ジェリーフィッシュ:作品を観た感想(4)
『ジェリーフィッシュ』
やさしい映画に出会えた。なんだかとても、やわらかい。果たされなかった両親との約束。買ってもらえなかったアイスキャンデー。1枚だけ貼られた写真アルバムの中で再会した記憶。浮き輪を失い溺れかけた少女の自分を助けたことで、バティアはようやく過去から繋がるひとりの人間としての人格を統合した。やっと完全なバティアになれたのだ。誰かの死の側で人は日常を生きている。誰もが誰かを母に持ち、誰もが誰かを父に持つ。過去と現在のはざまに揺れる幻想のような心象風景は、過去から未来を繋ぐために用意された舞台の一幕。
シネマな時間に考察を。
2010年8月12日
アイスキャンディー
奇妙な味わいの作品だった。時おり、ハッとさせられる映像の美しさに驚かされた。それらは、静かにゆったりとしたテンポで進む物語における、アクセントとなっていた。海辺の街。年齢も立場も異なる3人のヒロインが、自分を取り巻く状況に、それこそクラゲのように翻弄される。行く先の指標も見えない大海原。3人のヒロインはそれぞれ溺死のイメージから抜け出してゆく。岸に上がればアイスキャンディー売りが待っている。遠い日の約束は果たされるのだ。
MESCALINE DRIVE
2009年6月5日
『ジェリーフィッシュ』'07・イスラエル・仏
見終わって、やっぱりカンヌで賞を獲った映画やな〜と感じた。良い意味じゃなくて…。最初の方は、ユーモアを交えながらプチ不幸な人々を描いたマトモな群像劇でした。が、中盤から、シュールな世界に突入していく。。。いつも側にいない娘より、言葉は通じなくてもいつも側にいるホームヘルパーの方が強い絆で結ばれた訳やね。浮き輪に触ると絶叫(笑)する女の子は5歳のバティアって事か?
虎党 団塊ジュニァの日常
2009年4月15日
薔薇色の人生 「ジェリーフィッシュ」
いわゆる、 やさしい映画。 人生に不器用な人たちが交錯するテレアビブ。 子供の頃の自分を撮った8ミリフィルム、 浜辺のアイス売りおじさん、 ビニールの浮き輪、 帆船の模型…懐かしアイテムを散りばめながら、 料理もケーキも同じで新郎新婦が変わるだけのウェディングを風刺し、 そしてホテルのスイートに一人で泊まる謎の女性といったサスペンススパイスをひと振り。 それらすべてを包む曲は、 かの"ラ・ヴィ・アン・ローズ薔薇色の人生"
シネマ走り書き
2009年2月16日
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