パンドラの匣:作品を観た感想(11)

原作以上に太宰治的 映画「パンドラの匣」
舞台となる“健康道場”のレトロで牧歌的な描写を堪能。太宰治作品らしからぬ前向きでほのぼのとした原作なのに、原作以上に太宰治ワールドに近い味付けになっていました。神出鬼没に現れる郵便配達夫(尾本貴史)がいい。ユーモラスな演出かと思うのですが、マイナス思考の私としては、何か“死神”を連想して怖いという面も。私としては、原作と比較しながら楽しむことをお勧めします。
少年少女・ネタバレ談話室
2015年10月29日

『パンドラの匣』'09・日
川上未映子の本は読んだ事はないけど、彼女の顔は結構好きだったので贔屓目も否定できないが、確かに賞を獲ったのも頷ける存在感だった。そして、彼女共に、とても魅力的だったのが仲里依紗。文学男子向けの作品ではありますが、主人公の染谷将太や窪塚洋介も出てるので、イケメン好きな方もそれなりに楽しめると思います。死と隣り合わせな世界を描きながらもあまり悲壮感を感じない所が良かったが、これは賛否両論ある部分かな。結構長い事生きてきたけど、金歯が可愛い事を初めて知ったわ(笑)。
虎党 団塊ジュニアの日常
2011年6月12日

パンドラの匣
この「パンドラの匣」は、太宰作品の中では明るい感じを受ける作風なのに 映画はなんともくら〜〜〜い感じに仕上がってます。まず、原作を変えてしまっている事‥。台詞やキャラクターは何となく原作っぽいのに、ストーリーが…。療養所での人間関係や"ひばり"が見た様々な出来事を"つくし"への手紙を書くという行為で淡々と語っているわけなのだけど、何となく変わってしまっている。本で読むより難解な分かりにくい作品。「伸びて行く方向に陽(ひ)が当るようです。」 ラストの明るさと前向きな太宰作品なのに勿体ない…。
ひばなのシネマの天地
2010年8月29日

『パンドラの匣』
じゃれあうコトの楽しさと裏腹の、真剣であることの空しさが、ノスタルジックに詰め込まれている、瑞々しいファンタジー。健康道場と言う名の、林間学校みたいな世界があって、そこは妄想と現実が振り子のように左右に揺れながら、命という厄介なもののバランスを保っている。時間は確かに流れていて、逝く人も来る人も、確かに「時」の産物なんだけれど、やっぱり、そこはパンドラの匣そのもののように私には感じられました。
よーじっくのここちいい空間
2010年1月9日

パンドラの匣
結核療養所という閉塞的な場所が舞台で、出てくる人物も限られてる、そして同じような事を繰り返す日々。そんな生活を先に退院したつくしへの手紙という形であらわしているのが面白い。つくしが遊び来て越後獅子が有名な詩人であると教えてもらった時、みんなが越後さんの作詞した歌を放送で流しながら歌ってるシーンが一番好きでした。当時の結核はきっと不治の病かそれに近いものだったんでしょうが、この映画の中ではそういう悲壮感が現れていないのがまたいいですね。ますます太宰作品に興味が湧きました。
Diarydiary!
2010年1月5日

映画『パンドラの匣』
太宰治原作の映画化。当時の青春ってこんな感じなのかなぁ?自分にはちょっと合わなかったです。結核ってこういう風に治療したんですね・・・。
単館系
2009年12月23日

「パンドラの匣」気がつけば、新しい男に生まれ変わったのだ
★★★ この映画は太宰の小説をほぼ忠実に描きながらも、小説の持つ自虐的な笑いをさそうようなものとはかなり違ったテイストの仕上がりとなって、どこか詩的ですべてが夢の中の出来事のようでもあった。自分たちには分からない、戦中戦後を生きた男たちの心の奥底の気持ち、それを軽く笑い飛ばすような、軽妙さを装いながらも実は叫びたかったんじゃないかな、生きていてゴメンと。結核で血を吐きながらも明日へのかすかな希望を見出す日々は、その後の平和な世界をぼんやりと予想させてくれる。
soramove
2009年12月2日

『パンドラの匣』(2009)/日本
★★★★ この映画は女性たちに引っ張られているようにも見えるけど、登場人物の数の上では男性の方が圧倒的に多く、1人1人個性的に仕上げている。原作とはベースになっている設定が多少異なっていて、ラストなどはかなりいじっているけど、それもありかもしれないと思わせるのは、窪塚洋介の魅力だからなのだろう。そして主人公の「ひばり」。染谷くんはどことなく頼りなさ気に感じてしまうが、内面の成長が伴っていて、語り部としてはよかったように思う。いい意味で映画への改編が成功している。
NiceOne!!
2009年11月3日

パンドラの匣 (2009)
★★★★ 面白い!!太宰治のどこか物事を斜に構えて見てるそんな表現が映像になるとこんなに面白くなるとは…舞台は結核療養所内での話。どれだけ前向きで明るい感じでも"死"は常に付きまといそれは描かれていています。しかし役者陣は良いですなぁ〜。作家の川上未映子、口調とたたずまいがすばらしい。それになんと言っても仲里依紗!今回は彼女の魅力満載でした。[ヴィヨンの妻]とは全く作風が違うんですが、これも観る文学という感じで非常にとっつき易く、かなり良質な作品になってました。
肩ログ
2009年10月17日

パンドラの匣
★★★★ 登場するキャラクターたちのユニークな性格付けや、何やら巧妙なセリフ回しとその響きが心地よくユーモラスで、とっつき易い作品でした。それにしても川上未映子は映画初出演とは思えない表現力。一流の作家は役をきちんと押さえているということなのでしょうか。しかも美人。仲里依紗は元気で笑顔が可愛いマア坊にぴったり。結核という死が身近な青年の話は、本来ならモノクロ映画なイメージですが、最新のデジタル映画の如く鮮やかで色彩豊かな人間描写を見せてくれる作品。
LOVE Cinemas 調布
2009年10月13日

試写会「パンドラの匣」
太宰治の原作で終戦直後の結核療養所での物語なんだけど、あまり太宰治らしくないといえばらしくない青春映画のような感じでした。「やっとるか?」「やっとるぞ!」「がんばれよ!」「よしきた!!」という掛け合いのセリフがイケてます。役者さんでは、竹さん役の川上未映子さんが良かったですね。この人、歌手でスタートしながら作家に転身して芥川賞獲っちゃったという多才な人。映画初出演。美人ということではないけど、なんか雰囲気があります。
流れ流れて八丈島
2009年10月1日


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