雪の轍:作品を観た感想(8)
雪の轍
本作はトルコの世界遺産、カッパドキアが舞台。カッパドキアの風景の変化が作品に深い味わいをもたらしてくれる。特に雪で覆われた岩石遺跡群の風景が、心に深く沁み込んでくる。196分という長尺で不安もありましたが、実に(精神的に)スリリングな作品であった。鬱屈した見事な会話劇だった。カッパドキアの自然の美しさが、人間の重苦しい感情とは対照的に感じられた。
いやいやえん
2016年2月20日
『雪の轍』をギンレイホールで観て(ネタバレ気味)
主人公は温厚でそこそこの生活をしている金持ちだけど満たされない人間という事で、映画の冒頭で自己同一化しようと試みてみる。他に自己同一化できるキャラも現れず、彼視点でこの映画を見続ける事になるのだが、徐々に徐々にこの主人公の嫌な部分が浮かび上がってきて、それがありがちな人間の弱点で自分にも備わっていたりするので、どうにもやりきれなくて見終わって疲れてしまった。
ふじき78の死屍累々映画日記
2015年12月18日
「雪の轍」:人間なんて・・・
3時間16分ということとカンヌのパルムドール受賞作ってことで、身構えちゃうような作品です。でも、さすがというべきかぐいぐい来る作品の力があるので、長い会話シーンの連続であっても、全く退屈することはありませんでした。役者たちも見事です。カッパドキアの奇岩住宅の光景の面白さ。
大江戸時夫の東京温度
2015年7月26日
雪の轍・・・・・評価額1700円/昔々、アナトリアで・・・・・評価額1600円
★★★★ 「雪の轍」の原題は「Kış Uykusu(冬の眠り)」である。ちょっと残念に感じたのは、極めて完成度が高く作家としての円熟を感じさせる「雪の轍」を、唐突にナレーションで落としていること。ジェイランの作品はなにげに画力が凄い。
ノラネコの呑んで観るシネマ
2015年7月17日
雪の轍
★★★★ 秋から雪の舞う冬のカッパドキアを背景に展開され、特にこれという出来事は何も起こらないながらも、長尺を全く意識させないとても締まった感じの秀作となっています。本作に登場する人物は、誰一人他の人に対して優位性を持たず、皆このゴタゴタした人間世界に絡め取られているように見え、お互いに議論すればするほど混迷を深めていく感じがして、それが雪の降る冬のカッパドキアの風景の中で描き出されると、リアルさを一層増すように思われます。
映画的・絵画的・音楽的
2015年7月17日
『雪の轍』 改心すれば風景すら一変して見えてくる
投石事件をきっかけにして起きる、長い長い会話劇である。上映時間は196分という長尺で、その大部分が登場人物たちの会話で占められている。とにかくなぜか惹きこまれてしまうのだ。映像と音が見事にマッチした、詩情溢れる場面だったと思う。ふたりが再会するとき、ホテルは一面の雪に覆われ、それまでの風景とは違う幻想的な姿を見せていてとても美しい。
映画批評的妄想覚え書き/日々是口実
2015年6月30日
雪の轍
★★★ 超絶圧倒される。みどころはふたつ。一つ目は舞台となるカッパドギアの風物。なかでも、アイドゥンと妹のニクラが延々と議論?をくりひろげる場面はすごい。3時間越えはちょっとつらいが、それだけの価値のある映画だと思う。
あーうぃ だにぇっと
2015年6月29日
レビュー:『雪の轍』 (ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督)
より奥行があり、アイドゥン以外の登場人物にも感情移入しやすいドラマとなった。これがヌリ・ビルゲ・ジェイランの本作における巧さだ。劇中を通じて繰り返し流されるシューベルトの「ピアノソナタ第20番」も、その物悲しい旋律で、ストーリーと画面構成に込められた、憂鬱、悲しみ、気品を存分に引き出し、鑑賞者の心に染み渡らせる。本作は一瞬一瞬が美しく、重く、切ない。人と人が理解し合うこと、赦し合うこと、失われた愛を取り戻すことの困難が、真摯に描かれている。深みのあるドラマを愛する人々にとっては、忘れ難い作品になるだろう。トルコが生んだ才能から、今後も目が離せない。
INTRO
2015年6月6日
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