あの日、欲望の大地で:作品を観た感想(22)

あの日、欲望の大地で
時系列のない同時進行のような形で進んで行く物語は、最初違和感を覚えますが、後半になってわかってくると、なるほどと頷かずにはいられないミステリーの様相を呈している。ジェニファー・ローレンスさんがまた素晴らしい。少女特有の潔癖さ、また多感な微妙な心情が良く出ていました。ラストの微笑みが、少しだけ彼女の罪悪感が拭えられたようにみえて、良かったように思う。
いやいやえん
2012年10月9日

あの日、欲望の大地で
人の弱さや罪が描かれていて苦しくなるけど、引き込まれる作品。
映画感想メモ
2012年2月7日

mini review 10446「あの日、欲望の大地で」
★★★ 冒頭の朝、全裸で二階の窓から町行く人を見下ろす寂しげな視線が印象的だ。岸壁で煙草を吸いながらため息をつき、たぶん自傷行為の傷痕を見やる姿が胸を撃つ。成長したマリアの写真を見せられてうろたえる動作が哀しげ。父親の病室に向かうマリアに、「あなたも来る?」と声をかけられるシルヴィア。おそるおそる頷きながら、もう一度自分の場所を再生できるかもしれないという予感に震えるけなげな表情が、こちらの緊張も溶かしていく。シャーリーズ・セロンのこれらの演技を見ることができるだけでも、この作品を見る価値がある。
サーカスな日々
2010年3月7日

あの日、欲望の大地で(The Burning Plain)
この映画、大まかに「現在」「過去」「現在より少し過去」の3つのシーンがややランダムに挿入されています。それらのシーンのつながりがあまり感じられなく、前振り無くシーンが入れ替わるので、最初は多少混乱しました。最終的にはそれぞれが現在の状況に繋がると言う手法がとられています。ま〜、いろいろとあるんですが、難しいですね。親は自分のこともありますが、子供に与える影響と言うのを良く考えなければだめですね。と言った感じでしょうか。後、やり直しはきくよ。と言うことも含まれてたかも。いい映画でした。以上、ご参考。
シネマクマヤコン
2010年2月4日

「あの日、欲望の大地で」には映画の可能性が秘められている
この物語に関係する幾人かの人物の現在と過去のエピソードがバラバラに描かれる。年号・場所・人名が字幕に表示されるわけではないが、考えながら見ると理解でき、その考えるという行為そのものが実に楽しい。無秩序とも思えるエピソードの羅列から物語の骨子が理解できるようになる。このように見ると、時系列に沿って、十分な説明をしながら展開される「わかりやすい映画」より本作のような一見、不親切な難解な映画の方がはるかに映画の表現においても楽しみ方においても可能性を示してくれている。
映画と出会う・世界が変わる
2009年12月30日

あの日、欲望の大地で 本当の主人公はマリアか?
原題は「THE BURNING PLAIN」 これはあのトレーラーハウスの炎のことか、若い二人がお互いを忘れない痕跡を作るための炎の意味なのか、まさに大地を人間の欲望の炎が燃えているというドラマである。最初の2世代は、まさに親の因果が子に報いという感じで、因縁が伝わるドラマ。この因縁が永遠に続くのかと思わせるが、次の娘で止まりそうな気配。その娘の名前がマリアというのは意味があるのかも知れない。シャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーが圧倒的に素晴らしいが、もしかしたら、マリアを演じたテッサ・イアこそが主役なのかも知れない。
映画と出会う・世界が変わる
2009年12月27日

『あの日、欲望の大地で』 (2009)
この作品の中では、まだ何も始まっていないことに、どこか寂しさを感じた。虚ろなものを見せられた侘しさ。何かあるかもしれないと期待しながら観ていた私は、きっと監督の術中に嵌っていたのだろう。女優陣の体当たりとでもいえそうな演技に、目を眩まされただけなのかもしれないし、荒涼とした大地に潜むものの、あくまでも幻影を、見せられだけなのかもしれない。「燃えつきた」 ではなくて「燃えている」 ものは、母から娘に引き継がれた「情念」だとしたら怖い、しかし、それもまた、これからの話…。
よーじっくのここちいい空間
2009年11月30日

あの日、欲望の大地で
内容が古臭い上に、娘時代のシルヴィアと大人になってレストランに勤めているシルヴィアとが同一人物である点は、やや違和感があるものの受け入れ可能ながら、ボーイフレンドについては、飛行機の操縦士姿の大人の彼が青年時代とはあまりに容貌が違っていて、とても同一人物とは思えず、最後まで違和感が残ります。見ながらいろいろ疑問を感じたにもかかわらず、監督がさまざまな工夫を凝らしてこの映画を製作しているという熱意が、十分に観客に伝わってきますので、全体としてそれほど悪い印象は残りません。
映画的・絵画的・音楽的
2009年11月19日

あの日、欲望の大地で
今のシルヴィアと過去のマリアーヌが行ったり来たりする、しかしそこはゴチャゴチャにならない。シルヴィアが過去の出来事を思い出した時に挟みこまれる感じになっているからかな。マリーナの秘密は決して許される罪ではないけれど、これからサンティアゴと娘のマリアとやり直していければいいかななんて思いました。主演のシャーリーズ・セロン、なんかちょっと老けた感じがしました。しかし演技は凄いですね、スクリーンにくぎ付けになりました。この邦題、映画を見て納得しました。
Diarydiary!
2009年11月16日

「あの日、欲望の大地で 」 タイトルは大げさだけど見ごたえある傑作
★★★★ 人は考え過ぎてバカなことをしてしまう、そして時に考え無さ過ぎてまたバカなことを繰り返す、どうしてこんなことを…と思いながらもいつか繰り返す。時々取り戻したいような、愚かなことをしてしまうのだ。この映画のラストには救いがあるがちょっと拍子抜けするくらいあっけなく、もうひとつひねりが欲しかったがそこまでは完璧に作り上げられた映画的作品、時間をかけて練りに練った脚本に感動。散漫になることなく心地いい緊張感でラストまで、映画的な映画を見たな〜と思いながら劇場を後にした。
soramove
2009年10月30日

☆あの日、欲望の大地で(2008)☆
★★★★ 冒頭のトレーラーハウスの炎上から惹き込まれていきました。本作はシルビア、ジーナ、マリアーナ、マリアの4人の物語で、母娘三世代の物語でした。ラストに向かって4人の4つの物語が、さ〜っと風に運ばれたようにつながっていくところは見事! 脚本も素晴らしいと思いますが、4人の女優の演技も素晴らしかったです!アリアガの脚本にしては、ラストに希望が感じられたので後味も悪くはなかったです。今の自分は母親ですが、時には娘の立場になって作品を観ていたように思います。。。
CinemaCollection
2009年10月17日

あの日、欲望の大地で
3世代の女性たちの見せた愛と罪と心の傷の大きさが胸にどーんと響きました。最初から最後まで目の話せない作品。複雑に現在と過去を織り交ぜながら進んでいく物語はうっかりすると頭がこんがらがりそうでしたけど、惹き付けられました。そして、愛が起こした悲劇と悲劇が起こした別れの連鎖を痛みと共に見つめていました。ラストにシルヴィアが見せたかすかな微笑みに希望の光を感じたと同時に、それでも人間にとって愛は不可欠なものだなあとしみじみと思ってしまった。
とりあえず、コメントです
2009年10月11日

【あの日、欲望の大地で】
若い頃の彼女の心の内が痛いくらいヒリヒリと伝わってきました。母親を取り戻したかっただけ。そして非難されるしかない母親のジーナ。親なんだから子供のことを一番に考えてあげるべき!そう思っても…手術で胸を失くした気持ちを夫は理解はしてくれていない。苦しかったんだろうな〜。自分の母親を見て、自分が母親になったときに不安になるシルヴィア。愛に飢えた生活をしてきたけれど…これからはきっと家族三人で又やり直せる。とても気に入りましたー。好きです。
日々のつぶやき
2009年10月5日

『あの日、欲望の大地で』(2008)/アメリカ
キム・ベイシンガーは年を重ねても美しく、シャーリーズ・セロンも演じて辛くなる役だったかもしれないけど、心のうつろいが感じられる。シルビアの少女時代を演じたジェニファー・ローレンス、シルビアが下した並々ならぬ決意が表情にしっかりと出ていて、忘れられないシーンをいくつも生みだしていた。タイムラグが予告もなく変化していくのだけど、不思議と違和感を与えない構成は素晴らしい。人は、自分を受け入れてくれて、いつでも帰れる場所が必要であり、それを探して必死に生きているのかもしれないと改めて感じる。
NiceOne!!
2009年10月3日

あの日、欲望の大地で
とても見ごたえある映画でした。シーンがシルヴィアのパートとマリアーナやジーナのパートに突然変わるのでとまどったりするんですが、飽きることなく最後まで引き込まれてしまいました。ストーリー自体はこれといって盛り上がるとこはないんですが、2人のオスカー女優のシャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーの演技はもちろん他の俳優陣の演技が素晴らしくてストーリーにぐっと引き込まれました。エピソードが進むに連れて、徐々に繋がって全貌が分かる塩梅が絶妙でした。
だらだら無気力ブログ
2009年10月2日

あの日、欲望の大地で
★★★ シルビアにとって、男を変えるということは、トレーラーハウスの爆発炎上の延長線上にある。太股の自傷も、手首の火傷跡も元を辿ればジーナの胸の傷に行き着く。まるでトラウマ=精神的火傷の遺伝であるかのようだ。しかし、延焼はしっかり者の第三世代の娘マリア(テッサ・イア)で食い止められそうだ。シルビアの罪は明らかになるのか。シルビアはマリアになら懺悔しそうな雰囲気だ。マリアには二世代の女性にはない強い意志を表す目力があった。名がマリアというのも、意味があるのだろう。
佐藤秀の徒然幻視録
2009年9月30日

*あの日、欲望の大地で*
お母さんはきっとシルビアの自慢であったに違いありません。ショックで、お母さんを失うかもしれない恐怖とやはり女として許せないという気持ち。シルヴィアが娘との再会を拒んだのは、母と自分のトラウマがあったからでしょう。それでも、原点に立ち向かっていかなければならないシルヴィアは…。全編にわたって緊張感があるので、見ていて少々疲れます。でもそれも心地よいもので、ジーナとシルヴィアの葛藤、そのふたりを取り巻く家族たちの苦悩の深さが感じられ、じわじわくる作品でした。
Cartouche
2009年9月30日

あの日、欲望の大地で
★★★ 様々な謎はクロスオーバーするエピソードの中で明らかになっていく。本作は「現在のシルヴィア」を観ながら、観客だけに彼女と彼女に関わった人々の過去を回想して見せてくれている。シルヴィアだけでなくジーナやマリアーナのその時々の心情が丁寧に描かれているのは良いのですが、ちょっと丁寧すぎて想像力をかきたててくれる余地が全くないため、物語に深みがないのが残念なところ。それでもダレずに観られたのは、登場する女優陣の演技力のおかげでしょう。
LOVE Cinemas 調布
2009年9月28日

あの日、欲望の大地で
★★★★ 冒頭でいきなりシルヴィアの非常に妖艶な姿が描写されるのだが、どことなく彼女からは物悲しさが伺えてしまう。物語としてミステリアスであり、淡々と描かれながらもパズルでも解くように興味深く観ることができ、次第に明らかにされるこの物語の全体像が観客を引き込ませる作品と仕上がっていたと感じた。登場人物たちの行為自体に共感することは難しいだろうし、淡々と物語が描かれるため、好き嫌いは分かれるだろう。邦題の「あの日、欲望の大地で」の"欲望"というのは如何なものか?
Memoirs_of_dai
2009年9月22日

ブロンドと黒髪・・ 「あの日、欲望の大地で」
よくある不倫ものと違うのは、 そこにアメリカとメキシコの国境があるということくらいか。 トレーラーハウスの炎上で始まり、 過去と現在が交互に語られるので、 少しわかりにくい。 母の不倫によって崩壊した家族、 狂ってしまった人生を、 娘が取り戻せるかどうか。 あるいは罪によって始まった自分自身、 それを受け入れることができるか。 邦題はクサい。 物語を動かしているのはけっして "欲望" ではない。 原題 "燃える大地" のニュアンスのままご覧になったほうがいい。
シネマ走り書き
2009年9月22日

あの日、欲望の大地で / THE BURNING PLAIN
★★★ 不倫という、社会的に許されない事をしている母親を子供ながらに見てしまったことで生まれた過ち。時間と場所、過去現在を交差させて、登場人物を次第に絡ませていく。初めは誰だろう?と思っていた人がだんだん見えて来て最終的に謎が明らかになっていくストーリーは、共感でなくても興味深く観ていられる。とても静かで重たい内容。俳優陣が全員素晴らしい為、伝わるものも大きいんだろうな。なかなか見応えあり。ミステリアスな、大人向けヒューマンドラマです。
我想一個人映画美的女人blog
2009年8月29日

あの日、欲望の大地で (原題:The Burning Plain)
★★★ 独特の編集で見る者の関心と思考をくすぐるマニアックな作りに思えた。特に注目はシルビアの少女時代を演じたジェニファー・ローレンスだ。彼女はこの作品で2008年のヴェネチア国際映画祭マスチェロ・マストロヤンニ賞を受賞している。シャーリーズが単なるフェロモンむんむんの女性を演じるのではなく複雑な心境を背負って生きてきた難しい役どころをこなしている。
映画ってエエがな
2009年7月4日


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