ヒトラーへの285枚の葉書:作品を観た感想(6)
映画評「ヒトラーへの285枚の葉書」
★★★ この幕切れは作品としてのバランスを考えての創作ではないかと思うが、いずれにせよ、国家・体制という全体の前の個の小ささを感じさせ、空しくなってくる。フランス人の監督ヴァンサン・ペレーズは即実的にそこを扱ってい、スタイルとしては非常に好もしいが、映画としては些か物足りない。お話の感銘と映画としてのパワーや魅力はまた別である。その部分は、エマ・トンプスン、ブレンダン・グリースンという非ドイツ人俳優の好演を以ってしてもカバーできない。言葉は“なんちゃってドイツ語”である英語で進められ、ムード的には甚だマイナスではあるものの、一ヶ国語しか出て来ないので作劇上大きな問題にあらず。
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2018年7月22日
「ヒトラーへの285枚の葉書」
★★★★ 事件の取り締まり役の警察官ダニエル・ブリュールが、もっと偉そうなナチス野郎に頭が上がらず、苦悩する。究極の悪者は、上にいる、ひと握りの者であるのは普通のことなのかもしれない。
或る日の出来事
2018年7月19日
『ヒトラーへの285枚の葉書』
★★★ 非常に興味のある題材であるが、どこかしらスパイスが効いていない。葉書の文章のなかで最も印象に残ったのは「ヒトラー政権の正義は、暴力だ」というもの。暴力が正義であるはずはない、正義の暴力なんてない。そのことは心にとどめておきたい。
キネマのマ〜りゃんひさ映画レビュ...
2017年7月30日
「ヒトラーへの285枚の葉書」
カードを書いた真犯人を探す為、秘密警察のエッシャリヒ(ダニエル・ブリュール)が捜査の指揮をとるが、彼の心の変遷の解釈が私には少し難しかった。
ここなつ映画レビュー
2017年7月24日
ヒトラーへの285枚の葉書
それぞれのエピソードも感慨深く素晴らしかった。ご贔屓のエマ・トンプソン女史、そしてブレンダン・グリーソンのムリに若作りしない年相応の役柄を静謐で重厚感ある演技はかなり見応えあり。エッシャリヒ警部役のダニエル・ブリュールの揺れる心のうちに憔悴気味になっていく後半の演技での存在感は上記のふたりに勝るとも劣らない。
風情の不安多事な冒険 Part.5
2017年7月9日
映画:ヒトラーへの285枚の葉書 息子を戦争で失った夫婦の静かな抵抗活動。
原作は、戦後3年、著者がゲシュタポの記録文書をもとに書きあげた長編。狂気の時代のベルリンでも、正しい感覚を持ちヒトラーに闘いを挑んでいたヒトも実在した。
日々 是 変化ナリ〜DAYS OF STRUGGLE〜
2017年7月5日
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