扉をたたく人:作品を観た感想(20)

扉をたたく人
ウォルターは最初から人間嫌いだったわけではないんだろうなと思いました、タレクからジャンベを習うようになってからのウォルターの表情が優しく変わっていくのが素敵でした。タレクもウォルターとジャンベを弾く事で日々の不安から解放されてたのかな。ウォルター、ゼイナブ、タレクそしてタレクのお母さんの気持ちが見てて伝わって切なくなってきました。そしてタレクは知らない間に国外追放となっててその時のウォルターの怒りがひしひしと伝わってきました。そして最後、地下鉄で怒りを吐き出すようにジャンベを叩く姿は心に沁み入りました。
Diarydiary!
2010年5月18日

『扉をたたく人』
ウォルターはタリクとの出会いによって今や確実に心の扉が開かれ、そしてはじめて人のために何かをしたいと思い、自分にできることは何なのかを考えるようになった。今まで気付かなかったことに気付き、アメリカの現状を知り、自分の非力さを思い知る。単なる社会批判映画にとどまらず、観る者に深い余韻と感動を与えたのは、クラシックピアノやジャンベといった音楽的要素を実に巧くからめ、人と人との心の交流を軽妙に奏でたところに起因している。とても、いい映画だった。
シネマな時間に考察を。
2010年3月19日

扉をたたく人
リチャード・ジェンキンスが何といっても素晴らしい名演。1つ1つのどんな細かい表情や仕草が、本当に見事。役者たちの名演が引き出され、このような形になったのも、やはり、巧い脚本があってこそだが、多額の予算と人気俳優を使わなくても、脚本と役者の力量があれば、こんなにいい作品になるのだと、思わせてくれる作品にまた出会った。あのラストシーンは、いつまでも心に残るに違いない。そんな作品こそ、巧い言葉で表現できないのが腹立たしい。未見の方は、とにかく一度ご覧になって。絶対に損はない、とてもいい作品です。
悠雅的生活
2010年3月4日

扉をたたく人
「扉をたたく人」という題名はとても巧い。まさに心を閉ざした老人の心を開かせる物語で、彼が音楽と友人で解放されるシーンは気持ちがよい。彼の話と移民の社会問題どちらかにして欲しいとは思ったが、中盤から「なるほど」と理解した。"共有すること"なんだろう。この映画のメッセージは長年仕事をしてきて"なんとなく"生きている大人の方には、生きている実感を味わえるきっかけとなるだろう。哀愁漂うリチャード・ジェンキンスの演技がとてもリアルで、彼の内面が痛いほど理解できる。物静かな老人が、感情をむきだしにするシーンは心が苦しくなった。
元レンタルビデオ屋店長の映画感想
2010年2月20日

『扉をたたく人』 (2009)
★★★★ とても静かだけれど、沁みてくる映画です。こういう映画が好きです。音楽も良かった、シンプルだけど、心にすうっ〜と入ってきて、とても心地よかった。単純に、自由という言葉を理解したつもりでいる私には、かなり厳しいところを突かれた作品だった。なかなか簡単には解けない多重に絡み合った自由が存在するアメリカという国の、凄さを垣間見た気がした。
よーじっくのここちいい空間
2009年12月15日

「扉をたたく人」(THE VISITOR)
★★★ 印象に残ったシーンとして、ウォルターがNYに出張中、公園で太鼓の音を興味深げに聞く場面。そして彼は自宅でタレクから、ジャンベ奏法の手ほどきを受ける。2人はセントラル・パークに出かけ、黒人の団体らとジャンベの合奏を繰り広げるのは、本作の中で最も楽しいシーンだ。音楽は国境や民族をも超えるといった感がする。ラスト、ウォルターは地下鉄ホームのベンチに座りジャンベを思い切り叩く。それはタレクと約束したことでもあり、またタレクの救助に何もできなかった無念さや、国外退去となったタレクを偲んでの思いがだろう。
シネマ・ワンダーランド
2009年12月14日

mini review 09421「扉をたたく人」
★★★★ 堅物で人生の目標も見失ってしまったようなウォルターが、偶然の出会いによって、自分の保守的なとじこもりの「殻」を解き放っていく物語であるといってもいいかもしれない。アメリカの初老の男、シリアのアメリカに希望を見出した母子、セネガルの娘…国籍を超えて、人は哀しみを共有できる。ラストシーン、ウォルターはひとり地下鉄のホームで力いっぱい、怒りと哀しみをぶつけるかのように「ジャンベ」を演奏し始める。ウォルターの姿は見えるが音は捨象されている。けれど僕たちの細胞にも、その音が響いてくる。
サーカスな日々
2009年11月27日

扉をたたく人 訪問者の条件
この映画の登場人物はすべてお互いにそれぞれの生活に入り込んだ訪問者という関係なのである。ウォルターにとっては、映画の冒頭に登場するピアノ教師も訪問者であったはずであるが、この場合は「真の訪問者」はなりえなかった。このピアノ教師の場合、タレク、ゼイナブ、モナたちとどこが違ったのか、そのことを考えてみると、この映画のねらいがおのずと判ってくるようだ。
映画と出会う・世界が変わる
2009年10月24日

扉をたたく人 この見事な映画術
104分。このほどほどの長さが、映画の持つ良さを観客が受け止めるに適している。実に巧く表現されており、職人的な巧さに驚く。心を閉ざし、生きがいを見失って漫然と生きている主人公の心境の変化、そんな主人公が決して音楽とは無縁ではないということ。ジャンベという楽器の出し方、「愛しい人」という意味の「ハビティ」の使い方、移民政策の欺瞞性、そして舞台が9.11以降であることの表現など、さりげないセリフと映像で見せる洗練された表現に感動する。登場人物には悪役がいない。ここは大いに注目すべき点。
映画と出会う・世界が変わる
2009年10月21日

「シリアの花嫁」と「扉をたたく人」のヒアム・アッバスは今年..
ヒアム・アッバスという女優は、もしかしたら今年最も印象に残る女優になるのかも知れない。[シリアの花嫁]の花嫁の姉、[扉をたたく人]のタレクの母親を演じて、どちらも圧倒的な印象を与えた。エキゾチックな風貌の中に強固な意志を感じさせ、同時に圧倒的な存在感でスクリーンを制圧する。[扉をたたく人]でも、この人が登場した途端にドラマの強さが更に高まったという感じである。ジム・ジャームッシュの新作[リミッツ・オブ・コントロール]にも出演。久々に次回作が楽しみな女優と出会った。
映画と出会う・世界が変わる
2009年10月20日

扉をたたく人 出会いを阻む国の仕組みの不健全さ
この「扉をたたく人」という題名は、作品のテーマにもつながっており、原題の「THE VISITOR」も見事に表現できている。人は人と出会うことによって変化し、成長する。人が豊かな人生を得るには良き訪問者が必要であるということをこの作品は実に説得力ある、しかも洗練された演出で描いている。そのような出会いを阻む国の仕組みがいかに不健全なものであるのかを政治的なメッセージなしに発信している優れた作品。9.11以降のアメリカを描いた作品であるが、日本に住む私たちにも必見の作品。
映画と出会う・世界が変わる
2009年10月18日

映画 【扉をたたく人】
★★★★ アメリカは9.11以降政府の方針が激変し、アラブ系住民に対する警戒心が強くなってしまいました。ウォルターが叫んでも、その声は空しく響くばかり。どうにもならない無力感に襲われてしまいます。タレクの母親との間に芽生えた感情もまた大きな変化でした。ほろ苦いラストなのですが、それだけに話が安っぽくならなかったし余韻を残したと思います。地下鉄のホームでのジャンベの演奏はウォルターの怒りや悲しみなど心の叫びが伝わってくるようでした。
ミチの雑記帳
2009年10月7日

*扉をたたく人*
4拍子と3拍子って、欧米とアフリカの文化の違いそのものであるのかも。ウォルターは見事にその壁を破り、アフリカの3拍子を取得した。歩み寄り、お互いの文化を尊敬しあえれば通じていくのに、後半のアメリカの態度はひどい。取り締まりたくなるのはわかるけれど、陽もささないような収監所に押し込めるなんて人権を無視している。映画ではそういうことを訴えつつも、ウォルターとタリクのホンモノの友情、タリクの母との特別な想いなども丁寧に描かれていて感動作となってました。
Cartouche
2009年8月5日

心の太鼓をたたくんだ! 「扉をたたく人」
素晴らしい映画だった。 中堅の俳優であったトーマス・マッカーシーは、 いい着想を得てシナリオを書き上げ、 監督した。 マッカーシーが主演に選んだジェンキンスは、 微妙な気持ちを映す表情が憎いばかり。 今さら自分などが褒めるまでもないが、 一人の冴えない男が あるとき、 ふと世界とつながり、 "クールな" 男として甦る。 ラストシーンがまたいいなあ、 シビレた〜。 音楽が代弁する何かがきちんとある映画はいい。
シネマ走り書き
2009年8月1日

「扉をたたく人」孤独というやっかいな隣人
★★★ その音楽に触れることで灰色のような生活が躍動し楽しそうな明るい色に変わっていく、彼の表情が変わる、融通が利かなそうに見えた彼もそうしか生きられないだけだった。ピアニストだった妻の面影は彼の生活にも影響を与え「孤独」を抱えていた彼は異国の友人の為に自分の全ての時間を費やすことになる。誰だって出来るならそんなふうに生きたい、しかし自分の幸福の足枷に阻まれて動けなくなってしまう。人は自分が思ったより寛容であると、そんなふうに思いたい。
soramove
2009年7月25日

扉をたたく人
★★★ リアルな今のアメリカの現状を見せ付けられる作品です。エンターテイメントな作品であれば、最後に釈放されてみんなで公園で楽しくジャンベなんでしょうけど、現実は無常にも強制送還。ラストの地下鉄構内で一心不乱にジャンベを叩き続けるウォルターには、アメリカ国家に対しての理不尽さを訴える何かが伝わってきますね。他民族国家のアメリカがそんなこっちゃじゃーもう行き場がないですよ。
メルブロ
2009年7月20日

☆扉をたたく人(2007)☆
★★★★ 余生を孤独に過ごしていた大学教授ウォルターとジャンベを教えたシリア生まれの青年タレクとの交流、心を開いていくウォルター。前半はコミカルなシーンも含めて、あたたかい物語で 「扉をたたく人」 のタイトル通り、予想できる内容で心地良かった。ところが後半は、そんな楽しくてあたたかいお話がガラリと変わり…現在のアメリカの移民政策が、融通が利かなくて厳しいものだと知って驚きました。ウォルターが駅の構内で、一心不乱に夢中でジャンベを打つ姿に、涙があふれてしまいました。
CinemaCollection
2009年7月14日

『扉をたたく人』 (2007)/アメリカ
★★★★★ どんな恋にだって終わりはあるから。自分で終わりを決めて、覚悟も決めて、振り切るように歩いて行って。それを見下す星条旗の冷たさも印象的でした。何かを吹っ切って、本当に自分に必要な行き方が見えてきた。ラストシーンのウォルターは「胆をくくった」んでしょうね。一心不乱にジャンベに想いを込めている彼の表情は、とても迫力がありましたし、それが今回のオスカーノミネートにもつながったんだと感じました。本当にいい作品でした。
NiceOne!!
2009年7月3日

扉をたたく人
★★★ 不法滞在が犯罪なのはルールです。多くの人々が幸せに暮らすために無数にあるルールの中の一つで、それを個別の人間の善悪でまげて良いとは思えません。しかし。感情的な部分では納得できない自分がいるのも事実なんです。タレクがいることで誰かが不幸になるのか?と。ラストシーン、タレクがふと漏らした希望を代わりに叶えてあげると同時に、怒りを叩きつけるようにジャンベを叩くウォルターが悲しかったです。
LOVE Cinemas 調布
2009年7月2日

映画『扉をたたく人』を観た感想
★★★★★ 人と関わることが大嫌いな老教授が、偶然の出会いから変わっていく姿がとても自然だった。タレクという青年が実にいい。人種も世代も職業も一切気にせず、人と気軽にコミュニケーションが取れる。この作品は常にくすっと笑わせるユーモアを忘れない。物語全体がタレクのキャラクターみたいだった。ラストはちょっとこれでいいのー?って思ったけど、ここから先は観た私たちに委ねられているのかな。
映画初日鑑賞妻
2009年6月28日


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