蘇りの血:作品を観た感想(5)
癒しの「蘇りの血」
★★★ ストーリーはわかりにくかったのですが、色彩がちょっと変わっていて、癒しの幻想世界の雰囲気でした。「蘇生の湯」は現代で言えば、パワースポット。きっと、その湯に入れば、力がみなぎってくるのです。姫が「蘇生の湯」にオグリを連れて行ったのは、きっと自分のためでもあったのでしょう。最後にまた別のお湯が登場するのですが、このシーンは後味が悪かったです。「再生」だけで終わって欲しかったです。蘇ることで十分なのであって、復讐などする必要はないと思うからです。
玄米遊女夢映画
2010年2月13日
映画[ 蘇りの血 ]再生の湯、回復良好
善や悪、物質や精神のボーダーレスの元始のような世界ゆえにか、テルテのオグリへの無償の愛、それに応え蘇えるオグリ。というわかりやすい構図ゆえか、ひじょうに力強いメッセージになっている。これは、豊田監督の作品が他の監督のそれとは一線を画しているだろう特徴のひとつ、ロケーションによる効果も大きい。俯瞰による森林地帯の撮影シーンなどは、人間の卑小さをも際立たせるほどのの迫力。余分なぜい肉をそぎ落としすぎて、人によってはピンとこない映画には見えるが、言葉では言い表せないパッションが、何かしら感じる映画ではないだろうか。
アロハ坊主の日がな一日
2010年1月25日
「蘇りの血」
酷かった…この[蘇りの血]は残念ながら悪役に全く魅力がなかった。大王(渋川清彦)と呼ばれる巨悪の暴君が野蛮でチンケな山賊の頭にしか見えず、物語のスケールを小さくし、映画自体も安っぽく魅力のないものに落としてしまっている。チンピラのように描くのが意図だとしたら、[ロミオとジュリエット]を[ウエストサイド物語]にしたように、小栗判官も現代劇にして不良グループの話にしてしまった方がスッキリしたのかもしれない。唯一の収穫はテルテ役の草刈麻有が可愛かったくらいなものである。
古今東西座
2010年1月23日
蘇りの血
★★ 実に不思議でシュールな映像劇だったと思います。中身は何もありません。簡単に言ってしまうと、監督が受けたインスピレーションをそのまま映像化した感じ。つまり小栗判官の説話や「蘇生の湯」に関しての知識を持つ人間が見れば解りますが、それらの予備知識がないと何を言いたいのかサッパリでしょう。あまり説明的になっても面白くないのは解ります。しかし最低限ストーリーを理解出来るようにしてくれないと。もったいない作品でした。
LOVE Cinemas 調布
2009年12月27日
豊田利晃監督 『蘇りの血』について
豊田利晃監督4年ぶりの新作映画。紀州熊野に伝わる「小栗判官」」の説話をモティーフに、人間の「蘇り」を描いた本作は、下北半島の自然をとらえた壮大な映像と、監督も参加するバンド「TWIN TAIL」の音楽とが融合した斬新な世界観で、観る者を幻惑する。「ファンタジーも自分は好きなんですけど、それはたまたま[小栗判官]という物語に出会ったからで、自分のなかでは「蘇り」というテーマをきちんと描きたいという思いが強くありました。ひとつの神話ですよね」 …豊田 利晃
INTRO
2009年12月19日
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