コンプリシティ/優しい共犯:作品を観た感想(1)

コンプリシティ 優しい共犯
★★★ 藤竜也の捏ね上げた蕎麦を切ってゆくシーンが秀逸であり、黙々と手を動かすだけだが、トントントンと小気味のいい音が耳に聞こえてくるのだ。蕎麦屋での日々が続く中で、青年が中国を出発するまでのシーンが点々と挿入され、彼がどんな境遇のもとで日本へ来たのかを描きだしていて、中国での猥雑な街の模様とか、厳しい祖母と優しい母親の姿が、生々しく浮き立って浮き立って見えた。食べ物を作るアクションや、祖国に残した肉親の情愛。この二つの要素が渾然なって深い感銘をもたらしていた。
映画に夢中
2020年5月5日

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