12人の怒れる男:作品を観た感想(19)

十二人の怒れる男 1959/アメリカ
★★★★ 50年代のモノクロ作品ではあるんですが、内容は今観ても全く違和感ないんですよね。むしろ変わらない。陪審員たちが集まった部屋から一歩も出ることなくずっと討論のみで展開していくのに飽きさせないところはさすが。陪審員たちはみんな個性的。様々な職業や性格の人たちが熱くぶつかり合うところは見応えがあります。最初は11人が有罪派だったのが、だんだん無罪派へと逆転していく過程が自然でなるほど〜と思う所があって観てる側も納得させられました。映画としては面白いんですが人を裁く難しさがよくわかります。
映画鑑賞☆日記・・・
2011年1月27日

映画『12人の怒れる男』を観て
ストーリーの流れそのものはアメリカ作を踏襲しているが、ロシア版はチェチェン人少年の殺人事件を裁くと言う少数民族問題がテーマでもある。審議の舞台が体育館という広いスペースである点は異なるが、白熱してきた議論は体育館にある運動道具を殺人現場に見立てるなど、あらゆる角度から検証をする場面は良かった。社会的背景を抱えての評決だけに、陪審員たちが心の中に抱く複雑な心境が映画には投影されていた。アメリカの名作のリメイクというよりは、それをモチーフにしたロシア映画と思ってみれば良いと思う。
KINTYRE’SDIARY
2010年12月31日

12人の怒れる男 (2007)
★★★ 結構見応えありましたね。ラストのドンデン返しはかなり考えさせられましたよ。スッキリと「いや〜良かった」で終われない感じがなんとも…。しかしまぁ、陪審員のオッサンたちのエピソードが熱く語りすぎて長い…関係のない話がどう転ぶのか興味深く観ていたんですが、若干繰り返しているところもあり、多少ダレるところもあるような気がします。怒れるオッサンしか出ていない暑苦しい密室劇なんですが、ロシアの閉鎖的な社会を映した重厚な作品でした。さすがにちょっと地味だし長いし堅苦しいかな? なかなか面白かった!
肩ログ
2010年6月18日

【DVD】12人の怒れる男
★★★ 最後はとても良かった。しかしそこまでの道のりが、あまり好きではなかった。なんというか、結局それぞれに自分の事ばかりで、都合が悪くなると相手を罵倒するというパターンが延々二時間繰り返された挙句、「えっ?そんなことで?」っというようなことでみんなの意見がひとつにまとまる。で、その後の急展開。そこからは本当にどうなるかわからない展開にドキドキしたものの、如何せんそこまでが長すぎた。
新!やさぐれ日記
2009年10月7日

mini review 09393「12人の怒れる男」
★★★★ <法廷ドラマの原点>とされる元作品を、こんなに見事にリメイクすることへの驚愕! この12人のセッションに、良質の演劇を見ているように惹きこまれてしまう。そこでは、現在ロシアの拝金主義、モラル喪失、民族差別、格差社会…そうした矛盾が露出することになる。監督はこの作品を制作するに当たって、すべて映画内時間に則して順番に撮影を進行したらしい。役者たちにとっても、密室空間の息詰まる緊張と疲労の時間帯を疑似体験するように参加したということになる。
サーカスな日々
2009年9月22日

12人の怒れる男
ロシア版では、ミハルコフ監督は、ルメット版を換骨奪胎して、全く新たな映画を創り上げることに成功したのだと思います。しかも、事件そのものの描写における別種の物語への転換が成功しているのみならず、事件がおきた社会背景をも含めて描くことにより、ロシアならではの、よりスケールの大きい問題を提示することにも成功しているわけで、これはとんでもない傑作が生まれたのだと思います。
キノ2
2009年3月12日

怒りは憂いへ 「12人の怒れる男」
ロシアのさまざな状況を風刺する物語が各陪審員の語りとして取り入れられる。 その物語に動かされ、 最初は有罪に票を投じていた陪審員が、 一人、 また一人と無罪に変わっていく。 その変化がまさにドラマなのだが、 審議以外のシーンも適度に盛り込まれ、 ミハルコフ版"12"では最後にもう一点、 皮肉な変更が施される。 それは見てのお楽しみだが、 ミハルコフ自身が陪審員2としてその最後の役割を演じている。
シネマ走り書き
2009年1月31日

12人の怒れる男 意義あるリメーク
今回のリメーク版は陪審員の一人一人のそれまでの生き方や出来事を告白させながら、現代ロシアが抱える問題点をあぶりだしていくという仕掛け。注目すべきはその問題点。それはロシアだけのものではなく日本にも当てはまる。自由な議論で結論を得ても、まだ問題は解決しないで絶望すら感じる。それは我々の新たな課題を認識させることにつながる。だからこそ、この作品がリメークされた意義があるのであろう。
映画と出会う・世界が変わる
2009年1月5日

12人の怒れる男
★★★★ ロシアが抱える問題が浮き彫りにされていっているよな気がする。今もなお存在する人種差別問題や、不安定な経済状況とか…やっぱりロシアは閉鎖的だなって思ってしまう。監督自身が演じた陪審員長の投げかけた言葉なんともって感じだったな…現在私たちにはみえてこないロシアを物語っていたような気がする。そして監督がとてもこのロシアをそしてロシアのすべての民族を愛しているんだなって思った。
C’est joli〜ここちいい...
2009年1月3日

「12人の怒れる男」苦しくても直視しなくては
ミハルコフは単に裁判劇のリメイクを作りたかったのではないだろう。ソ連時代には汚職と不効率が多くの深刻な問題を生んだ。それがソ連の崩壊から始まった自由化という劇的な変化によって解決されたとは必ずしも言えない。自由化による格差の拡大と治安の悪化、拝金主義、民族独立運動の勃興と軍による圧殺など、新たな問題も起きている。苦しくても直視しなければならない現実、それこそが重要なモチーフになっている。
ももたろうサブライ
2008年12月31日

12人の怒れる男
★★★★ 最初はただ早く終わらせて自分の日常に戻りたいと思っていた陪審員たちが、だんだん真剣になってゆきます。見知らぬ他人の事件でも裁くのは人間。裁判の訓練は受けていないのですから、どんな事件も、今までの人生経験で考えるしかないのです。だからこそ12人の男たちは自分の人生を振り返ったのでしょう。裁判員に選ばれたら、真面目に取り組んでみようと思いました。
玄米遊女夢映画
2008年12月22日

「12人の怒れる男」2007年ロシア版リメイク
「傑作」です。アメリカ版オリジナルは「密室劇」の金字塔とも言われています。ですがこのロシア版はある意味「別もの」と感じました。それぞれの陪審員の人種や職業など、21世紀のロシアを映し出す巧みな人物設定で作品全体に深みが与えられています。本当に心拍数まで上昇するほど引き込まれた映画は久しぶりです。流れは分かっていたはずなのに、最初の無記名投票のシーンでは本当にバクバクでした。
ハピネス道
2008年10月4日

「12人の怒れる男」
陪審員たちがそれぞれの身に起きた過去を語り始めたあたりから目が離せなくなり、彼らが事件を再現する場面に至っては興味津々で物語にどんどん惹き込まれて行く。160分の心理ドラマは実に長い。しかし映画の中に戦争の場面をフラッシュ・バックさせ、長々と語られる台詞も中盤以降は展開が気になり、上映時間の長さは消されてしまう。監督が考えたラスト…さすが自分で書いた脚本だなと感服する。
ヨーロッパ映画を観よう!
2008年10月3日

『12人の怒れる男』@シャンテシネ
★★★ オリジナルとはベースは同じでも違う映画だったと再認識させられました。理詰めの議論を重ねて推理し、テンポよく真相にたどり着くオリジナルとは違います。チェチェン人の青年の判決の議論を交わしながら、12人の陪審員の生い立ち、ロシアでの境遇や思いを各々饒舌に語り、ロシアの現状や問題を浮き彫りにしていく作品なんだと思いました。だから、オリジナルにはない展開が待ち受けていたのです。
映画な日々。読書な日々。
2008年10月2日

第六十五幕 12人の怒れる男
ロシア国内では決して大きな声では語れないチェチェン問題を通底音として、現代ロシアの抱えてる諸問題の解決を願うべく、監督は、慈悲を説きます。法は大事だが、法より慈悲が大事とするこの映画は、わたしたちに、既成の考え方の放棄を迫りもします。人が人を裁くことの意味を丁寧に教え諭す映画を堪能あれ。
ほぼ 日刊 Anthony's CAFE
2008年9月27日

「12人の怒れる男」暑苦しいおっさんが怒ってます
★★★★ 先入観や自分のこれまでの生き方がその裁判の判決に微妙に影響し、ほんとうにこれは困ったことになったなと映画を見ながら考えた。人が人を裁くということは理性的というより自分自身をさらけ出し、さまざまなものを総動員して決定していかないといけないのだと感じる。女性は全く登場せずむさ苦しい男が唾を飛ばしながら話してるだけの映画に正面から取り組んだ心意気が素晴らしい。
soramove
2008年9月26日

踊る少年〜『12人の怒れる男』
160分という長さを知って一瞬たじろいだが、長尺に足る力強さと、現代ロシアが抱える諸問題に警鐘を鳴らす社会派の力作。ラスト以外はオリジナルストーリーをほぼ忠実になぞりながら、重厚で現代的な映画となっている。こういう作品を「換骨奪胎」と言うのだろう。第七芸術ここに在り!エンドロールの後、良質な映画を観た満足感で胸がいっぱい。
真紅のthinkingdays
2008年9月26日

12人の怒れる男
★★★ アメリカの古典のロシアでのリメイク。無実を主張する少年が罪を犯したか否か検証する陪審員。そこまでは同じだが、詳細は全然違う。チェチェンとか旧共産党員とか、ロシアを感じさせる作品。オリジナルが短編で熱い作品だった覚えがあるが、こちらはかなりの長編で重厚な作品。ロシアの地方や職業に絡めて、陪審員それぞれの生活が語られ、それが少年への「有罪」「無罪」の判断材料になっているところなど、興味深い。
ダイターンクラッシュ!!
2008年9月25日

12人の怒れる男
★★★★★ いやー、見ごたえあった。 難しい映画なのかと思ったけど、そんなことなかった。 12人の男たちはこの後きっと、世の中の様々な事件に対して、傍観者ではいられなくなるはず…そう思いたい。ラスト近くになって、思いがけない意見が出てきてビックリ。
映画初日鑑賞妻
2008年9月7日


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