嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん:作品を観た感想(6)

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(2010)/日本
みーくんとまーちゃんのある種の「異様」は、ファンタジーというオブラートでくるまれる形で進んでいきます。そしてその異様さとか、不自然さなどには理屈としての説明がなく、シーンとしてのみ伝えている。これは統一感があってよかったと思います。下手にくどくどと言わない方がこの場合はいい。で、みーくんですよねえ。観客に、「そうなのか!」と一旦は思わせておいて、実はそこから仕掛けが始まってくるというのも、うまい。怖いから、実はファンタジーやギャグとして何事もなかったように扱う。その本質を見抜く作品です。
NiceOne!!
2011年2月6日

「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」 エグイ現実をふわっと描いた不思議
★★★ 見ている途中でも分ったつもりで見ていて、アレ、どうなってるんだ?って少なくとも2回はそれまでの考えが違っていたんだろうと思う瞬間があった。破天荒とも感じる主人公達の行動や現在の状況は映画の中だからこその夢物語。そのムリな設定を染谷将太と大政絢のほわぁーんとした雰囲気がどうでもいいやって。人間の脆い心は壊されるけれど何度でも回復出来るだろう。それは周囲の理解や関心がしっかりとその人の心に届くことが必要だ。人と関わることは難しい。けれどそこに喜びもある。だから今日も支度をして玄関のドアを開けるのだ。
soramove
2011年1月30日

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
★★ 「みーくん」 彼はそもそも何のために登場してくるのか最初は分からず、唐突感が有り過ぎて怪し過ぎるので、ネタバレ感満載だ。精神科医の坂下と婦人警官は10年前の経緯を知っている。そして今、10年前と同じような誘拐事件と女性ばかり狙った連続通り魔事件が起きる…。幼少期の少年少女のトラウマを原点にした映画としては、最近観た「音符と昆布」の仕掛けの精緻さには遠く及ばない。情感の豊かさでも「ちーちゃんは悠久の向こう」に見劣りする。主役のまーちゃんの今現在の存在感がイマイチで、ラストも救いがない。
佐藤秀の徒然幻視録
2011年1月27日

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
★★★ これはラブストーリーと言っていいのか。ついでに言えばミステリーとファンタジーも加わっているといった感じです。ある日まーちゃんの前に突如みーくんがあらわれる所から話は始まります。物語はそんな2人のちょっと不思議な日常を映し出しつつ、そこに誘拐されている時の記憶が挿入される形で進んでゆくのでした。どうも混乱気味…。要はまーちゃんだけでなくみーくんも子供のままだってことなのかもしれません。結構重めの話にも拘らず、染谷&大政の不思議コンビのおかげでとてもポップでテンポのいい展開にはなっていました。
LOVE Cinemas 調布
2011年1月26日

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
可笑しくも可愛く壊れっぱなしの現在と残酷な過去との時間の交差が、ミステリー風ともホラー風ともいえる問題作。正直言うと、ちょっと怖かった。大人だけなら耐えられるが、やはり子供の話は辛いものがある…。いずれ事件がトラウマとなり、救いようのない人生が待っているのが想像できるから、それを想うと余りにも怖くて。やはりまーちゃん壊れっぱなし。しかし可愛く崩れているのが救いかな。ラブストーリー仕立てにしてはあるけど、今の若者の閉塞感とイメージが重なり、なかなか落ち着いた気分にはなれなかった、やはりこれは衝撃作である。
Art-Millー2
2011年1月24日

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
.★★★★ 誘拐事件を知れば知るほど、まーちゃんの今の生活に口をはさむ人がいないのは納得です。あのような体験をしたら大人だって普通ではいられないでしょう。むしろ子供だからこそ、自分の世界を作ることで今まで生きてこられたのかもしれません。その世界には、自分とみーくんだけが生きている、そういう雰囲気に満たされた映像がとても印象的でした。これらの展開がとても気になっていたとき、明らかになった衝撃の事実。そこから先は一気に吸い込まれました。「みーくん」と答える姿に涙が出て来ました…。胸が苦しくなるほど切ないです。
☆試写会中毒☆
2011年1月15日


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