ミラル:作品を観た感想(4)
「ミラル」
"パレスチナ問題"を描いてはいるが、軸はイスラエルに生きるヒンドゥ、ミラル、ナディア、ファーティマのパレスチナ人女性4人。これは人間ドラマであり、実話である。過酷な運命に翻弄されながらも強く生きたミラルは後に世界的なジャーナリストとなる。この女性の意志の強さ、逞しさは尊敬に値する。イスラエル、ナザレ生まれのInternational女優ヒアム・アッバスにはうってつけの役柄。観終わって"パレスチナ問題"についてもうちょっと知識があれば良かったなと痛切に感じたことと、ポール・ニューマン主演の名作[栄光への脱出/1960]を思い出した。
ヨーロッパ映画を観よう!
2011年8月29日
ミラル
★★★ 舞台となるパレスチナを巡る歴史的事実が教科書風に描かれていることや、1993年のオスロ合意を高く評価する姿勢など問題点はあるものの、日本ではとても考えられないような厳しく複雑な状況下において、主人公のミラルが、様々な人々(恩師ヒンドゥなど)と関係を持ちながら如何に大人に成長していったのかが、説得力を持って描き出されています。
映画的・絵画的・音楽的
2011年8月21日
『ミラル』 パレスチナに生きる
この映画でおやっと思ったのは、イスラエルが占領している東エルサレムだけでなく、ヨルダン川西岸のラマラやパレスチナ難民キャンプなど、イスラエル支配地域とパレスチナ支配地域の双方で撮影しているらしいことだ。しかもその映像が素晴らしい。ニュース画面も交えながら、手持ちカメラで撮った迫力あふれるインティファーダの映像もあれば、低木がつづくパレスチナの乾いた大地を舐めるように撮影した映像もある。どれもニュースで見たことのある風景だけど、映画の中でその空気感まで感じさせて息づいている。
Days of Books, Films
2011年8月14日
ミラル
★★★ 全てはヒンドゥという女性から始まるのだが、4人の女性は数奇な運命に導かれ意外な関係性で結ばれているのが面白い。ミラルとは道端に咲く赤い花のことで、劇中彼女はそれをイスラエルの軍人であるリサの父親に「きっと誰もが目にしている」と説明する。ミラルはミラルであると同時に多くのナパレスチナ戦災孤児なのだろう。ヒンドゥは1994年に亡くなったが、ミラルはジャーナリストとして現在も活動しているという。暴力的手段をとらずとも、しっかりと教育を受けた多くのミラルたちは、近い将来必ず和平を実現してくれる。そんな希望が見出せるラストだった。
LOVE cinemas 調布
2011年8月9日
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