女と男の観覧車:作品を観た感想(6)

「女と男の観覧車」
物凄く意識して、映画の世界に芝居仕立てを持ってきている。もう観た人全員が感じていることだろうけれど、採光と効果音が絶妙だ。人生に失敗や後悔はつきものだけれど、その失敗や後悔は後でいくらでも取り返せるよ、とエールを送るのも映画なら、取り返しのつかないことは世の中にはいくらでもある、と諭すのもまた映画なのである。
ここなつ映画レビュー
2018年8月2日

女と男の観覧車
男女を人生と時の移り行く様を見つめ続け、つぶさに描いて来たウディ・アレン監督の映画に、「面白かった」とか「感動した」とか、そんな刺激も想いも数日過ぎれば、薄れて風化してゆく。しかし、その殆どがそれではすまない質の悪い後味を残してくれるのだ。本作では、ケイト・ウィンスレット演じる女性の立ちい振る舞いを軸に、観る者の感情をこれでもかと揺さぶりかけて来る。後半ではテネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」のブランチを思わせる場面も登場し、往年の大女優の風格さえも漂わせていた。
映画に夢中
2018年7月2日

女と男の観覧車
雰囲気は「ひとりぼっちの青春(1969)」のジェーン・フォンダを思い起こしてしまう。何事も中途半端で大事に至らない。大事に至らない寸止めなので本作全体が弛緩している趣。多分、原因は俳優陣よりも監督のアレン自身の緩みっぷりだろう。アレンって気が付けばもう82歳なのだ。そりゃあ、緩くもなるわな。引退時を誤ったのじゃないか。
佐藤秀の徒然幻視録
2018年6月27日

「女と男の観覧車」:人間国宝の名人芸
アレン好みの’50年代コニー・アイランドのノスタルジックな時代再現が、美しいカラー映像の中、見事です。ヴィットリオ・ストラート(今年78歳)の撮影が、外景も室内もたまらなく美しいのですが、ことに室内の場面では遊園地のカラフルな照明の色の変化に合わせて、人物の肌や髪が色合いを変えていって、それが状況や心象を補完してもいるという芸の細かさです。一方、抜けるような青空+浜辺のベンチの絵なんかも最高に素敵でしたね。主要人物たちの外的&内的葛藤を描くことで、笑わせながら、ハラハラさせながら、こんなに面白い物語を見せてくれる・・・いやー、イーストウッドとアレンって、やっぱりアメリカの人間国宝と言えますよね。
大江戸時夫の東京温度
2018年6月24日

女と男の観覧車
男と女、ニューヨーク、古き良き時代そして語り部といつも通りのウディ・アレン節が炸裂すると昼ドラ程度の安っぽい不倫劇もまたひと味違った趣が醸し出され、あまり得意ではない翁のシリアステイストであるにもかかわらず最初から最後までガッツリ掴まれてしまった作品だった。ケイト・ウィンスレットの全体の肉付きやヌードになったときの腹回り微妙なタプみと年相応の【廃れ感】は絶妙で半端なくイイ。ジェームズ・ベルーシの姿に感動。
風情の不安多事な冒険 Part.5
2018年6月23日

女と男の観覧車
最大の見どころはやはりジニーを演じたケイト・ウィンスレットの演技。ミッキーとのデートに出かけるキャロリーナを見送るシーンの目力がすごい。その後のあっと驚く展開で魅せる表情には鬼気迫るものがあった。
あーうぃ だにぇっと
2018年6月20日


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