刑事コロンボ 完全版20:作品を観た感想(2)

トムとジェリー
「刑事コロンボ/殺しの序曲」は面白い。優れたメカニズムは使用者を選ばない。誰にでも扱える汎用性を有している。オリバーが用意した機械トリックは、これ。オリバーの機械トリックは、大別して2種類のメカニズムを有している。それぞれの目的は、現象面に関して云えば単純な結果しか求めていない。人の手を介さずに扉を閉めること。2種類の音を発生させること。メカニズムに特別な装置を用いずに日用品を代用したことで、会員たちによる死体発見時に彼らに異変を気付かせない。これは肝要である。
MESCALINE DRIVE
2009年3月12日

居場所
「刑事コロンボ/黄金のバックル」 寂しい殺人者が本作に登場する。ルースは髪に白いものが混じる今に至るまで独身。自ら望んだ境遇ではないにせよ、一族の者からは自立した職業婦人との見方をされてしまう。リットン家の栄光を守る最後の砦。栄光を今に伝える美術館を運営してゆくことこそが、彼女の生き甲斐となっていた。ルースの行動原理は、自分の居場所を守ると云う一点に集約される。実の弟と警備員に対する謀殺が明るみになれば、美術館は閉館となり、家名は今度こそ地に落ちる。それでも彼女には残されている。姪思いの優しい叔母と云う居場所が。
MESCALINE DRIVE
2009年2月11日

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