イヴ・サンローラン:作品を観た感想(4)
「イヴ・サンローラン」 2010年 仏 監督 ピエール・トレトン
コム・アギルの音楽が繊細で美しく心に響き、イヴとピエールの愛と苦しみを切なく彩ってくれます。60年代〜70年代に写されたイヴの写真は本当に魅力的。ファッション知識のない私にも静かに心に染み入る映画でした。
トリ猫家族
2015年2月6日
「イヴ・サンローラン」
イヴ・サンローランを失ったベルジェの孤独感が描かれたように思える。二人の美術品のコレクションがオークション会場に運ばれる際に、壁から絵がはずされ、そこに何もない壁だけの空間が生じた。その空疎さがベルジェの心を表しているようである。この映画を見ながら私は[シングルマン]を思い出していた。この監督トム・フォードは、イヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターであったわけで、この作品と無縁ではない。本作はイヴ・サンローランとピエール・ベルジェの愛のドキュメンタリーである。
映画と出会う・世界が変わる
2011年7月19日
イヴ・サンローラン
★★★ 何の予備知識も持たずに映画館に入ったところ、イヴ・サンローランについてのドキュメンタリー映画だとわかり、驚いてしまいましたが、見ている内に、彼と40年以上もの長い期間親密な関係を続けてきたピエール・ベルジェ氏の語りが主なものになっているので、あえて劇映画にするまでもない、むしろこちらの方がズッと見応えがあるのではと思いました。サンローランは年に2回のファッションショーが終わった後に笑顔を見せるだけで、いつもは厳しいプレッシャーに鬱々と過ごしていたとのこと。時代の寵児も、一皮剥くと大変な境遇にあったのだな、と思えてきます。
映画的・絵画的・音楽的
2011年5月11日
『イヴ・サンローラン』 (2010) / フランス
★★★★ 晩年サンローランに訪れてしまった、心を閉ざすような表情の裏側には恐らくですが、長年の成功と引き換えに心に負った負荷が溜まったわけで。それを生涯支え続けられたベルジェの深い愛情の形にも感慨を覚える。彼の死後、敢えてそれらの一流品たちを競売にかけてしまったのも、それらが身近に存在することによって生じる、パートナー不在という無情から少しでも解放されたかったのではないだろうかとも考える。それにしてもあれだけの美術品が一堂に会してオークションにかけられるとなると、スケール自体が全く異なってきますね。圧巻でした。
Nice One!!
2011年5月5日
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