ヤコブへの手紙
Excerpt（概要）：すばらしい映画でした。手紙が届かなくなったことによって衝撃を受けた牧師が、悄然とするあまり、若干正気をなくしてしまい、その予定もないのに結婚式があると思いこんで慌てて教会に出向くシーンは、悲しく滑稽でたまらなく美しいです。本作はヤコブ牧師の物語である一方で、恩赦を受けた服役囚のレイラの物語でもあるわけです。レイラの行為の「悪」と、レイラの動機の「愛」と、レイラの苦悩のあまりの酷さ、レイラの孤独のあまりの深さ、おのれを罰することの峻烈さ。ラストシーンの彼女の、ふっきれたような軽やかな表情はそれらに対比する救いです。
Weblog（サイト）名 ： キノ２ ／ Tracked ： 2011年2月26日
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「ヤコブへの手紙」
Excerpt（概要）：地味な作品ながら秀作であった。レイラ役のカリーナ・ハザードは殺人罪で終身刑の身となり、荒削で無愛想で、感情のかけらも持ち合わせていなそうに見える孤独な女を演じていて上手い。孤独だが温かく慈悲深いヤコブ牧師を演じるヘイッキ・ノウシアイネンも役になりきっている。身よりもなく、人との接触を避け、世捨人のように生きるレイラに"隣人を自分のように愛しなさい"と諭すヤコブ牧師。長い間、誰にも愛されず、愛想を尽かされたと感じていた彼女が真実を知り、一筋の涙を流すラストは観ているものに限りない感動を与える。
Weblog（サイト）名 ： ヨーロッパ映画を観よう！ ／ Tracked ： 2011年2月12日
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ヤコブへの手紙
Excerpt（概要）：★★★★ 主な登場人物は僅か３人で75分の長さでは食い足りなさが残るものの[ソーシャル・ネットワーク]などの大作を見た後では、IT機器を何一つ登場させずに、大自然の中での静かな生活を描いている本作品は、一杯の清涼飲料のような効果をもたらします。この映画の謎は郵便配達人でしょう。その種明かしはされていませんが、見る側としてはこの人に注目せざるを得ません。…真実をつかむためには、現実の手紙は却って邪魔になる、むしろ真実そのものが手紙なのだ、ということなのかも知れません。
Weblog（サイト）名 ： 映画的・絵画的・音楽的 ／ Tracked ： 2011年2月9日
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＊ヤコブへの手紙＊
Excerpt（概要）：前半のふたりのぎこちなさ、見てる人を心地悪くさせます。ところが後半になると‥しかも割合べタな展開なのに‥なんとも言えない感動が押し寄せてきます。これってどういうことなのかしら‥。悩める人を救うため返事を書いていた牧師さんは実は手紙が来ること、頼りにされることが生きがいだったのですね。村に住んでる人はわずかで、教会にも人が来なくて…手紙だけが頼りだったのでしょう。そしてまた身よりもなく、行くあてもないレイラが見つけた希望とは‥。とにかく全体に作りがていねいで、珠玉の〜っていうような言葉が浮かびます。
Weblog（サイト）名 ： Cartouche ／ Tracked ： 2011年2月3日
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『ヤコブへの手紙』 世の中から必要とされていないのは誰だ？
Excerpt（概要）：場内は号泣であった。たった1時間15分の映画の中に、人を、人生を深く考えさせるものが詰まっていた。内容は驚くほどシンプルだ。にもかかわらず、本作は実に映画らしい輝きに満ちている。セリフも多くはない。だからこそ、一つひとつのセリフが大切だ。神の御業により、ヤコブとレイラは大きく変わる。本作は、信仰に向かい合う作品だ。とはいえ、本作を観て泣いた観客が、必ずしも敬虔なキリスト教徒というわけではないだろう。それでも本作に感動するのは、作り手の込めた想いが普遍的だからだ。
Weblog（サイト）名 ： 映画のブログ ／ Tracked ： 2011年1月23日
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ヤコブへの手紙
Excerpt（概要）：★★★★ ヤコブの尽力でレイラが特赦されたというのも、いくらヤコブがレイラの秘密を知っていたとしてもヤコブ一人の政治力では難しいのではないか。登場人物は少ないが、背後に数多くの親切な人々がいないと、そう簡単に特赦が下りるとは思えない。フィンランドの田舎は人口が少なく、冬の自然は厳しいのでお互い助け合う風土が残っているのかもしれない。見えない人々の最大の親切は後先短いヤコブにレイラという最大の贈り物を届けたことなのかとも思える。真相は説明されておらず、観客の想像に託している作り方だ。
Weblog（サイト）名 ： 佐藤秀の徒然幻視録 ／ Tracked ： 2011年1月17日
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《 ヤコブへの手紙 》
Excerpt（概要）：.★★★★★ フィンランドの田舎町を舞台に、ヤコブ牧師、レイラ、郵便配達人が、ヤコブ邸を中心に繰り広げるドラマは、登場人物とシチュエーションが最小限に限られていることで、ストレートに心に沁み渡ってきます。75分という短い上映時間の中で、巧みにまとめあげた素敵な作品です。キャスティングもピッタリです。元々乗り気ではなく、牧師の行動を遠目に馬鹿にしていたレイラが、ヤコブ牧師の気持ちに触れることで、彼女自身どういった心境の変化を遂げるのか。感涙を誘う展開に、とても優しい気持ちになりました。
Weblog（サイト）名 ： 映画 - K'z films - ／ Tracked ： 2011年1月15日
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