ベルリン・天使の詩:作品を観た感想(2)
ベルリン・天使の詩:ヴィム・ヴェンダースが描いた1つのベルリンへの想い
★★★★ 荘厳な雰囲気に詩的な台詞。前衛的な雰囲気をかもし出したカット割り…その洗練された様はとてもファンタジー作品とは思えない。この作品をそうしたファンタジーの域を超えたものに仕上げているもう1つの要素が、ある冷戦時代にしかありえなかったベルリンという都市の歴史性に着目したところだろう。 これは男と女の物語なのか、分断された2つの国家の物語なのか――。単に愛する人のために人間になろうとする天使といった甘口のファンタジーをヴェンダースは許さないのだ。
ビールを飲みながら考えてみた…
2010年1月2日
「ベルリン・天使の詩」
★★★★ 天使が人間の女性に恋するというファンタジー・ストーリーだが、20年近く経過した今日でもその詩的・幻想的で、時代のメタファー(暗喩)としての作品の光沢は色あせていない。ピーター・フォークが姿を現し、この映画に一層の重みを加える。この映画は、はっきりいって難解である。特に米国製エンタメ映画に慣れきっている日本人にとってはなおさらだ。フランス語版タイトル(Les Ailes du desir=欲望の翼)にあるように、女性への深甚なる欲望を表現したのかもしれない。
シネマ・ワンダーランド
2009年9月9日
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