HANA-BI:作品を観た感想(1)

HANA−BI(1998)
はっきり言えば、主人公の佳敬は頭のイカれた刑事。この映画では、佳敬の凶暴性を覆い隠すような演出がされていて、病院、喫茶店、バー、それに裏金融の事務所にまで気を衒ったような安っぽい北野武自作の絵画が掛けられていたり、BGMがやたらふさわしくなく優しかったり、時折花々がカットで挿入されていたり、花火が上がったり。しかし、それらはまるで人工着色料で無理矢理塗り固めたような印象で、ただ佳敬の凶暴性をちぐはな不自然なものに見せる効果しか出ていない。北野監督は妙に肩に力が入っている演出で、俳優としてのビートたけしも自作に限ってどこか不自然でぎこちない演技だ。
佐藤秀の徒然幻視録
2011年1月5日

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