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ポッド・ジェネレーション

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原題：THE POD GENERATION

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2022年製作ベルギー・仏・英　（111 min）

監督：ソフィー・バーセス
出演者：
エミリア・クラーク　世界一キライなあなたに　ターミネーター：新起動／ジェニシス　ラスト・クリスマス　ハン・ソロスター・ウォーズ・ストーリー
キウェテル・イジョフォー　ヴェノム：ザ・ラストダンス公　それでも夜は明ける　風をつかまえた少年　 2012
ロザリー・クレイグ

ヴィネット・ロビンソン、ジャン=マルク・バール

あらすじ：近未来のアメリカ・ニューヨーク。　ハイテク企業に勤める女性レイチェルは、新しい出産方法に惹かれていた。　一方、自然界の多様性を守ろうとしている植物学者の男性アルヴィーは、自然な妊娠を望んでいた。　そんなカップルの2人が、持ち運び可能な卵型《ポッド》で赤ちゃんを育てることを選択する…。　SFラブコメディー。　≪これは、私たちの　愛のカタチ≫

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避妊や中絶と同様、人工子宮出産も「女性を守る手段」の一つであり、ついに性別や性行為、受精に縛られない妊娠・出産・育児の「多様化」の時代が来たと喜ぶべきなのでしょうか？　“卵ポッド妊娠”を機に夫婦の意識が変わり、未来の愛と自然との関わり方が見えてきます。

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★

その昔、女優・秋吉久美子が「（子どもを）卵で産みたい」と言ったというのは有名な話。当時は男女雇用機会均等法（1986年施行）もなく、仕事を続けるか否かで悩む女性は今よりずっと多かった。卵で産めばツワリもなく体型も変わらず、定期健診や産休も不要。当時、卵発言に共感を覚えた女性は多かったかもしれない。

さて、本作の舞台は近未来のニューヨーク。主人公は、ハイテク企業のエリート既婚女性社員レイチェル（エミリア・クラーク）。昇進を前提にした面接で、彼女は女性上司から出産計画について尋ねられる。マタハラ（マタニティー・ハラスメント）かと思いきや、なんと上司はレイチェルに卵型の人工子宮“ポッド”での出産を勧め、会社がその費用の頭金まで支給すると告げる。人間の仕事が次々とAI（人工知能）に取って代わられ、首切りに戦々恐々とする社員が多い中、レイチェルは会社にとって出産休暇など取らずに働き続けて欲しい有能で貴重な人材のようだ。通勤電車の中には、お腹の大きい妊婦もいれば、卵型ポッドを抱えた女性もいる。ポッド出産は高額だが、ニューヨークではかなりの人気らしい。

実は、レイチェルは以前から“ポッド”出産に興味を持っていたのだが、彼女の夫で植物学者のアルヴィー(キウェテル・イジョフォー)は自然な妊娠を望んでいた。夫より妻の方が高収入だが何の問題もなく愛し合っており、夫婦生活もうまくいっている。自然妊娠も可能と思われるが、最終的に2人はポッドを選択した。受精の瞬間は水族館の魚の回遊を見ているようだし、ポッドが家に来てからの夫婦の様子もユニークで笑わせてくれる。

既に現実にサメの人工子宮出産例はあるというし、そのうちヒトでも可能になるかもしれない。避妊や中絶と同様に、人工子宮出産も「女性を守る手段」の一つとして受け入れられていくのだろうか？　そして性別や性行為、受精に縛られない妊娠・出産・育児の「多様化」の時代が来たと喜ぶべきなのか…？　AIに相談し効率を優先する妻レイチェルと、自然を愛し植物の癒しの力を信じる夫アルヴィーの物の見方は正反対だが、妊娠を機にそれぞれの意識は変わっていく。“卵ポッド妊娠”から未来の愛と自然との関わり方が見えてくるロマンティック・コメディー。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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