリオン・コティヤール）ら、アルフレッド以外の誰もが様々な手で、引きこもりバットマンを外の世界へひっぱり出そうとする。

　
IMAXカメラを駆使した冒頭の飛行機乗っ取りの空中シーン、空飛ぶ武装車“バット”の鮮やかな走り、二輪車“バットポッド”を乗りこなす女性の勇姿と、視覚的に満足できる要素もあり、獄中や証券取引所のドラマ、セリーナとミランダというタイプの異なる美女との関わりなど見どころ満載である。

しかし何と言っても気になるのは、ヒーローとはほど遠い、全てを失ったブルースの弱った姿である。体力がなくては乱暴な犯罪者たちと戦えない、財力がなくては最先端のツールを用意できない、何より気力がなくては前へ進めない。死を恐れぬヒーローも、決して自分一人の力では街を救えないことを思い知る。また、凶悪犯罪の抑止力として存在するヒーローの意義や真価も問われる。

本作はもちろんカラー作品だが、一貫して黒が基調である。仮に全部モノトーンで上映されても『アーティスト』のアンティーク感とは異なるスタイリッシュな輝きを放つだろう。それでもラストの夢のようなシーンにだけは温かな彩りがあり、このシリーズが、バットマンという正義のヒーローのアクションドラマではあるが、同時にブルースという孤独な青年のヒューマンドラマだったことを再認識することができる。

ゴッサムシティーを守るため闇の騎士ダークナイトとなったバットマンが、暗闇の洞窟から自分自身を解き放ち、光輝く空へと羽ばたいていく荘厳なバットマン伝説完結編。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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