怒りの葡萄:作品を観た感想(1)
『怒りの葡萄』 (1940)
偶数章に耕作機械の発展と干ばつが原因で土地を奪われた農民一家の一大叙事詩を描き、奇数章にスタインベックによる大恐慌下のアメリカ社会を告発する評論を配置した当書は、賛否両論の渦を巻き起こし、ベストセラーとなった。聖書の素養がなければ本小説及び映画の本格的な理解は難しいといわざるをえない。注目すべきは、ナナリー・ジョンソンによる脚色術!ちょっとした個人的な不満点、まずトム・ジョードの思考に重大な影響を与える元説教師のケーシーの扱いが、ややインパクトが弱いような気がする。
相木悟の映画評
2014年11月7日
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