つぐない:作品を観た感想(14)

つぐない　　　歌うﾀｲﾌﾟﾗｲﾀｰ
多くを犠牲にして成立した嘘｡切っ掛けとなったのは噴水の前の二人､図書室の二人｡少女の目撃した二つの光景が彼女を愚行に走らせた｡それは嫉妬だろう｡敬愛する姉を奪うﾛﾋﾞｰにか？初恋の君を奪ったｾｼｰﾘｱにか？自分の与り知らぬところで大人の世界に遊ぶ二人にか？嫉妬の感情を爆発させた少女は周囲の人間を呪い､世界を呪った｡生贄の羊はﾛﾋﾞｰである｡くだらない感情の発露が大事な人たちを不幸に陥れた｡己の醜さが本当に美しいものを壊してしまった｡
MESCALINE DRIVE
2011年9月27日

【DVD】つぐない
★★★★ ｢物語の中ではせめて二人を合わせようと思った｣ 劇中ﾌﾞﾗｲｵﾆｰはそれが当たり前の事のように語るが…この映画が語りたかったのはむしろその裏側の部分だと思っている｡つまり｢ﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞは本の中だけで事実はもっと悲劇的｣とはっきり明言している｡そして自分のｴｺﾞの為に事実を捻じ曲げてしまいましたと告白しているところ｡それは物語をしてしたためた事が｢つぐない｣なのではなくて､後に語る方が本当の｢つぐない｣だということ｡この映画､なかなかに深い｡
新！やさぐれ日記
2009年6月24日

【映画感想】つぐない（ｷｰﾗ･ﾅｲﾄﾚｲ）[2009-017]
少女のちょっとした嫉妬から､愛する男女が引き裂かれ､少女はそのことを一生後悔し続ける｡そんな映画ですよね？というかそれ以上のこと全く無いですよね？引き裂かれた男女のその後がそれほど苦難の連続だったかといえばそんなでも無いし､少女が後悔の念でその後の一生を台無しにしたかといえばそんなこともない｡私には｢何が言いたいの？｣といった不満しか残らなかったです｡
映画＋小説＋家族＝ＭｙＬｉｆｅ
2009年2月16日

mini　review　08355｢つぐない｣
★★★★ ある意味ｱﾌﾟﾚｹﾞｰﾙ的な反抗的で自尊心の高いｾｼｰﾘｱが､ﾌﾞﾗｲｵﾆｰの｢嘘｣のために､ﾛﾋﾞｰ･ﾀｰﾅｰを獄中に､そしてその後は苛酷な戦場に送り込むようになってから､旧家のお嬢様という位置を遠く離れて､献身的に愛情を注ぎ､ひたすら恋人の帰還を待っている悲劇の女性を貫き通す役柄のｷｰﾗ･ﾅｲﾄﾚｲを情感深く描いている｡本当の主役はﾌﾞﾗｲｵﾆｰにあるとしても｡｢感情の長くて興味深い旅路｣の終着点の描き方も見事なものである｡
ｻｰｶｽな日々
2009年2月15日

｢つぐない｣
予告を観て､これすっごく苦手そう…と思っていました｡なるほどﾌﾞﾗｲｵﾆｰが悪意を持ってしたんじゃないって解りました！この年代の少女の潔癖な部分､ちょっとしたことから彼女がﾛﾋﾞｰに対して感情が入れ替わってしまうことも納得できました｡大人になったﾌﾞﾗｲｵﾆｰが自分がしたことの大きさに気付き､何とか償いたいと思う様子､とても痛々しかった｡ﾗｽﾄはあまりにも切なくてｼｮｯｸでした｡
日々のつぶやき
2009年1月24日

｢つぐない｣
過去のﾀﾘｽ家と戦時下､そして現在という３部構成｡少女暴行事件後､ｷｰﾗの脱力感やｱﾝﾆｭｲが上手に演技されていて感心する｡現代英国のﾃﾚﾋﾞ局｡老年を迎えた女流作家ﾌﾞﾗｲｵﾆｰは､最近出版した小説｢償(つぐな)い｣で局関係者からｲﾝﾀﾋﾞｭｰを受け､真情を告白する｡3人目のﾌﾞﾗｲｵﾆｰ役で往年の名女優､ｳﾞｧﾈｯｻ･ﾚｯﾄﾞｸﾞﾚｰﾌﾞの真情吐露を見ていると涙がとまらず仕方がなかった｡
ｼﾈﾏ･ﾜﾝﾀﾞｰﾗﾝﾄﾞ
2008年12月1日

歌うﾀｲﾌﾟﾗｲﾀｰ
多くを犠牲にして成立した嘘｡切っ掛けとなったのは噴水の前の二人､図書室の二人｡少女の目撃した二つの光景が彼女を愚行に走らせた｡それは嫉妬だろう｡敬愛する姉を奪うﾛﾋﾞｰにか？初恋の君を奪ったｾｼｰﾘｱにか？自分の与り知らぬところで大人の世界に遊ぶ二人にか？嫉妬の感情を爆発させた少女は周囲の人間を呪い､世界を呪った｡生贄の羊はﾛﾋﾞｰである｡くだらない感情の発露が大事な人たちを不幸に陥れた｡
MESCALINE DRIVE
2008年11月16日

つぐない
三方一両損どころが三方すっからかんぐらいの誰も救われない結果が悲しい｡一つの嘘が取り返しのつかない結果になるなんてせつない気持ちになる｡主人公の少女時代の子が可愛らしかっただけに､18歳になった少女は､他に候補者いなかったのかと思うぐらい劣化してたのには萎えた｡
だらだら無気力ﾌﾞﾛｸﾞ
2008年8月30日

つぐない□年代記的｢羅生門｣
映画を見た後､原作を読んでみたいと思った｡成長したﾌﾞﾗｲｵﾆｰが述べたことは､どこまでが真実なのだろうか？彼女自身､あの時点で既に記憶があいまいになってきており｢このようであったら良い｣とか｢こうであって欲しい｣という願望が自然と反映したものが､あの｢告白｣ではなかったのか｡映画には､それぞれの年代のﾌﾞﾗｲｵﾆｰが見た事実､ｾｼｰﾘｱとﾛﾋﾞｰが体験した事実が､それぞれに異なるではなかろうか｡この"つぐない"は大河ﾄﾞﾗﾏの形式で描いた"羅生門"ではなかろうか｡
映画と出会う･世界が変わる
2008年8月8日

『つぐない』
その構成の緻密さ､文学性の高さゆえ映像化は困難と言われた大河小説を､見事にﾌｨﾙﾑに焼き付けたのは､前作『ﾌﾟﾗｲﾄﾞと偏見』でｼﾞｪｰﾝ･ｵｰｽﾃｨﾝの世界を再現した実績を持つ俊英ｼﾞｮｰ･ﾗｲﾄ監督｡ｱｶﾃﾞﾐｰ賞を始め数多くの映画賞受賞歴を持つ一流の精鋭ｽﾀｯﾌと共に､新たなﾗﾌﾞ･ｽﾄｰﾘｰのｴｳﾞｧｰｸﾞﾘｰﾝを作り上げた｡またひとつ､語り継がれていく､永遠の恋人たちの物語の誕生｡
ｼﾈﾏのある生活とｳﾀﾞｳﾀﾞな日々
2008年7月4日

『つぐない』　＠ｼｬﾝﾃｼﾈ
もうね､全体的にすっごい暗いんですよ｡そして悲劇のお話なのでかなり切ないんです｡でもすごくよかった｡こういう映画かなり好きです｡この映画､予告を観ていた時から音楽や映像がすごく印象的だったのですが､観終わった後もそれは変わらず､ｽﾄｰﾘｰや役者さんの演技も素晴らしかったですが､構成や音楽､映像などどれをとっても完成度が高かったように思います｡
映画な日々｡読書な日々｡
2008年5月17日

【2008-110】つぐない
引き裂かれた二人､戦争による悲恋､罪を背負った妹｡ﾗｽﾄで｢つぐない＝贖罪｣の意味が明らかになるが､個人的には『それでいいのか？』『自己満足ではないのか』と･･･時より使われているﾀｲﾌﾟﾗｲﾀｰ音､幼少期のﾌﾞﾗｲｵﾆｰ役のｼｱｰｼｬ･ﾛｰﾅﾝの演技､戦争による負傷兵の生々しい映像は重く後に残ります｡
ﾀﾞﾃﾞｨｬｰﾅｻﾞﾝ！ﾅｽﾞｪﾐﾃﾞﾙﾝ...
2008年5月14日

『つぐない』
戦時下の男女やその周りの人々が直面する苦難や数奇なｽﾄｰﾘｰというのは､その設定だけでも十二分に心惹かれるわけですが､そこにまたﾋﾄﾂ名作が加わったという感じﾃﾞｽ｡涙､涙｡記憶に残る映画｡
trashnote
2008年4月21日

つぐない
確かに映画としての完成度の高さは際立ったものがある本作だが､その一方で観終わった後に疑問も残る｡それは果たしてこの作品が｢つぐない(贖罪)｣と呼ぶに値するのだろうか？という素朴な疑問だ｡稀に見るほど精緻精妙な映画､映画らしい映画であることは間違いないのだが､これほどﾃｰﾏが心に響いてこない作品というのも極めて珍しい｡
I N T R O
2008年4月17日


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