パレード:作品を観た感想(22)
【パレード】 ラスプーチンはお見通し
私はこの映画を採点しろと言われたら、素晴らしい高得点を付けると思うのです。それは、ラスト30分の衝撃がハンパないから。ラストのワンカットは、ステンドグラスのように美しい。役者さんたちが、みんな美しいから、なおさら美しい。とくに、林遣都くんの絵のような表情に…ぞっとする。虚構の世界は、窓枠の中のワンカットに閉じ込められた。 衝撃のシーンから、最後のカットに至るまでの流れには鳥肌が立つ。そこから続く、抑揚のないメロディのエンディング。ただ、ジッとエンドロールを見つめる事しかできない。
映画@見取り八段
2011年10月21日
【映画】パレード
何が恐ろしいかって、お互い深い付き合いを避けているからこそ、輪を乱す事は許さんぞ、という事が隠されているんですよ。突然転がり込んできたサトルが、輪を少し乱していきます。「驚愕のラスト!」「まさかあの人が…!?」みたいに言われてましたが、私の中の法則では間違いなくあの人が…で、その通りだったので、ちっともビックリしませんでした。現代社会だからこそ、恐ろしく感じるリアル。こうなりたくはない、と思っても、実際多くの人が似たような生活を送っているのかな…。
☆紅茶屋ロンド☆
2011年1月23日
パレード (2010)
★★★ ポップな感じで作られていて結構軽い気持ちで見れます。なにかしら心の闇を抱えている4人+1人ですがそんな重々しくは描かれてはいません。というかそんなに響いてはこないんだよなぁ。勝手に塞ぎこんで一人の世界を作ってしまっている。そして誰にも言えずに爆発…。この作品で面白かったのはラストシーンの4人の目ですかね。よく知りもしない他人と一緒に暮らす。はて?友達とはなんでしょか?後からジワジワモヤモヤ湧いてくる気持ち悪さが良い感じです(笑) もっと衝撃があるかと思いましたが意外に普通…。このキレの悪さが"今風"です。
肩ログ
2010年12月29日
パレード
★★★ 吉田修一氏の作品も行定勲監督の作品も、実はあまり好きではないのですよね^^; でもこれはなかなか面白かったです。怖〜いラストなのですが、ちょっと唐突過ぎな気がします。原作は未読なのでわかりませんが、それでも達者な人たちが演じてるので見ごたえはあります。彼らはこれからも同じ生活を続けるのでしょうか? あれこれ言うのを楽しむ映画でもあるかもしれません。
映画、言いたい放題!
2010年11月12日
『パレード』 『悪人』 ラストの秘密
数人の若者たちが登場します。一緒に暮らしているにもかかわらず、お互いを全人的に理解しているわけではありません。お互いが見ている/見せているほんの一面から、その人間のイメージを作り上げ、イメージを壊さないように各人が役割を演じています。周囲の者は本人のイメージから外れるところには踏み込まないよう心がけなくてはなりません。打ち明け話をされているのに寝たフリして聞かなかったり、その人のイメージに合わない物は周囲の者が壊してしまう、といったシークエンスがあります。こうして各人のイメージを維持することで、社会を保っているのです。
映画のブログ
2010年10月14日
何通りもの宇宙.. 「パレード」
原作を知ってるわけでもないのに、見始めてしばらくすると結末というか犯人?がわかってしまった。サスペンス作品としては致命的かもしれない^^; 文学的な部分はどうかというと"マルチバース"という言葉が出てきたな。"ユニバース"が唯一の宇宙なら、何通りもの宇宙ということらしい。共同生活を描くこととは逆説的に'みんな'というのは虚構に過ぎず、自分にとってのある人は他の人にとっては全く別の誰かである‥。こういうタイプの作品が比較的好意的に受け入れられるのが、今の日本だという気がして息苦しさを覚える。
シネマ走り書き
2010年10月12日
パレード
ごくごく普通の若者たち…。その誰かに見ている観客は感情移入して行ける。こんなに日常を切り取った雰囲気の映画って中々なかった。このままなら普通…だけど"サトル"が現れてから4人の本当の姿が見えてくる。"俺の知ってるサトルとお前の知ってるサトルは同じじゃない。だからみんなが知ってるサトルは存在しないんだよ!" この台詞衝撃的でした。信じているものが一瞬にして消えていく、、恐ろしい〜。ラストへの展開は人とのつながりや、暖かい人間らしさみたいなものまでも凍らせていくようで空恐ろしい…。へたなホラーより怖いかもしれない作品でした。
ひばなのシネマの天地
2010年10月10日
『パレード』 (2010)
登場人物たちが、お互いを傍観者という立場を守って接する以上に、監督は彼らの内側に切り込もうとはしない。それぞれにそれなりのエピソードも登場するけれど、わかったフリなんて出来ないレベル。でもなんとなくわかる気がする、という関係がこの作品のなんとなく微妙な良さなんだろうなあ。「チャット」「掲示板」という言葉が出てきて彼らの状況を説明してくれるけれど、それこそ勘違いしているのは誰なんだろう?と思ってしまった。薄っぺらな解釈も、きっと原作が発表された頃の認識だったような気がする。もう、時代とすれ違っている気がする。
よーじっくのここちいい空間
2010年4月12日
『パレード』
現代を生きる都会の若者たちに巣くう"透明"すぎる闇。一見ありふれた日常、楽しい時間、気楽な関係が引き起こす、得体の知れない"モンスター"がそこに居る。原作も知らず全く予備知識なしで観た映画だったため、なんの予感も持たずにただ彼らの怠惰に流れる日常を、時にくすりとした笑いすら添えながら迎えた結末だった。それゆえ心に突然どん、とくるものをはっきりと感じたし、エンドロールを眺めながら寒気に似た感覚にさーっと小さく総毛だつのも感じた。心でぽつりと呟いた。うん、怖いよね、と。
シネマな時間に考察を。
2010年3月19日
パレード
★★★★ 行定監督による前作[今度は愛妻家]が素晴らしかったので期待。大変素晴らしい出来栄えで、この映画で描き出されるマンションの一室は、リラックスできて、心からゆったりとできる居場所が描かれているところ。そこは決して何の制約もなしに過ごせる場所ではなく、それを維持するために暗黙のルールが設けられていることが映画で実に巧みに描き出されていると思いました。
映画的・絵画的・音楽的
2010年3月14日
「パレード」
各々が中心となるエピソードではその人物を理解できるのだが、他人が中心になるエピソードで脇に回ると妙に白々しく見えてくるのが面白い。この作品は極めて日常的なところから、ほんのちょっとずれたところに面白さや気味の悪さを見出そうとしており、行定監督が創りたくて創った過去の作品と共通点も多いことから、彼の作家性の本質はこの[パレード]のような作品群にあるということなのだろう。万人に受け入れられる作品とは言えないものの、観る人が観れば面白いと感じられる映画になっていると思う。
古今東西座
2010年3月10日
『パレード』 試写会鑑賞
★★★ 彼らがどういうきっかけでこの生活を始めたのかはわからない。どういう繋がりがあったのかもわからない。でもそこを描写しないことが逆にリアルに感じました。共同生活のゆっくりした平和な日常。その平和さが最後には恐怖にすら感じる。殺人は怖い。だけど、それ以上に何を考えているのかわからない人の心の方が怖いようにも思えてしまいました。わりと淡々と進む中でも見ごたえはあったのですが、一人一人の歪んだ人格、背景がちょっとわかりにくかったかな。でもこの映画、笑いと恐怖の取り入れ方が絶妙でした。ラストはかなり印象的。
映画な日々。読書な日々。
2010年3月2日
パレード
このルームメートたちの共同体が成立しているのはそれぞれの"秘密"の共有。通常の世間では相手の秘密を知ることは、相手の弱味に付け込んで相手をコントロールすることになりがちだが、彼らは"秘密"を知ることで逆に相手に優しく振舞う。それは、ある意味、反社会性を帯びることにもなるのだが。サトルがなぜ「大丈夫ですよ。どうせみんな知っているでしょうから」と言うのがこれで了解される。ラストはその"秘密"共有の完成儀式のようなものだ。ちょっと長すぎる沈黙で終わるが、その後の台詞を推測すれば…「行くよ」だろうか。
佐藤秀の徒然幻視録
2010年3月2日
「パレード」小説と同じタイトルの映画的な意味が見えない
★★★ どこか印象的なシーンが見たかった、どれもサラリとし過ぎていてどうにもこちらの胸に届かない。彼らはどこへ向かってパレードしていたのか、というかパレード自体したようにも思えない。設定も主演陣も面白そうだっただけに出来上がりはフツーだった。でもこのフツーな感じが今のムードなのかなどと深読みもしたくなる。やはり原作が特に強いメッセージを分かりやすく書いたものではないので、それを映像するなら映画として主張することを明確にすべきだったと感じた。藤原竜也、熱演してるんだけどこの映画はちょっと方向が違うと思った。
soramove
2010年3月1日
『パレード』
日常の連続の不確かな"確からしさ"を舞台の肌ざわりで探る、行定監督による傑作群像劇。エンディングでキャストに拍手を送りたくたくなる作品です。藤原竜也−。時間を増すごとに存在感が際立っていくのはさすがだ。またこの映画が、舞台劇のような独特の緊張感を醸しているのは彼によるところが大きいだろう。5人の中で一番際立っているのは小窪サトル役の、林遣都。彼はスゴい役者になると思う。「今回は、キャスティングそのものが演出かもしれない。"この人だからこそ"というところは大きかったと思いますね」・・監督はそう語っている。
ketchup 36oz. on the table
2010年2月28日
「パレード」
★★★★ 人間関係とは何か、人の繋がりとは、そして、人間の心の内に隠された闇を、人はどうコントロールしながら生きて行くのだろうか…。さまざまな事を考えさせてくれる、これは問題作である。怖いと評判の原作では、5人の登場人物ごとに章を立て、それぞれが1人称で心の内面を語るのだが、映画は同じように章立てながら、客観的に若者たちを観察するかのように描く。小説と違って、心の中が見えないだけに余計怖い。原作の意図を的確に掌握し、それを映画的に巧みに再構成した脚本(も行定勲)、演出が見事。
お楽しみはココからだ
2010年2月27日
パレード
★★★ なんだろなぁ〜これって、言いたいことはわかるんだけど。行定監督の"モラトリアム三部作"の完結編となるらしいんですけど、"モラトリアム"て何? 結局さ、人間って本当の姿なんて誰にも分からないし、誰もが本性は理性で隠して生きてるもんじゃない? 他人との距離感を微妙なバランスで保ってて。いつもどっか歪んでるみたいな日常。だからさ、上辺だけでもいいんじゃないの。そのほうが万事上手くいくと思うの。最後にある意味で立場が逆転してしまうオチが何とも恐ろしい。。
映画道
2010年2月25日
【パレード】
面白かったです!!前半はユルユルとした20代の男女の穏やかな生活がとっても心地よくて、こんな風に暮らすなら共同生活も悪くないかも、、なんてワクワク見ていました。近所で起こる連続事件が不穏な陰を落とす。ユルユルとした日常に、ふとした瞬間ピリっと効いて何か落ち着かないドキドキした気持ちにさせられます。後半は、今までこういう人だと思っていた人の違った面が見える。なんだか…変な方向に…5人の俳優陣がいい。最高です。ラストの衝撃的な表情!あまりにも・・表現できないような感覚のまま目が醒めたような感じです。堪能しました!!
日々のつぶやき
2010年2月24日
パレード
2LDKの新婚カップル用マンションにルームシェアで暮らしている男女4人。直輝(藤原竜也)・未来(香里奈)・琴美(貫地谷しほり)・良介(小出恵介)。ある日、サトル(林遣都)が部屋に現れます。無邪気な笑顔で人の心にするりと入ってくる彼の存在は次第に彼ら4人の心を少しずつ変えていきます。彼らが次第に見せたダークな面にドキドキしながら、その闇の深さにぞっとしました。上辺だけの会話がこんな結果に繋がるのか改めて思うのと同時にこの居心地の良い空間はいつまでも保たれるのかなあと考えてしまった1本です。
とりあえず、コメントです
2010年2月22日
*パレード*
目に見えない恐怖を感じる作品でした。ちょっとマイナーっぽい作りだし結論もひとひねりしてあるので万人向けとはいえませんが、見ごたえあり。すこしづつ明らかになっていく彼らひとりひとりのちょっとだけ変なところ。そしてある日現れた金髪でナイーヴな顔立ちをしたサトル。ここに来て明かなのはそれが少しづつ変わってきて、加速してること。ラストの犯人の涙の意味。これを取り違えると映画自体が全然別モノになってしまうと思うけれど私が感じたのは"彼こそが一番真っ当な感情を持っていた"ということでした。
Cartouche
2010年2月22日
パレード
これは面白かった。そしてラストが意味深だな。このラストは好きだ。共同生活している4人は一見仲が良く見えるのだが、それは表面的なものだけで、誰もある一定以上相手と人間関係を強くしようともしないし詮索しないあたり、最近ありがちな人間関係をうまく描いていたと思う。それと5人の演技とか雰囲気がすばらしく見応えある内容でした。劇中で、藤原竜也演じる直輝が吐く「どれが本当の自分かなんて、誰にも分かりやしない」っていうセリフはなかなか深いなと思ったり。これは個人的にかなり好きな一本ですね、チョイスして正解でした。
だらだら無気力ブログ
2010年2月20日
パレード
★★★★ 一つの部屋で男女4人、途中から1人加わり5人が生活するシチュエーションは、個々に抱える悩みや問題、あるいは男女差や年齢差などによる生き方の違いを比較しつつ観察できるという利点がありました。本作におけるサトルはいわばキーマンとも言うべき役割を持っています。人間描写に長けた5人の若手俳優を、見事にコンダクトした行定監督の演出が素晴らしい作品でした。個別の章で描かれるエピソードやエンディングに関しては触れませんが、何れもが実にリアルに活き活きと描かれており、物語としてとても引き込まれます。
LOVE Cinemas 調布
2010年2月20日
1.
作品ページ
2.
観たい作品リスト
3.
追加
4.
近日公開
5.
公開中
6.
DVD新作近日
7.
DVD新作(2カ月間)
8.
DVD旧作
9.
超人気作品
0.
トップ
アマゾン最安値購入
キーワード:
全商品
DVD+Blu-ray
本
洋書
ミュージック
ゲーム