決戦は日曜日 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

決戦は日曜日

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2022年製作日　（104 min）

監督：坂下雄一郎　ピンカートンに会いにいく
出演者：
窪田正孝　初恋　犬猿　劇場版ラジエーションハウス　東京喰種トーキョーグール【S】
宮沢りえ　たそがれ清兵衛　華の愛　湯を沸かすほどの熱い愛　月
赤楚衛二　六人の嘘つきな大学生公　もしも徳川家康が総理大臣になったら近　チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい　劇場版仮面ライダービルド　Be The One

内田慈、小市慢太郎、音尾琢真

あらすじ：ベテラン衆議院議員の川島が病に倒れ、娘・有美が地盤を引き継いで選挙に出馬することになった。　政治に無知、自由奔放、お嬢様育ちで自信たっぷりな有美の暴言・失言、傍若無人・意味不明な行動に、川島の秘書・谷村は振り回されることに…。　ポリティカル・コメディ。　≪清き一票を…、入れないで下さい！≫

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何をやらかしたって、どういう訳か許されちゃう。　政治にはド素人の女帝・有美からは、実際どこかで聞いたような問題発言がポンポン飛び出してきて笑っちゃいます。　親の代からの支援者、強力な支持団体、古株の地元議員、政党トップとのパイプ他、持ちつ持たれつのコネクションで、当選はほぼ確実！？　時事ネタ満載、皮肉たっぷり。　“笑っている…場合じゃないかもしれない”　何でもありの選挙の裏側を描きます。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★
2021年の自民党総裁選では岸田文雄衆議院議員が勝利し、100代目の首相となった。一応女性が2名も立候補したのは画期的だった。男女不平等すぎると世界から叩かれっぱなしの日本だが、女性を優遇しすぎると逆に批判されたりもするので、女性活用は何かと悩ましい。

さて、今回の主人公は大物政治家・川島昌平の秘書・谷村（窪田正孝）。冒頭では彼が川島をおんぶしている。被災地視察のパロディなのは明らかで、チクリチクリと政治を刺していく映画なのだな～と思わせる。高齢の川島が病に倒れ、回復までの繋ぎとして娘・有美（宮沢りえ）が立候補することになった。政治とは無縁の人生を送っていた有美はネイルサロンの経営（どの程度かは微妙）に携わる中年のお嬢様。妙に自信満々で、簡単に当選して政治家になれると思っているよう。

そんなド素人の新人候補を支えることになったのが、谷村が所属する川島事務所のスタッフと、川島昌平の古くからの後援会メンバー、地元の地方議員たち、政党の古株など。ただ彼らに言われるまま動いていれば、有美の当選は確実。だからこそ彼女は党の公認候補になれたのだ。もうここで、イチからドブ板選挙を始めるポッと出の新人候補との差は歴然としている。2021年衆院選では、3分の1が世襲議員だったという。長年の支持基盤と絶大な知名度が当選には不可欠。祖父から父へと受け継がれた持ちつ持たれつの関係が、世襲候補を支えるのだ。

とはいえ、有美は大人しく座っている性格ではなかった！　育ちの良さゆえ既に大物政治家の風格が漂っており、自分のために周囲が動くのは当然と考えていて頭が高～い！　加えて問題発言、問題行動、過去の不祥事等、ホコリが出っぱなし！　これも過去に不祥事で辞職した議員のパロディだらけで笑ってしまう。ところが、どんなに叩かれようが、清々しいほど有美は反省しない「女帝」。貫録たっぷりの裸の王（女）様を演じる宮沢りえに拍手を送りたい。おかげで谷村らスタッフは火消しに大忙し。「秘書はつらいよ」。

考えてみれば、世襲議員にも気の毒な一面はある。親が倒れて泣く泣く地元に帰るというのは、老舗企業の跡継ぎと同じ。他にやりたかったことがあったとしても、店をたためば自分を幼い頃から可愛がってくれた従業員たちが路頭に迷う。後継者として社員一同、業界団体、銀行、取引先、お客様に最も応援してもらえるのが先代の血を引く二代目、三代目なのだ。七光りも永遠ではないから、継いだ後は頑張るしかない。政治家だって同じこと。有美が出なければ川島事務所のスタッフは失業するし、後援者らも国会との太いパイプがないと困るのだから、何が何でも当選してもらわねばならない。政治家としての手腕は後から付いてくる…はず？！

やがて、有美や谷村の意識も変わって行く。普通なら腹を括って頑張る方向へ行きそうだが…後は劇場でのお楽しみ。選挙の裏側を皮肉たっぷりに描く、初笑いポリティカル・コメディ。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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