異形の息子 「鉄男 THE BULLET MAN」
「鉄男」は3回は見た。サイバー・パンクという形容は当時新しかったが、実質はアングラSFと言ったほうがピンときた。だからヘンテコな部分も逆に魅力だったり。これがセルフリメイクされると聞いて心配した。でも意外にしっかり出来てる。画面はキレイになってもカメラは小刻みに振動してるし、カラーになってもモノクロームな色調‥音楽も過不足ない感じ。ただ桁の違い方が二桁だったのが一桁になった、 そんな感じがしただけ。 世界的な雰囲気づくりもやや鼻につく。でも何かを作る以上、 今のものをこれからも楽しみにしてるよ。
シネマ走り書き
2010年11月30日
『鉄男 THE BULLET MAN』 エッジの効かない鉄男は、ただの騒々しいクズ鉄でしかない。
塚本晋也監督の代表作、[鉄男 TETSUO]から20年…。過剰な思い入れは、思い込みを経由し、自己満足へと昇華する危険を孕む。まさにそれを地でいってしまったような映画だ。この20年の歳月は、残酷なまでに鉄男を時代遅れにした…それをまざまざと見せつけられるのは辛い。エッジの効かない鉄男は、ただの騒々しいクズ鉄でしかないだろう。本作でも監督自らが例によって×(バッテンマーク)のシャツを着て出演している。なぜ誰も言ってあげないのか。痛々しいですよ、って。唯一の救いは主演のエリック・ボシック、稀有な才能を感じる。
ketchup 36oz. on the table
2010年5月29日
鉄男 THE BULLET MAN
ただしこの世界観、映像表現、大音響はかなり好みが分かれるでしょう。上映開始後から暫くはかなり気分良く観ていたのですが…、満足な作品だとならなかったのは脚本、即ちストーリーが何だか今一つだったから。“怒り”が何かを引き起こすのはそう珍しいことではありません。ただ違うのは“鉄男”は別にヒーローでも、ダークヒーローでもないこと。この辺から背景が描写不足でサッパリ解らない、だからこの作品が何を言いたいのかが解らなくなっていきます。何がどうなったのか、結局私にはサッパリ。悪く言えば見た目だけの映画です。
LOVE Cinemas 調布
2010年5月23日
鉄男 THE BULLET MAN
元々は[ブレードランナー]が発想の原点で東京が舞台。鉄男アンソニーはまるで鉄が癌細胞化したような存在。怒りが鉄癌化を促進させるらしい。だから姿形は整っておらず、現代の怪談ぽい。しかも映像が暗い上に大音響とシンクロするようにブレまくるため、はっきりしたイメージが定着しない。東京を俯瞰するシーンが再三出て来るが、まるで人の気配が感じられない高層ビルの墓標が並んだような風景。ただ、既視感があり、映像のブレと大音響は迫力と言うよりも五月蝿さだけが印象に残り、新鮮味は感じられず古典的なイメージしか残らなかった。
佐藤秀の徒然幻視録
2010年5月22日
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