鍵 THE KEY (’97年製作):作品を観た感想(1)

鍵 THE KEY(1997)
★★ 花街のような赤を多用する映像は典雅だが、若さの欠落を隠す赤。宗一郎にとっての木村という存在は観念的な回春剤であるとともに、失ってしまった自分の若さ以外何物でもない。というか日記をわざと妻に見させるという計略自体、木村の若さに圧倒されての負け戦覚悟のインテリとしての最後の抵抗だったのだろう。そこには芸術の若さへの敗北というテーマがのしかかっている。家には実は財産すら借金で負債が多くなっており、遺産も、思い出も愛情も悲しみもなくなっている。ラストの赤い夾竹桃は既に盛りを終えてしぼもうとしている。
佐藤秀の徒然幻視録
2011年4月19日

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