十二人の怒れる男:作品を観た感想(3)
十二人の怒れる男
これはもう最初から画面に釘付けだったなぁ。モノクロだというのも迫力があって、しかもテンポ良く進むのだから、だれることもない。電車の通る騒音、脚の悪い爺さんの廊下に出るまでの時間、少年のナイフの扱い方…。話し合いがヒートするほど疑問も生まれ、偏見は物事の真実を曇らせる。うーん、傑作! ラストは清々しいですが、人が人を裁く権利、命の重さを考えさせられる作品だった。
いやいやえん
2011年12月20日
十二人の怒れる男
★★★★ 50年代のモノクロ作品ではあるんですが、内容は今観ても全く違和感ないんですよね。陪審員たちが集まった部屋から一歩も出ることなくずっと討論のみで展開していくのに飽きさせないところはさすが。何気ない脱線会話が無罪派へと変わるカギとなったりする展開は面白いです。最初は11人が有罪派だったのが、だんだん無罪派へと逆転していく過程が自然でなるほど〜と思う所があって観てる側も納得させられました。映画としては面白いんですが人を裁く難しさがよくわかります。最後にみんなが部屋から出て行った後のテーブルの上に置かれたものが時間を感じさせますね。
映画鑑賞☆日記・・・
2011年2月12日
『十二人の怒れる男』 “言葉”は我々に翼を与えるが、盲目にもする
5回目の鑑賞にして初めて泣いた。こんなに感動が詰まっている映画だったのか。今日初めて気づいたのは、滑り出しの上手さ。裁判長が12人の陪審員に注意事項を言い渡す。実に面倒くさげで、陪審員というのが人の命を左右する非常に重い任務であることを、観客に感じさせない方向へと導いているのだろう。先入観・偏見・差別、そういったものにまみれた言葉たちが我々の思考の翼に油汚れのように絡みつき、身動きできなくさせている。…制作者のメッセージが隠されているラストカットで終わる。場内が明るくなっても、席を立とうとしない方がかなりいた。
23:30の雑記帳
2010年6月3日
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