うつせみ:作品を観た感想(3)

『うつせみ』の主語は「あなた」だ
本作の設定とそこから紡ぎ出される物語が確かにユニークだが、風変わりなのは主人公が一切喋らないのだ。会話は相手のリアクションによって成立する。主人公が喋らないというストーリーテリング上は致命的とも思える制約を守りつつ、展開される豊かな物語は観客を飽きさせない。それどころか、観客はこの風変わりな主人公に感情移入し、一体となっていく。これは受け手を作品世界に引き込むために確立された手法である。この映画を見ていて感じたはずだ。劇中で予定を切り上げて帰宅する住人に対して、なんて邪魔なヤツなんだろうと。もう、あなたは主人公になりきっている。
映画のブログ
2010年12月10日

うつせみ (2004)
.★★★★★ いや〜まさかこういう展開とは恐れ入りました。ありえねぇよ!と言いたくなるんですが、何故かその設定にのめり込んでしまいました。今まで観たギドク作品の中でも一番腑に落ちた作品じゃないでしょうか。ファンタジーと言ってしまえばそれまでです。普通に見ると流してしまいそうですが、どうやってもありえない事だらけでツッコミどころ満載です。現実なのか?夢なのか?物語後半は宙に浮いたような不思議な浮遊感が味わえる面白い作品でした。この発想と独特の空気感は流石です。やっぱりキム・ギドクって変態監督だな!これは面白い!!
肩ログ
2010年11月29日

ロメール「春のソナタ」□きム・ギドク「うつせみ」
この映画のヒロインは二つの部屋(家)を持って住んでいる。この物語では登場人物たちが部屋から部屋へ移っていくことによってドラマが展開する。複数の部屋に住むこと、他の人の部屋を借りることが日常の人物たちが、まるでやどかりのようでもある。ここでふと思い出したのであるが、キム・ギドクは、このロメールの「春のソナタ」を見て「うつせみ」を作ったのではないかと思った。
映画と出会う・世界が変わる
2008年9月17日

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