さすらい :作品を観た感想(1)

『さすらい』
石を投げる、という動きがいくつか出てくる。まんまるではないけれどおよそ丸いといえる石を投げることによって作られる、見えない放物線。この線の移動は短い。石が地面に落ちればそこで止まる。だから、妻に死なれた男も、意に反して移動を止められ静かに怒りをぶつけるブルーノも、駅にある全ての文字を書きとめる少年に出会ったランダーも、石を投げるのは1回でやめない。2回、3回と投げている。少しでもその線の運動をつなげようとしているようにしか私には思えてならない。
シネマな時間に考察を。
2010年3月22日

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