やがて来たる者へ:作品を観た感想(2)
『やがて来たる者へ』
主人公は八歳のマルティーナ。聴唖者なので苛められている。山村に我慢ならず街へ奉公にでるが、そこにも居つかずフラフラ。けだるく無頓着な佇まいにひかれた。むかしの家族はいろいろ複雑だった。当時イタリアは分裂、不幸にもマルティーナの村は争地となった。大戦は、津波のごとく世界をかえた。その勢いの激しさを言葉にできるものか? うまれたばかりの弟を守るマルティーナ。人間の邪悪さを煎じつめた物語のなか、彼女だけひとり、聖母マリアのごとく無垢で、英雄的だった。
そのスピードで
2011年11月5日
イタリア映画祭2010...「やがて来る者」
この映画は8歳の少女マルティーナの目を通して描かれている。弟の死後話さなくなったマルティーナ。彼女の母親は再び妊娠し、出産する。しかし迫り来るナチスの手から逃れるため、生まれたばかりの赤ん坊を抱え右往左往するマルティーナの姿が哀れなことこの上ない。スクリーンでは何度も、何度も観てきたように、ここでもまた痛烈なる戦争の悲劇が語られる。マルティーナを演じたグレタ・ズッケリ・モンタナーリは10歳にも満たないのに既に男を惑わす風貌を匂わしている。さぞかし美人になるであろうのグレタ。10年後の彼女が見てみたい。
ヨーロッパ映画を観よう!
2011年11月3日
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