さよなら。いつかわかること:作品を観た感想(10)
さよなら。いつかわかること
★★★ ジョン・キューザックが上手い。スタンレーが彼女たちに伝えるところは涙が出るけれど、それまでの彼の様子が上手いです。奥さんのグレイスは一度も出てこないけれど、彼女の人柄、家族の様子がわかるのが丁寧に描かれている証拠だと思う。それはグレイスという特定の誰かではなく、大事な人を亡くしたことのあるその"誰か"であると思う。その人が急にいなくなったらどうなるか?愛する人を失うのは辛い、それとどう向き合うか。クリント・イーストウッドが提供している音楽が良いです。
映画、言いたい放題!
2009年10月18日
さよなら。いつかわかること
戦争をテーマにした作品だけど、戦闘シーンも軍人も出てこない。いや軍人はグレイスの戦死を報告に来るのみ。しかし、この作品から戦争の悲惨さがひしひしと伝わってくる。戦場の亡くなる側の悲劇ではなく、残された家族の悲劇だけれどもそれは充分に戦争の悲惨さが伝わってきた。この小旅行でスタンレーは気持ちの整理をなんとかつけ、長女のハイディは少しだけ大人に成長する勿論ドーンも少し成長していくんだけど。親子の成長記録でもあった感じがした。
Diarydiary!
2009年9月25日
映画「さよなら。いつかわかること」
遺族の悲しみに焦点を当てた反戦映画といっても、出征兵士の妻の会に男一人で参加して蚊帳の外だったり、シリアスなハグのシーンで娘がパパを臭いといったり、ちょっぴり笑わせてくれるネタも盛り込まれていて深刻になり過ぎないのもいいところ。魔法の庭遊園地でいっぱい遊んだ後のハイディの、"お家に帰ろう"の言葉が、とても大人びて聞こえる、彼女にはサヨナラが徐々に分かってきてたんだよね・・・。
茸茶の想い ∞ 祇園精舎の鐘の声
2009年7月20日
幸福の黄色いリボン
娘たちに隠し事をしている罪悪感からだろう、スタンレーは努めて明るく振る舞う。或いは娘たちを強引に従わせる。自分の感情すら持て余しているのだ。しかし、スタンレーの態度はフロリダに近付くにつれてだんだんと変化を見せる。それは、彼が虚飾を脱ぎ捨ててゆく過程のように私には思われる。偉大なる父親像に固執するあまり自分を曝け出せなくなっていたスタンレーが、娘たちに必要な父親になってゆく。この旅にはこんな意味があるような気がする。
MESCALINE DRIVE
2009年6月6日
さよなら。いつかわかること
受容の話ですから、キューザックはまず自分が受容し、そして子どもたちにも受容させるそのための小さな猶予の時間を持つため、小さな旅に出る。ぎくしゃくしていた親子が、四六時中一緒にいる旅という時空の中でちょっとだけなにかを掴み取っていく。大事なのはその過程。だからこれは「いつか」の物語ではありません。「いまこのとき」の物語です。この家族は確実にひとつ、乗り越えたのだという手ごたえがあります。
キノ2
2009年3月13日
「さよなら。いつかわかること」は、国家にはたして死を強制する...
ジョン・キューザック演じるスタンレーは最初から最後まで悲しく元気のない表情である。途中で笑ったり、はしゃいだりするシーンはあるのだが、それらは非常に作為的なもの。その理由はただひとつ。「グレース・イズ・ゴーン」である。「さよなら。いつかわかること」は、そのような戦争の悲劇を実にリアルに伝えてくれる。この映画には銃弾が飛び交う戦闘シーンは全くないが、まさにストレートな戦争映画であると思った。
映画と出会う・世界が変わる
2008年7月19日
さよなら。いつかわかること□ぐレース・イズ・ゴーン
父親と娘二人が共に旅をするというだけのシンプルな構成の映画であるが、非常に内容のつまった仕掛けの大きな作品である。ロードムービーによくある旅する人物たちの心情の変化。その変化を促す出来事。それぞれの人物たちの性格。そして、彼らを包み込む社会全体という大きな世界の出来事。それは直接的に描かれることはないが、最も大きく作用している。
映画と出会う・世界が変わる
2008年7月18日
【2008-140】さよなら。いつかわかること
妻の戦死、戦場シーンなし、在りし日の妻の姿はなしと一風変わった感じの映画だ。自宅電話の留守番電話の妻の声に、どうしたらよいのかと問いかける父親の姿が切なく痛々しい。「出征兵の妻の会」で下世話な話で盛り上がる女性たちと嫌そうにいる主人公との対比はおもしろい。父親、姉、妹の3人の行動とラストカットの家族の絆が感動を呼ぶが、少し淡々とし過ぎか…
ダディャーナザン!ナズェミデルン...
2008年6月25日
さよなら。いつかわかること
この映画の中では、戦死した女性兵士グレイス軍曹の姿すらワンカットも出てこず、ましてや戦闘シーンなぞまったくないのですが、銃弾が飛び交い、砲弾が炸裂するあたりまえの戦争映画ではなく、やむえない事情で愛する家族の一人を戦場に送り出した「銃後」という、映像として描かれることの少ない題材を丁寧に作りこんでいると思う。
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
2008年6月13日
さよなら。いつかわかること
きっかけは赴任先のイラクで戦死した妻(母親)の訃報という重いテーマなのですが、とにかくこのふたりの娘達が可愛いのです。3人のやり取りが可笑しく、微笑ましく、テーマとは相反して、楽しい映画でした。ある意味泣かせのシーンで、敢えて台詞をカットするという演出が、心に残りました。そのバックに流れる音楽も素敵だったのですが、クリント・イーストウッド作曲に驚きました。
アートの片隅で
2008年4月25日
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