ワン・バトル・アフター・アナザー : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

ワン・バトル・アフター・アナザー

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原題：ONE BATTLE AFTER ANOTHER

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10月3日より全国公開中

2025年製作米　（162 min）

監督：ポール・トーマス・アンダーソン　ゼア・ウィル・ビー・ブラッド　マグノリア　ファントム・スレッド　リコリス・ピザ
出演者：
レオナルド・ディカプリオ　タイタニック　ディパーテッド　レヴェナント蘇えりし者　ウルフ・オブ・ウォールストリート
ショーン・ペン　ギター弾きの恋　ミルク　リチャード・ニクソン暗殺を企てた男　ミスティック・リバー
ベニチオ・デル・トロ　チェ 28歳の革命　ザ・ザ・コルダのフェニキア計画公　トラフィック　ボーダーライン：ソルジャーズ・デイ

レジーナ・ホール、テヤナ・テイラー、チェイス・インフィニティ、ウッド・ハリス

あらすじ：かつては“爆弾魔”として世を騒がせた革命家のボブは、名前を変え娘ウィラと潜伏生活を送っている。　しかし、とある理由から大切なひとり娘の命を狙われ、次から次へと迫る刺客たちと戦う羽目になった。　無慈悲な軍人“ロックジョー”は異常な執着で娘を狙い、ボブのピンチにはなぜか空手道場の“センセイ”が現れる。　地の果てまで追いかけられる、ボブと娘。　逃げる側と追いかける側、それぞれが三者三様に入り乱れる壮大なチェイス・バトルがはじまった…。　アクション・コメディ。　≪これは、逃走劇のフリをした闘争劇。≫

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潜伏生活も16年。　もはやボブに革命闘士の面影はありません。　身体はメタボで走れない。　組織の合言葉だって覚えちゃいない。　でも、愛する娘のためなら頑張れる！　ダメ親父としっかり者の娘の絆が試される、命懸けの追いかけっこです。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★
冒頭で活躍するのは、過激派テロ組織「フレンチ75」の黒人女性闘士ペルフィディア（テヤナ・テイラー）。大勢のメキシコ不法移民を解放したり、ビルを爆破したり、活動資金調達のため銀行を襲ったりして、暴力革命を起こそうとしている。
そんな妻に従順な白人の夫ボブ（レオナルド・ディカプリオ）は、“爆弾魔”と呼ばれながらも、性格的には人畜無害なラブ＆ピースのヒッピー。出産後も妻は革命のことしか頭になく、娘の世話をするのは専らボブ。従来の男女の役割を逆転させているのも家庭内革命か。
ところが、ペルフィディアは逮捕され、その後、組織は壊滅状態となった。

…16年後、潜伏中のボブは名を変え別人として生きている。暮らしぶりは相変わらずヒッピーで、ロクに働かず酒とハッパが手放せない。
娘ウィラ（チェイス・インフィニティ）を溺愛し、身元がバレて危ない目に遭わないか、悪い虫が付かないかと、心配ばかりしている。
ウィラは母親似の美人で、センセイ（ベニチオ・デル・トロ）の道場で空手を習っている。師匠センセイの薫陶を受け、父親に似ずしっかり者に育った。ある日、ウィラが学校で何者かに連れ去られてしまう。

ボブとウィラを追うのは、16年前にペルフィディアを逮捕し、フレンチ75を壊滅させて大出世したロックジョー（ショーン・ペン）。エリートとなった彼は今、KKKのような白人至上秘密結社「クリスマスの冒険者」に入会を切望し、入会調査を受けている最中。
根っからの人種差別主義者だが、かつては密かに黒人のペルフィディアの尻を追いかけ、ドSに見えるがドMだったという、相反する内面をひた隠しにしている。ウィラを探して、一体どうするつもりなのか…？？？
ウィラは、母親の過去を詳しくは知らされていない。実際、ペルフィディアが今どこでどうしているのか、生きているのか死んでいるのか、誰も知らないのだ。
ボブとセンセイは、警察から追われながらもウィラを探す。ロックジョーはあらゆる手段を使ってウィラを追いかける。なのに、ロックジョー自身も何者かに追われている。命懸けの追いかけっこが続いていく。

娘命のダメ親父ボブを演じるレオナルド・ディカプリオ、変態野郎ロックジョー役のショーン・ペン、単なる空手道場主ではないセンセイ役のベニチオ・デル・トロ、男を翻弄するカリスマ女闘士ペルフィディア役のテヤナ・テイラー、ウィラを助けようとする女デアンドラ（レジーナ・ホール）、自らの出自にショックを受けながらも泣くより闘う娘ウィラ役のチェイス・インフィニティ。
誰もが見事な演技でスクリーンに釘付け。大真面目な演技でも笑わせてくれる。

極左革命組織「フレンチ75」も、極右白人組織「クリスマスの冒険者」も、現代人から見れば古臭く、どっちもどっちの危ない組織。ウィラがもしこの難局を生き延びて、何らかの社会活動を志したとしても、父親や母親のような手段は取らないだろう。
これからの若い世代が社会を変えていく手段は暴力ではない。そんなメッセージが聞こえてくるような気がした。追いかけっこから時流を映し出すアクション・コメディ。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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