ノルウェイの森:作品を観た感想(37)
ノルウェイの森(’10)
本作を見始めたら、やはりこれは、原作を読んでいる観客対象作品、かつ創り手側の原作へのオマージュ、という色濃い感じ。大幅な独自展開、という部分もなく、やはり細部割愛エピソードも色々あって、まあ長編「ノルウェイの森」村上ワールドのダイジェスト映像化版、と思えばこういう所なのかも、という、トータル的に可もなく不可もなく、という後味。 このベストセラー小説映像化にあたって、映像美も意識しつつ、読み易くサラサラした手触り感の奥の、コリッとした苦みある”切なさの塊”的赤・緑本、村上春樹ワールド再体験、というこの鑑賞でした。
Something Impressive(KYOKOV)
2015年6月14日
【映画】ノルウェイの森…コレすげぇ嫌い。
この映画は物凄く嫌い。この陰気で、解決しない事を解決するつもりも無くウダウダ言ってるだけのストーリー。映画の伝えたい事が良く分からないのは私だけじゃないと思う。抑揚が無いのが良い事かとでも思っているような展開や、抑揚が無いのが良い事かとでも思っているようなセリフまわし等、テンションもテンポも嫌いでイライラ。美しいつもりで描いている美術面も、曇っているというか、暗くてキライ。
ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画
2013年1月7日
小説的な静謐さ 『ノルウェイの森』
★★★★ 森の緑、雪の白、主人公が背負うリュックの青色、公衆電話やイスなどの赤色まで、本当に鮮烈な印象を与えてくれます。登場人物のセリフ回しは独特です。まるで小説を朗読しているかのように、言葉に感情の起伏を乗せず、淡々と話します。ただし全体的に不満だった点もあります。まず、トラン・アン・ユンにしては映像に刺激が少なかった。ものすごい大傑作になり得た作品が、ちょっとしたミスの積み重ねでタダの傑作に甘んじてしまったような印象が強かったです。観て損のない良い作品ではあります。
映画部族 a tribe called movie
2012年5月25日
観ました、「ノルウェイの森」
「映画化された作品」というのは、「原作」とは全く別のフェイズっていうか、別世界のもの ととらえれば、許せます、実際この映画すごく美しくて見どころたっぷりですし。 ひとつの映画としては、とてもあらゆる意味で完成度が高く美しく、本当にずっと部屋に流していたい!映像と音楽満載で満足できました。
オヨヨ千感ヤマト
2012年1月15日
映画『ノルウェイの森』
キズキと直子の二人が身近にいたせいで、時代の流れより一足早く、大きな喪失を味わわなければならなかったワタナベは少しかわいそうですが、失ったものが大きいからこそ、見える世界が広がったということもあるのでしょう。それにしても、日本を舞台にした日本の物語に、ベトナム系フランス人であるトラン・アン・ユン監督を起用しするという賭けは、大きな成功だったのではないかと思います。1960年代後半の時代の空気を思いこみや偏見なく写し取り、村上春樹小説独特の会話のやり取りを、きちんと再現することができたのではないでしょうか。
Viva La Vida! <ライターCheese>
2011年10月21日
ノルウェイの森
原作を読んでないのでわからないのですが、この映画版を見た限りではワタナベは直子と緑の間をふらふらとしているようにしか見えませんでした。そしてどうしても人と係わるとセックスがそこに入り込んでくるのが不思議と言うか。レイコさんなど必然性を感じなかった。やたらとキスの場面が多くてその代わり性行為が中途半端に映し出されていた気がする。原作を割愛し過ぎて説得力不足になっているのかもしれませんね。だから人物描写が浅い気がして薄っぺらく見えるのかもしれない。場面場面がとぎれて映し出されるのも唐突で、脚本が悪いのかなとも思う。
いやいやえん
2011年10月7日
ノルウェイの森
★★★ 原作を期待してはダメ。ストーリー展開もぶつ切りだし全然つながってないんだけど、映像と音楽がきれい。ワンシーン、ワンシーンだけを切り取ったとしたら美しいショットが多数でした。そこを評価します!夏、冬、吐く息までもきれいだった。良いのか悪いのか、登場人物が自分のことを語っていてもどこか他人の話をしているよう。そういう世界観を出しているのか、俳優が下手なのか。あと、小さなエピソードがほぼカットされてて登場人物の人柄も分かりにくかったし、感情移入はできなかった。
食はすべての源なり。
2011年7月28日
mini review 11531「ノルウェイの森」
★★★ 超ベストセラーの映画化は、誰がやっても困難なところがあるが、あまりシナリオ主義ではなく、現場で演出プランを考えるこの監督の控えめとも思える演出は、拍子抜けするほどあっさりとしているようにも思えるところもあるが、こだわりはみてとれるようなところもある。撮影のリー・ビンビンも、「深い森で迷う、悲しみを悲しみ抜く」というテーマをよく控えめにフィルムを回している。けれど映画として感動していたのかどうかについては微妙。その頃の自分をなつかしく振り返るきっかけのような心持で付き合ったような気がしてならない。
サーカスな日々
2011年7月22日
映画『ノルウェイの森』を観て
私は原作を読んでいないので、果たして難解とされる村上文学の世界をどこまで忠実に、トラン・アン・ユン監督が再現したのか判りません。それでも草原でのシーンは映画ならではの映像美が堪能出来るし、学園紛争の様子も当時の世相をしっかりと捉えている。水原希子はユン監督とミーティングを重ねて役作りをしたそうだ。松山ケンイチと菊地凛子に挟まれると、演技の拙さや台詞の下手さが際立ってしまうが、逆に言えばそれだけこの二人の映画の中での存在感が目立っている証拠でもあり、水原は素人みたいなものだから落ち込む必要はない。
KINTYRE’SDIARY
2011年1月25日
映画ノルウェイの森
映像がきれいな映画なので、人間ドラマですが、映画館で見る価値はあると思います。が、男女の仲のはかなさみたいなものが、ピンとこない人には微妙な映画だと思います。村上さんの原作もそうですから、忠実といえば忠実ですね、世界観とか結構あっていると思います。海外で日本の小説家が評価されることはうれしいのですが、村上さんの作品って、日本を代表する、というような特徴、長所がある小説なのか私にとっては微妙です。この映画も結構な国数で公開されるということなので、こういう映画が日本の代表作だと思われるのも微妙だなと。
エンタメ日々更新
2011年1月13日
映画 ノルウェイの森
こんな感じのストーリーだったのですね。もっとさわやかな青春小説だと思っていたので、ビックリしました。これほど主人公が次々と女性と…とは思ってもいませんでした。今で言う草食系の雰囲気でありながら、かなりのモテ男。松山ケンイチさん、映画たくさん出てますねー。映画内での女性陣、雰囲気を壊すようなヘタな人もおらず、安心して見れました。菊池さんは目力ありますね…映画で見ると違いますね^^
映画とTVとゲームの感想
2011年1月8日
「ノルウェイの森」心の闇と癒す森
彼は直子のことを想っていた。緑のことも想っていた。それは愛なのか…人を大切に想う気持ちを「愛」と呼ぶなら、紛れも無く「愛」だろう。繊細でガラスのような心を持つ直子は、ワタナベが自分への「愛」に縛られ、未来を失うことになることが辛くて余計に心を病んでいく。痛々しい直子の傷を確認するかのように、怪我したところを、かさぶたを剥いでは血を流すワタナベの姿がまた心を打つ。死を選んだ直子に対し、悲しみぬいて克服するワタナベは「生」を取り戻す…直子は私。緑も私。ワタナベも私。本作に感情移入も理解もでもできない人がいるって、ちょっと残念だ。
ノルウェー暮らし・イン・London
2011年1月7日
ノルウェイの森 そうだ、あの森はたしかに深く暗い
非常に複雑に緻密に作り込まれている作品で、物語のトーンは全体的に陰鬱で寒々しく、しかしブレは無く、登場人物の心の機微もしっかりと描ききっていた。村上春樹の独特な会話のやりとりも再現されていて、1960年代後半の時代の匂いも見事に醸し出していた。難解な作品だったけど、「いまどこにいるの?」「どこにいるのか分からない」 で、ようやくすべてがわかった!そして、なぜ自分が若い時に原作を読んであまり意味がわからなかったのかもわかった気がした。かなり官能的な作品だけどけっして汚くはない。風景やその季節感はとっても新鮮だった。
労組書記長社労士のブログ
2011年1月5日
ノルウェイの森
本作は、おそらく一方的に生きていくことを選択するがために、人を傷つけても自分は傷つかないでいく緑のようなタイプの人間がより増殖している21世紀の人間像の中で、本当は共に歩みたかった直子に対し叫び狂ったワタナベを多くの人に理解してもらいたい映画である。とともに、本当はワタナベと面と向かい合いたいのに、それがワタナベを自らと共に死の世界へ導きかねないと思った直子の焦燥感、それ故に面と向かい合わず、絶えず焦燥感に追われるように歩き回る直子。そんな彼女を演じきった菊地凛子に絶大なる拍手を贈りたい。
空想俳人日記
2011年1月2日
ノルウェイの森
登場人物達の多くは心に傷をかかえているわけですが、実際の世の中もそうなのかもしれませんね。いろんな悩みを人知れず抱えているものなのかもしれません。日本の美しい四季が場面場面に描かれていますが、村上さんの描写に負けず、うまく映像化されていた印象を持ちました。難しいテーマだと思いますが、まずまず健闘していたと思います。ただ、原作小説のストーリーも微妙だな、と思う人も多いでしょうから、大衆受けしない映画だと思います。私にとっては、覚悟していたよりはちょこっと良かった、というところです。
映画レビュー21
2010年12月30日
『ノルウェイの森』
原作「ノルウェイの森」のあの独特な精神世界を、映画として映像とセリフに置換するということは、数多の可能性と同じだけの危険性が隣り合わせにあったことだろう。曖昧なのに深遠で、通俗なのに崇高な、絶妙のアンバランスの上に確固として成り立つ不思議な村上ワールドを、外国人の映画監督がここまで具現化したことへの賛美は大きい。服装、佇まい、日常の装飾物。学生運動、人との関わり、そして音楽。60年代の古い日本をビジュアルで表現するための細やかな要素が丁寧に採り込まれている。外国人が描く日本の違和感なぞひとつも感じさせない見事な仕上がり。
シネマな時間に考察を。
2010年12月29日
ノルウェイの森
描くべきところに的を絞って、映像といい、音楽といい、登場人物の表情といい、とても巧く映像化されたものだと思った。メガホンを取るという監督の作品を2作品観て、この小説を映像化するのに相応しい監督だと思った。美しい映像と、寓意を匂わせるモノの描写や、多くを語らずに感じさせる、淡々とした表現は、どんどん内側へ入り込んでしまう主人公たちの目線に立って、その世界観を表現するのに最適な人選だと思った。小説の文体や内容を、この監督が彼らしく映像化して、主人公たちの思いに寄り添うような、美しい作品になっていたと思う。
悠雅的生活
2010年12月26日
ノルウェイの森
★★★ なかなか村上春樹の言葉でつづられていたね。映像にしてみると、こんな作品だったんだって改めて感動しました。でもねえ、これ原作を読んだ人、村上作品を読んだ人じゃないと、この世界観ってわからないんじゃないかなって思います。主人公・ワタナベを松山ケンイチが見事に演じてたね!どうしようもない喪失感から逃れることができない、それでも生きているってことは、苦しみ悲しをうけとめ、うけいれて人間は強くなっていくものなんだよね。ん〜なかなか考えさせられたな。きれいな映像と、村上春樹の言葉とでそれなりに満足。
C'est joli〜ここちいい毎日を〜
2010年12月26日
ノルウェイの森
★★★ 複雑で長い原作を、随分刈り込んですっきりとさせ、主人公と直子の関係がうまく前面に描き出されており、後輩・緑がその二人の関係に少々絡み、レイコの役割はかなり背景に退いています。そこまでするのであれば、原作と同じ時代設定にする必要はなかったのではないかと思えるものの、草原のシーンは素晴らしく、また配役陣、特に菊地凛子が注目されます。
映画的・絵画的・音楽的
2010年12月26日
ノルウェイの森
★★★★ 自然の風景と音楽がとても美しく、主人公の苦悩、直子の喪失感、ミドリ、レイコのそれぞれの思いも見事に映像化されているなと感じました。原作と映画は別物と言いますが、この作品に限っては原作と映画でこの世界観の相乗効果を上げている気がしました。キャスティングも凄く良かったです。彼らは純粋なんですね。だからこそ、心が折れてしまうのだと思いました。人が自ら命を絶つとき、そこに美しさなんてありません。性描写についても同様。死の反対にある、人間の本能でもある生への執着が描かれているシーンだと思います。
☆試写会中毒☆
2010年12月25日
「ノルウェイの森」の舞台が1969年である必然性
この小説の舞台は学生運動が吹き荒れた1969年という時代で、しかも主人公は大学生。私は原作は少しだけ読んで、あまりの退屈さに放棄したが、映画は最後まで見た。それでも全く共感できなかったのは、あの時代の匂い、苦悩などが全く感じられなかったからであろう。原作者や監督に言わせると、「この作品はそういうものだ」ということになるのであろうが、映画を見る限り、この作品の舞台が1969年である必然性が全く感じられない。
映画と出会う・世界が変わる
2010年12月25日
『ノルウェイの森』(2010・日本) | "映像化不可能"の定説をくつがえした記念碑的作品
私は大絶賛します。映像化絶対不可能といわれていた小説をよくぞここまで表現しきりました。村上春樹ワールド特有の現実には決して口にしないようなセリフをいったいどうやって処理するのか。映画化にあたり、おそらくこれが最大のネックだったでしょう。映画では、原作とほとんど同じセリフが採用されています。トラン・アン・ユン監督は、超絶長回し演出を採用することでこの問題に対処しているようです。一見すると原作をなぞっているだけのようでいて、監督は自身が企んでいる流れを密かに加味させているのではないでしょうか。
23:30の雑記帳
2010年12月23日
映画「ノルウェイの森」は、何故つまらないのか
本作を見ると、60年代末の安保沖縄、全共闘、アングラ、サイケの時代ももはや「時代劇」だと言わざるを得ない。本作を見た後、水準以上の力作であったにも関わらず、どうして入り込めなかったのはを考えて思い至ったのは、俳優たちの表情や雰囲気なのだ。松山ケンイチも菊地凛子も、あの時代の雰囲気から遠いのである。彼らを見ている限り、舞台が現代であってもいいのではないかと思わせる。それでは困るのである。
映画と出会う・世界が変わる
2010年12月23日
「ノルウェイの森」 映画を見て、原作を...
共感を得ることができなかった。この映画を見て感じたこと。登場人物の誰もが非常にややこしい、やっかいな人間ばかりで、こんな人間がそばにいたら嫌だと思わせるような、決してお友達にはしたくないような人間ばかりという感じ。ワタナベという人物には全く魅力を感じない。彼の口癖である「もちろん」という言葉は、相手に対して不誠実であり、その場の会話をスムーズに流すことだけを考え、その不誠実さを全く理解していない。そんな人間がワタナベである。原作を読む必要はないと判っただけでも収穫である。
映画と出会う・世界が変わる
2010年12月21日
ノルウェイの森
★★★ 本の冒頭部分のワタナベが回想するシーンが割愛されていたのは何故? 全体的に物語の表面だけを走り抜けてしまった感が強い。これは原作を読んでいることを前提として作られている作品。読んでいない人が観ればもっと辛いかもしれませんね。ワタナベを取り巻く人々の描きかたも浅く、伝わってくるものがありませんでした…残念です。死者と生者の「足」の対比は上手かった。配役では、クールな永沢役の玉山鉄二と、突撃隊の榎本時生が光ってました。彼が上手かっただけに、もっと突撃隊のエピソードを見たかったなぁ。
シェイクで乾杯!
2010年12月21日
映画『ノルウェイの森』描かれる苦しみと美しさ
極論を言えば、この映画は美しい画像で描かれる息詰まるような空気の流れを堪能すれば、それでいい。もちろん、お話を追うことで画像の流れも、息詰まるような人間関係も呑み込み易くなるのですけど。だからと言って、お話をいくら詳細に理解しても、それだけだとしたら物語を楽しんだことにはならない。お話やストーリーは、物語の内実を味わう入り口にすぎないんですね。「お話が演出で味付けられた」のが物語りではないのだわ。そうしたことが、印象深い作品体験で納得できる映画が本作。
鍼原神無さんのブログ
2010年12月19日
「ノルウェイの森」トラン・アン・ユン
★★★★ 登場人物たちを遠くから眺めているような気分だった。小説では琴線に触れた物語世界も、どこかのめり込めなかった。本作はそんな遠くから彼らを眺めているような映画なのだ。トラン・アン・ユン監督が遠くアジアから日本の小説世界を映画化しながら、日本の若者たちを描いた。60年代後半のあの時代を。僕らもその時代の彼らを遠くから眺めている。雪景色や森や海などでの遠景が多用されているのも、そんな傷つけ合う彼らの心を遠くから描いている印象をもたらす。だから感情移入して観るのではなく、静かに遠くから彼らを見て、何かを感じる映画なのだと思う。
ヒデヨシ映画日記
2010年12月17日
*ノルウェイの森*
20歳前後で両親や恋人を失ってしまうと、その痛手というのは想像以上のものなのでしょう。ましてや自殺となるとどんなに周りの人に心の迷惑をかけることになるのかそれは計り知れません。原作はそのあたりのことが無理なく、そして逆にこのような境遇になったときマトモでいられないことが逆に普通である…というようなことを巧みな文章力でつきつけられたような気がします。ところがそれが映像化となるとむずかしい…本来の持ち味は伝わってこなかったように思いますが、でもこれはこれ。映画として私はこれかなり好きです。
Cartouche
2010年12月15日
『ノルウェイの森』(2010)/日本
★★★★ この映画で一番秀逸だと感じたのは、ワタナベ、永沢とハツミの3人の会食シーンです。この照明の感じも、間接照明がすごく効果的で、ハツミが静かに怒りを募らせていく部分にぴったりでした。どうしようもないと思いながらも、それでも永沢のことが好き、忘れられない、そんな報われない自分が無意味に感じてしまう。複雑な心境をよく演じていたと思います。この原作をこの尺に収めること、この難行を成し遂げたことに関しては、評価されていいと思います。伝えたかったこと、「深く愛すること」は、ちゃんと届いていたように思いました。
NiceOne!!
2010年12月14日
☆ 『ノルウェイの森』
村上春樹原作の映画を見るのは、山川直人監督の[パン屋襲撃][100%の女の子]、大森一樹監督の[風の歌を聴け]に続いて4本目だが、本作がいまのところの最高傑作であることは間違いないだろう。映画全体の印象としては、中途半端なベルナルド・ベルトリッチという感じがしないでもなかった。ワタナベ役は高良健吾でもよかったんじゃないか、とも思ったが、最終的には松山ケンイチの熱演ぶりに感銘を受けた。登場人物に深みがあるというわけではないのに、それぞれが立体的に魅力的に映って見えたのは良かった。
映画の感想文日記
2010年12月14日
【ノルウェイの森】
ストーリーはともかく村上春樹ワールドそのままの会話が映画にも流れていたように思います。普通の人の会話のやりとりじゃないというかー。不思議な会話ー。直子とよりもミドリとの会話の方がリズミカルなトーンで会話遊びのようなとこ好きでした♪ 飽きることなくこの時代を楽しんだけれども、やっぱりあまり好きな話ではありませんでした。音楽を耳にしながらストーリーに入れるところは原作にない上回るところですねぇ。優しく穏やかで「もちろん」という台詞が似合うワタナベ、松山ケンイチくんピッタリだった!
日々のつぶやき
2010年12月14日
ノルウェイの森
映像自体は美しくて、空気までも感じそうな雰囲気なんだけど…。深い森に迷い込むような…そういうところまでは行けなかった〜(汗) 深層心理よりも愛と性の方に重心が傾いてて、あまりにもその描写が続くのでちょっと引いてしまった…。原作を把握していないと森の手前で迷子になってしまいそうなトラン・アン・ユン監督のラビリンス。そこに村上ワールドが重なると、能天気な人間には到底理解できない繊細な世界に嵌ってしまう。哲学や文学を深く深く掘り下げると生と死へ繋がっていく…、お気楽に生きてきた私には何も響いてこなかった。
ひばなのシネマの天地
2010年12月14日
ノルウェイの森
将来のノーベル文学賞候補である作家の映画化は、非常にハードルが高い。映画化した製作陣にも、それを見て解釈する観客にも、両者にとってハードルが高い。しかし原作を読んでいなくても、青春の残酷さが痛いほど伝わってきた。青春の思い出は、ときにこういう残酷さを含んでいるものだ。苦い思い出の一つや二つ、誰でも心の奥底にあるものだ。映像が伝える力を持っている。成功作だと思う。
とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
2010年12月13日
ノルウェイの森
★★★ いずれにしてもやたらとSEXのエピソードが多いことにちょっと驚きました。本作はそもそもが会話劇。特徴のあるセリフ回しでしたが、流石にいい役者が揃っているせいか、掛け合いの息はピッタリでした。昭和40年代の学生寮や街の様子、美術系はお見事でそこにセリフが加わると、気分はタイムスリップとでもいうのでしょうか。更に日本の四季を映し出した色鮮やかな映像は文句なく素晴らしい。という訳で、独特な雰囲気がそれはそれで良いものの、別に大きな感動も失望もない作品、それが私のこの作品に対する気持ちです。
LOVE Cinemas 調布
2010年12月12日
ノルウェイの森
★★★★★ 幻想的な映画ではないのに全てが幻想的。なぜなのかと言えば、人と人との関係が全てワタナベを基点にしたハブ空港のようで、円周のつながりがないからだろう。これは村上作品に見られる「僕」を語り部にした手法をそのまま反映したように思われる。しかし、よく見ると、想像力で互いに独立した人間に関連性を持たせているようだ。「僕」であるワタナベは現実社会に生きるわけでもなく、自殺するわけでもなく、宙ぶらりんのまま、女性とセックスし、生き続ける。ラストで大泣きするのだけど、それが大あくびなのか大泣きなのか定かでない泣き方だ。
佐藤秀の徒然幻視録
2010年12月11日
ノルウェイの森
私は内容を全く知らずに観たので、ここまで濃い愛の物語だったのかとちょっと驚きながら観ていました。特に男女の関係に関して赤裸々な会話があったりとかして、ちょっと不思議でした。ワタナベを中心とする人間関係が興味深かったです。それにしても、映像は評判どおりの美しさでした。そこに映し出されている愛も純真そのもので、純真だからこその結果がとても切なかったです。約50年前の懐かしさを感じる雰囲気にすっぽりと溶け込んだ出演者たちの佇まいも素敵でした。観終わった時、何となく人恋しくなるような作品だなと感じた1本です。
とりあえず、コメントです
2010年12月8日
【映画】ノルウェイの森
音楽の使い方も優しかったり、激しかったり、不快だったりと、映画を上手く引き立てていたかも。映像も自然の描写も良かったし、昭和の学生運動の雰囲気や、人物達の服装も、時代を表現していて良かったと思う。原作が好きな人は、どう感じるのかな?私はちょっと物語の部分で説明が足りなく感じるところがいくつかあったわけだけど。泣いている人もいたっぽいんだけど…どこで泣けるのかも分からなかったわ(苦笑)。
☆紅茶屋ロンド☆
2010年12月5日
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