風が強く吹いている:作品を観た感想(19)
風が強く吹いている
★★★★ 「駅伝」という素材が本来持っているリアルなドラマ性を引き出し、見事に再現することに成功しています。最も驚いたのは、大森監督の「絵作り」のうまさ。ランナーを捉える映像のほとんどは望遠レンズを使用したロングショットで成立しており、背景を速く飛ばす工夫がなされています。ロングのワンカットは、役者さんにとって「ごまかし」が利かない撮影手法。俳優陣の影の努力には敬意を払いたいところです。本作は、初監督作品であっても、大森監督の率直で純粋な想像力が詰まった秀作であると評価できると思います。
WEBLOG:e97h0017
2010年5月15日
『風が強く吹いている』 (2009)
冒頭の食い逃げエピソードで、しっかりハマってしまいました。そう、二人の食い逃げ犯を、自転車で追ってくる定職屋の女の子、しっかり追いかけてはいるんだけれど全く声を上げないんだよね。このあり得ない状況に、食い逃げ犯の主犯である主人公の心境や立場が見えてきて、逃げながらの未来のエース候補との会話に、胸が熱くなってしまった。この導入部の作り方が、嬉しい。それだけで、主人公やエースの人物設定が、ほとんど紹介出来てしまうという演出。ほんとに面白かった!!
よーじっくのここちいい空間
2009年12月10日
風が強く吹いている
箱根駅伝、ついつい観てしまいます。上位入賞するのはいつも常連校だったりするのですが、「常連」になるにも、「出場」するにも、こんなに多くの過程と努力があることを、この映画で初めて知りました。そういう苦労を画面でみせてくれるので、余計に「寄せ集め」の10人に対して不安に思ったり、応援したくなったり…。前半はちょっと説明的なところもあったけれど、レースの場面は手に汗握ります。本物さながらの大迫力。そして彼等の「ひたむきさ」に目頭が熱くなったり…。今度の箱根駅伝、ちょっと違う見方ができそうです。
Peaceナ、ワタシ!
2009年12月4日
風が強く吹いている
★★★★ こういう群像劇ってキャラクターの個性を掴むのに時間がかかるけど、この映画は個々の特徴がしっかりしている上に、みんな面白いあだ名を持っているのですんなり覚えられます。全員にしっかり見せ場があったのも良かったです。主役の十人がしっかり描けていた分、サブキャラクターは描写不足の人が目立ちました。駅伝のシーンは申し分なし。撮影規模も大きいし、展開も良かった。神童のエピソードはウルッと来てしまいましたよ。堅実な作りで非常に好印象な映画でした。男たちの青春と友情が滲み出てましたね。
5125年映画の旅
2009年12月2日
風が強く吹いている 主役は「走る」!
この種の物語の場合は登場人物たちのキャラクターの面白さで見せるのであるが、この映画の場合は、登場人物たちのキャラクターや過去のエピソードよりは「走る」という行為そのものが主役ではないかと思わせる描き方である。箱根駅伝の部分は、空撮も使って非常にダイナミックな描写である。登場人物たちのドラマに引っ張られていない点がいい。走るという行為は映画には非常に向いているようなのであるが、それを魅力的に見せた映画は少ないのではないか。この映画は走るということを通して人間を描いたといえよう。
映画と出会う・世界が変わる
2009年11月29日
風が強く吹いている (小出恵介さん&林遣都さん)
ハイジの人間的大きさと魅力、カケルが過去の傷を乗り越えて"強さ"を身につけ成長する姿、メンバーの中で足かせとなっていた王子の頑張り、肝心な時に期待に応えることができない神童のエピソードなど、見どころが多くありました。残念な点を挙げるとすれば、人物の掘り下げが中途半端なことです。走るとはどういうことか?…それは唯一ハイジがカケルに答えをくれなかった問い。答えはまだ見つからないカケルですが、自身に問い続けながらこれから先も走り続けるようです。清々しい青春映画でした。
yanajunのイラスト・まんが道
2009年11月13日
駅伝版ROOKIES!『風が強く吹いている』
★★★★ とっても良い映画でした。駅伝といえば地味に走り続けるというイメージで、あまり華やかな雰囲気がないのですが、この映画には、その地道に走り続ける事への各々の選手が抱える想いが上手く描かれていて、そこから繰り広げられるドラマには胸が熱くなります。その先にある未来は誰にも分からなくて曖昧だけれど、今を頑張れば確実に心に残り続ける記憶がいかに大切なモノなのかを教えてくれるこの映画。結末が読めてしまう物語の中であっても純粋に素直に感動できる作品でした。
水曜日のシネマ日記
2009年11月10日
風が強く吹いている
★★★ 確かに、箱根駅伝という誰もが一度は見たことのある「国民的学生スポーツ」を上手に映像化できており、ヘリの映像や中継車からの映像などは、実際の箱根駅伝を見ているような臨場感のある演出で見応えはありました。しかし、本番の箱根駅伝からは急にテンポが速くなり、9区のカケルと10区とハイジ以外の走者のシーンが短く、話をコンパクトにまとめすぎた感があったため、やや物足りなさを感じました。各区間のランナーが走るシーンをもっと長くしていれば、感動がより上手く伝わったのではないでしょうか。
必見!ミスターシネマの最新映画!
2009年11月9日
【風が強く吹いている】
期待を裏切らない爽やかな映画でしたー♪ 原作ファンとしてみたら削られるエピソードが多くて物足りなく思う部分もありました。でも、この長さに収めるにはある程度仕方ないですよね。林遣都くんの体とフォームはすごかった!青竹荘の仲間も良かった〜。駅伝本番のドラマはかなりアッサリしていました。もっともっと原作では感動を味わえたので、そこはちょっと残念。でもカケルからハイジへと襷を繋ぐシーンはボロボロっと泣けちゃいました。少し熱さは足りなかったとは思うけれど、私は好みでした!
日々のつぶやき
2009年11月7日
*風が強く吹いている*
一番良かったのはみんなの個性を生かすこと。全員が均等に…ではなくて、このチームは遅い人の分を分かち合う、"総合力で勝負"という精神なのですね。といってその遅い人も人間性で劣るわけではありませんから、そう言う人にリスペクトを忘れてないし、本人もタイムよりも"精一杯やること"をベストとしていたのでした。最近は勝ち組・負け組的発想が目立ちます。でも本来社会にも会社にもどちらも必要。そんなことまでこの映画は考えさせてくれました。
Cartouche
2009年11月4日
風が強く吹いている
意外に面白くて引き込まれてしまいました。見終わった後に爽快感がある作品でした。ストーリーはありがちで定番で、短期間で強くなってるあたり突っ込みたいところですが、2時間という時間ないでは仕方ないかも。8人のメンバーそれぞれに想いを抱えて駅伝を走るんですが、特に漫画が大好きな王子の成長具合がグッときました。ついつい彼に感情移入して観てしまいました。後、ムサを演じたダンテ・カーヴァーは着実にキャリアを積んでいますね。
だらだら無気力ブログ
2009年11月4日
風が強く吹いている
★★★★ 設定としては、いわゆる青春スポ根モノとしてはそう珍しいものではありません。ところが面白いもので、ダメな連中がグングン成長していく様子をみるのはこれが実に気持ちイイ。物語はテンポ良く箱根本番までたどり着きます。翌年のシード権を獲るための10位以内が目標となります。本作は10人が必死で走るその彼らを本物の箱根を観戦するように見るのが本筋。それぞれの各自の想いを抱えて走る様子は感動あり、そして何故か笑いあり…。やっぱりいいなぁと思わせてくれるハズ。
LOVE Cinemas 調布
2009年11月3日
「風が強く吹いている」何かを目指すなら向かい風を行け
★★★★ ひとりもくもくと走るシーンも全員でひと固まりで走るシーンもそこに「走る」という純粋な意思があり、ただ前へ前へと足を進めることだけ考え、その姿が傍からは美しく見えることも知らない。「ハイジの為に頑張るか」 そんな気持ちにさせるハイジと反発しながらもだんだんと認めるカケルを中心に、それぞれの見せ場を作りつつラストの駅伝の激走へと。映画の作りは緩むことなくラストへ。スポ根ものというより成長の物語だ。
soramove
2009年11月3日
「風が強く吹いている」 俺は強さだと思う
この題材を選んだ時点で映画としては心に触れる作品が作れるであろうと思います。ただしっかり観ると、やや演出的には物語と素材に頼りすぎていると思われるような感じもします。演出としては凡庸だったかな…。出演者の方々は良かったです。小出恵介さんは若いのに包容力があり、ある種達観したようなものの見方をするハイジにぴったりとしていたような気がします。迷いがない、ブレない強さみたいなものを感じるキャラクター。そして天才ランナーであるカケルを演じる林遣都さんも良かった。
はらやんの映画徒然草
2009年11月2日
『風が強く吹いている』 試写会鑑賞
★★★ 概ね原作に忠実に描かれていたとは思いますが、纏めるために結構端折ってました。ただ端折ってしまった分、映画はトントン拍子でいろんなことが上手く行き過ぎてしまっている感は否めなかったです。いくらなんでもあれじゃあ素人でも簡単に箱根目指せると勘違いしちゃいそう。それにしても林遣都君って本当に運動神経いいんですね。林君のあの走りは演技ではなく、カケルと同化した走りだったのかもしれません。やっぱり箱根駅伝って感動だ。2時間ちょっとに上手くまとまっていたと思います。
映画な日々。読書な日々。
2009年10月28日
レビュー:風が強く吹いている
本作を支えたのが小出、林をはじめとする、10人のメンバーを演じた若手俳優陣の好演。なかでもひときわイメージとぴったりだったのが、アフリカからの国費留学生ムサを演じたダンテ・カーヴァー。レースを撮影するために延べ3万人のエキストラが動員された。そういう土台があったからこそ、各区間を走るランナーの様子が引き立っている。限界に挑戦することの素晴らしさに素直に感動したい。そんな想いがぎっしり詰まった、心に響く秀作に仕上がっている。
INTRO
2009年10月23日
『風が強く吹いている』 追い風か向い風か
映画が始まるとすぐに引き込まれ、タイトルが出るころには邪推は吹っ飛んでいた。つかみはOK! 中村優一さんが演じる漫画マニアの"王子" 火の鳥の絵を額に入れて飾っていることからしても、相当な火の鳥ファン。タイムが伸びないことをなじられるシーンで王子が読んでいたのは、マンガ「鳥よ、飛びたて!!」 王子はラブコメやギャグマンガを読んだりしていない。王子は、はじめから熱い心を持っていたのである。
映画のブログ
2009年10月2日
風が強く吹いている
何と言っても箱根駅伝のシーンは最高です!本物の駅伝をそのまま映画化したような展開には、とてもワクワクしました〜。役者さんたちもみんな頑張って走っていて、必死にたすきを渡している姿にはドキドキしました。時々、えーっそんなふうに原作の想いを変えてしまったの?とか思うところもありましたけど、それぞれの爽やかな展開に、大きな心で観ていこうという気持ちに(^^ゞ 出演者たちの走る姿と笑顔が最高だなあと思いつつ、最後まで画面を見つめていました。
とりあえず、コメントです
2009年10月2日
『風が強く吹いている』(2009)/日本
★★★ 「抱えているものはそれなりにみんなあるけれど、それでも1つのゴールを目指して走って行くことが素晴らしい」ということ。その場面を心理的に表わしているのも印象に残る。箱根駅伝のコースを撮影には使えなかったにも関わらず、忠実に再現しているのはうれしいところ。どのくらいのエキストラがいるんだろうっていうくらい大勢の人々がいて、その再現にうまく実際の駅伝の映像も挿入したりしていて、苦心のあとが窺える。そんな雰囲気を十分に味わった、素敵な映画でした。
NiceOne!!
2009年9月27日
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