白いリボン:作品を観た感想(14)

【白いリボン】嫉妬、悪意、暴力、恨み、嘘・・・
歪んだ世界が歪んだ人間を作り上げていくという物語。 はっきり言って…見終わったあとは、激しくウツである…。 閉塞感が悲劇を作り出すのだ。時代のせいばかりではなく、現代でも、都会でも、あちこちで起きているような事である。
映画@見取り八段
2011年12月28日

白いリボン
★★★ 白黒ハッキリはつけてないけれど、わりと観やすく、先の見えない展開、引き込まれる感じで興味深く観られました。ハリウッド映画にはない独特の雰囲気がありますね。ドクターの落馬事件をきっかけに起こるさまざまな事件、犯人はこの村の中にいるのは確かなのです。実行した人や目撃した人もいるはずなのに、村人たちは知ってて隠してるのか全く知らないのか、真犯人に無関心ともとれる雰囲気がちょっと怖い。それをあえてモノクロの映像で描いたところに村人たちの心に潜む闇の部分を表現してるように思えますね。
新・映画鑑賞☆日記・・・
2011年7月7日

白いリボン
この村の子供達はみんな、親や大人の顔色を窺っているのは明らか。陵辱、嘘、羞恥、哀しみ、怒り、不満、裏切り、不条理、傲慢、偽善、悪意、無関心、欺瞞、暴力、不信、嫉妬、憎悪。一見のどかなこの村を覆う様々な闇がその裏には潜んでいるようです。ジワジワと感じる恐ろしさ…人間の心の深淵を覗き見しているかのよう。事件の明確な理由は明かされぬままラストを迎えますが、終始一貫とした抑え付けられているようなどんよりとした重苦しい雰囲気は変わらないままでした。犯人を考えたとき、作中だけで判断するとそれは口にだすのも恐ろしい事になりますね。
いやいやえん
2011年6月30日

映画『白いリボン』を観て
ハネケ作品には独特の「間」と「構成」があり、私は[隠された記憶]に続いて2作目の観賞だが、正直言って良く分からなかった。結末が示されないので、観客は自分で結末を想像するしかない。閉鎖的な社会で起こった不可解な事件が連続して発生するものの、誰もが犯人探しには協力をしないしそんな雰囲気も無い。物語の中心は基本的には教師の回想で終始し、その教師が内気な17歳のエヴァとの交際が唯一の明るい話題である。そんな作品なので展開は終始重く、しかもモノクロ映像なので余計に重く感じる。
KINTYRE’SDIARY
2011年3月3日

「白いリボン」
醜い大人たちの振る舞いの中で、救いは教師とエヴァが出会い、ほのかな恋の後、結婚に至ったことだけかな。しかし一連の犯人は誰なのか明かされないまま、第一次世界大戦が始まったという知らせが届き…。次から次へと起こる不可解な事件に震撼する村人たち。冷たく、張りつめた空気漂う村の姿がモノクロ映像からひしひしと伝わって来る。しかしながら物語のテーマは宗教(プロテスタント)と貴族の支配。いつものように非日常この上ない展開に小説を読んでいるような気分だった。
ヨーロッパ映画を観よう!
2011年1月27日

『白いリボン』 恋の行方も?
映画から色彩を剥ぎ取った本作は、さらに音楽も剥ぎ取り、カットバックのような技巧も剥ぎ取り、舞台となる村を可能な限りむき出しにする。そこに描かれるのは、どこにでも誰にでもある、ごくごく普通の欺瞞と悪意とコミュニケーションの断絶。例えば、あなたの陰口を発した者や広めた者が誰なのかあなたには判らないように、あなたを取り巻く悪意が確かに存在しても、名指しで指摘することはできない。ただ、周囲の悪意のみがひしひしと感じられる。本作は、そんなことをあなたに思い出させ、緊張を強いるだろう。
映画のブログ
2011年1月25日

「白いリボン」 その白いリボンが象徴するものは?
★★★★ この村で何が起こっているのだろう、何もかもが胡散臭く見せかけの整然とした生活がもう爆発寸前のようだ。何が起きたのかは明確だ。でもどうしてもそこに自分達は「何故」や「誰が」と答えを求めてしまうが、時々そんな常識的なことなんかぶっ飛んでしまうような不条理なことが起こることも知っている。文学作品を読んだような明確な何かは提示されないが、それがかえってこの映画の印象を強くする。気軽に見られるような映画じゃないがこれも映画の力。満足感に浸りながら劇場を後にした。
soramove
2011年1月23日

それは不吉な予感・・ 「白いリボン」
想像以上に淡々として、いつものハネケほど不条理ではなく、しかし納得のいかないパルムドールではなく、むしろ納得してしまうが、恐いのはスクリーンに映し出されるものより、その背後にあるもののような気がする。この陰湿な空気の傍らにはその時代なりの恋や希望が置かれていて、それは適切にドラマチックだが、でも何か、今の時代と似ているね、戦争が始まる前の空気。そして戦争は始まり余裕のある者は安全な場所へ逃げ、余裕のない者は徴兵される。真実は見つめられず、 原因は究明されず、 打開策は実行されず、 流れのままに押し流されてゆく…。
シネマ走り書き
2010年12月22日

『白いリボン』 ミヒャエル・ハネケ監督
傑作だと思う。人間の禍々しい残虐性を描きながら、古典的な風格を持つとても美しい映画にもなっている。できれば見たくないもの、無いことにしてやりすごしたいおぞましいものを、ハネケは観客に突きつける。最後まで緊迫感が途切れることは無いが、謎解きのカタルシスはない。それだけに、物語が映画の中だけで完結せず、いつまでも心をざわつかせる不穏なものが後を引く。一地方の一事件というにとどまらず、どこでも誰にでも起こりうるという恐ろしさがある。作り手は幼い子供の無垢を信じているようにも見える。
本、映画、音楽
2010年12月19日

白いリボン
★★★ カンヌ国際映画祭の受賞作としては地味な仕上がり。それでも、この映画に漂う不気味でどんよりとした重苦しい雰囲気は、比類がありません。本作は、おそらく第1次大戦直前のドイツの農村地帯が持っていた雰囲気を、ある意味で概念的に描き出そうとしているのかもしれません。ただ、そうした実際の歴史的背景をバックにして、この映画を見ることもないのではとも思われます。むしろ、旧秩序が壊れかけ新秩序が次第に現れてくるその端境期・移行期の有様をここに見てもいいのではないでしょうか?
映画的・絵画的・音楽的
2010年12月19日

白いリボン
★★★★ 言わば犯人不明のテロの連鎖。誰もが疑心暗鬼になるのだが、誰も大ぴらに追及しない。この映画の最大の謎は、実は語り部である教師ではないだろうか。どちらかと言えば中立的で傍観者的なのだが、事態を冷静に見過ぎている。見方によれば、この教師は村で起きたことを一番冷静に見て人心の何たるかを学び、人心掌握術を会得したのだと思えなくもない。はっきり表現されていないが、極めて意味深な映画ではある。ただし、映画自体も恐ろしく観賞に忍耐を要する。耐えきれない人々が居眠りや館外に逃走したくなる心理に陥る映画でもある。
佐藤秀の徒然幻視録
2010年12月14日

白いリボン
★★★★ 想像力をフルに働かしても余りに情報が少ない…。いずれにしても事件の犯人探しがこの作品の目的でないのは明らか。本作はそんな生易しいものではありません。フィクションでありながら、人間の心理の奥底を描くにあたって徹底的にリアリティに拘っているんです。観終わってあまり気分の良いものではありません。人間の心の闇を暴き出した作品はこれまでもありましたが、本作の恐ろしいのは、それが特別な人間に起こる事象ではなく、誰にでも起こり得ることなのだと示して見せたことだと思います。覚悟をして観る作品です。
LOVE Cinemas 調布
2010年12月14日

《 白いリボン 》
★★★★ 難解とも思える要素に困惑させられつつも、モノクロでしか表現できないであろうこの村を覆う闇が、しっかりと描かれていました。"奇妙な出来事"として、一人の教師の回想で展開する本作は、"犯人は誰なのか?"、"目的は何なのか?"といった観る者を惹き込んで離さない表面上の要素を映し出すばかりでなく、語り尽くせない様々な"闇"がその裏には潜んでいる。時間軸が第一次世界大戦開戦へと近付くにつれてあぶり出される「不条理」、「傲慢」、「凌辱」 そして「独裁」といった負の象徴たる要素が、心に重くのしかかって来ます。評価されることが頷ける作品でした。
映画 - K'z films -
2010年12月13日

白いリボン/Das weisse Band/Eine deutsche Kindergeschichte
★★★★ のちのファシズム、ナチズムの予感をさせる ある村での日常の不穏な出来事を、全編モノクロ映像で描き出す。ただ、いくつかの事件の連鎖ではあるけど淡々として話は進むから眠くなったり ぼーっとなったりする人も多いかも。わたしはというと、前半は何が起きるか分からない、何か起こってもこれまでみたいなドカン!とくる爆弾みたいな衝撃映像とは違う、不快さもそこまでではないような印象で少し眠気がきそうにもなったんだけど後半はすっかり入り込んじゃった。いつものように全てを観せずに観客にどうとでもとれる解釈を残し、委ねたままなところがすごくハネケらしい。
我想一個人映画美的女人blog
2010年12月5日


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