木洩れ日の家で:作品を観た感想(8)

mini review 12551「木洩れ日の家で」
★★★★ 見事な死に際であるかもしれない。 「絆」というものは、甘っちょろい美談めいたものだけではないはずだ。アニュラを見ていると、「絆」の持ち方にも、まことにいろいろな処し方があるのだなと、あらためて思えてくるのだ。
サーカスな日々
2012年1月8日

「木洩れ日の家で」
本作の老朽化した家のいたるところに彼女の過去の思い出が、その祖先の思い出が、そしてポーランドの歴史が堆積されている。しかし、この映画には過去の出来事は登場しない。アニェラの記憶の一部が少しだけ描かれるが、それは明瞭なものではない。過去がたびたび語られるが、その実態は全くといっていいほど描かれることはない。これは、ストーリーを追うというより、物語の中のアニェラと一緒になって、映画の中に入り込み、感じる映画である。「感じる映画」の中に入り込むこと後押しするのが、独特の美しさを持ったモノクロ画面である。
映画と出会う・世界が変わる
2011年8月25日

木洩れ日の家で
老年の女性を主人公に、人生の機微をじっくりと描いたポーランド映画です。儚い夢のような、そして未来への希望と優しさを感じるような作品でした。それにしても、美しくて切ない物語(T_T) モノクロの映像が鮮やかに色付いて見えるほどにきれいでした。そして、ダヌタ・シャフラルスカの凛とした佇まいと演技はもちろんのこと、愛犬フィラデルフィアの驚くほどの名演技が凄かったです。見終わった時、彼女の微笑みが心の中に残りました。最後まで自分の人生を全うした彼女の生き方に、暖かい想いを感じた1本です。
とりあえず、コメントです
2011年6月24日

映画・木漏れ日の家で
老人になり思うように身体が動かなくなっても、笑顔だけは忘れないでいたいものですね。ダヌタと共に忘れてはいけないのが愛犬フィラ。まるで、ご主人様、現実を見据えてしっかり生活しましょう、と言っているようで、アニェラの大切なパートナーとして絶対的な存在感でした。淡々と、むしろ退屈なくらい一人の老女の生活を描いただけの映画ですが、老い、人との縁、生きる意欲、などについて考えさせられました。ポーランドの森は、大木の下で優しい木漏れ日に包まれて暮らしてきたアニェラの人生を見守っているようでした。
お花と読書と散歩、映画も好き
2011年6月7日

「木漏れ日の家で」
全編モノクローム映像の中、若くて美しいアニェラがバレエを踊ったり、庭で恋人(夫)?とワルツに興じる過去の姿が映し出される。孤独ではあるが、思い出がいっぱい詰まった家に"死の時"まで住めるなんて、なんとアニェラは幸せな人なんだろうと羨ましくもあった。原タイトルはそのものずばり"死の時"で、91歳のアニェラが死を迎えるまでの物語。しかし邦題はとてもソフト。アニェラを演じるダヌタ・シャフラルスカ。しわだらけではあるが、足腰はしっかりしていて驚くばかり。ばあさんとブランコ?…アニェラだとサマになるのだ。
ヨーロッパ映画を観よう!
2011年5月27日

*木漏れ日の家で*
全編モノクロでどのシーンも切りとってとっておきたいような美しさ。そして静かに進行するお話に心の底からじーんとしてしまいました。アニュラの最高の友達はわんこのフィル。ものすごい演技力でこの子との日常が淡々と描かれていきます。それにしても家というのもまた人生そのものなのですね。息子でも傍から口出せることではありませんし、肉親っていうのは時に残酷です。アニュラはあくまでもずっと住み続けた家に執着します。でも体調も悪くなったときに出した彼女の答えは…。老後の姿は誰にとっても現実に起こりえること。あらゆることに共感してしまいました。
Cartouche
2011年4月22日

木漏れ日の家で
★★★★ 光と陰のコントラストが鮮やかで、木漏れ日の煌きにはカラー以上の眩しさを覚える。なんとも素敵な作品でした。モノクロ映像で描かれるある種幻想的ともいえる映像表現に、観ている方も思わずアニェラと同じ視線を感じることが出来るのでした。彼女は自分亡き後のこの家の事を気にかけていました。息子に家で同居することを持ちかけるも…、彼女の孤独感はいかばかりか…。しかし、それで唯黙っていないのがアニェラらしいところ。この古い洋館はこれまでもそうであったように、森の中にヒッソリと建ち続けるのでしょう。優しい感動に包まれたラストシーンでした。
LOVE Cinemas 調布
2011年4月20日

映画:木漏れ日の家で あえてモノクロにしたことで生まれた映像美に痺れる。
最近の映画にもかかわらず、全編モノクロ。このモノクロによる撮影が、実に美しい。こんなに豊かな表現ができるのかとオドロキ。一軒家のまわりの風景表現、タイトルにもある木漏れ日、手作りガラスの微妙な反射...これらを通して、日頃は凛として生活する老人が表面に出さない「孤独」も時折、顔を出してくる。それは過去を回想する時で、ちらっと幻影のように登場する家の昔の風景と彼女の表情が交錯する。個人的に刺さったのは「夜の嵐」のシーン。短いシークエンスなんだけど、妙にアタマに残った。
日々 是 変化ナリ
2011年4月16日


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