エヴォリューション:作品を観た感想(5)

エヴォリューション
★★★ 必要最低限の台詞しかない。主人公である少年二コラの交流関係すらわからない。しかし少年たちは美しく描かれていたと思う。設定の中身はグロテスクですらある。ただ、その美醜すら考え抜かれたものに感じるので、監督の美的センスで描かれたアート的な作品とも思える。
いやいやえん
2018年2月11日

エヴォリューション  監督/ルシール・アザリロヴィック
★★★★ 生物の生殖行為というものの薄気味悪さと妖しい美しさが画面から溢れてくる映画です。この感じはガーディアン誌の評にもあった通り初期のクローネンバーグやデビッド・リンチを彷彿とさせる。即ち僕好みである。最近では珍しく台詞も説明も最低限でほとんどを観客の想像力に委ねているところも良い。でもこの映画は好き嫌いが分かれるだろうな。
西京極 紫の館
2016年12月31日

「エヴォリューション」:変態耽美作家の難解アート・ホラー
オープニングの海中映像が美しく、そして岩場の異様な光景に心をかき乱されます。悪夢の入れ子細工みたいな展開でもあり、何よりも一筋縄ではいかない「難解な」作品なのです。人間は海から生まれ(海の生物が進化し)たってこととか、人間の体の70%が水分であり、地球の70%が海であるってこととかを連想させる作品でもありました。
大江戸時夫の東京温度
2016年12月12日

『エヴォリューション』 着実に進化していく妄想
この作品のキャッチコピーは「そこはユートピアか、ディストピアか」。『ネクター』の蜜蜂の描写は、それが多くの召使いとそれを従える主人公の関係を類推させるのはわかりやすい。個人的にはわからないことだらけで、81分という上映時間にも関わらずやけに長く感じた。
映画批評的妄想覚え書き/日々是口実
2016年12月6日

エヴォリューション〜ヴィーナスの誕生
一言で言えば、海と子宮が一体化したような世界。人間と動物、というより人間と脊椎動物以外の動物との生殖の混淆が表現されている。アフロディーテを描いたサンドロ・ボッティチェッリ作の「ヴィーナスの誕生」を思わせる映像だ。特に本作などそのものな感じがする。
佐藤秀の徒然幻視録
2016年12月1日

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