変身:作品を観た感想(2)
変身
日常の中でじわじわと来る奇怪さと悲哀。映画の中でこの虫をどのように表しているかというと完全に俳優の演技力一本。着ぐるみも特殊メイクもCGも無し。人間の手足をガサガサと動かし、人間の喉で鳴く。また、こちらとしても迫真の虫演技を見続けているうちにそれは人間の姿であるけれども虫であるという考えが定着し、回想や想像で人間としての彼の場面が挟まれると、むしろそっちの方に違和感を持ってしまうまでになる。幻想的な画。あの俳優の凄すぎる演技。自然な不調和と不自然な調和が醸し出す不思議な香り。怪作。見ものである。
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2009年6月17日
映画: 変身
★★★★ 原作を先に読んでおいた方が楽しめると思います。とてもとても幻想的なムードの作品で、カフカの小説世界を見事に現しています。小説「変身」を映像化した場合に、最も気になるのは「虫」をどう表現するかですね。着ぐるみか、CGか、一人称表現にして全体をあえて見せないか。本作でのそれは、ここでは書きませんが、まるで小説を読んでいるときと同じ感覚になるような表現方法です。
Pocket Warmer
2004年11月15日
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